プロダクトデザイナーが転職する際のポイントを分けて掲載しています。
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まだ内定までいくつかのステップがあるとわかっている場合は全く問題ありません。その会社と自分が合うかどうかというのは受けてみないと分からないことがあるので、可能性を広げることは大切なことです。
実際、先月内定が決まった2つの案件では、どちらも最終面接の場で「もう来てほしいと思ってるんですが、○○さんはうちに来てくれますか?」と質問がありました。どちらの方も他の企業を受けていました。1名はその場で給与の交渉となりました。自分の現在の生活環境から最低希望年収を正直に伝え、先方も真摯に検討し、できる限りの回答をしました。希望には届きませんでしたが、その真摯な態度と熱烈なラブコールに心を動かされ、入社を決めました。
もう1名は環境面でいくつか気になる点があったので「少し考える時間をください」と回答していました。こちらは企業側がその点についてさまざまな角度からサポート案を示していただき、無事に入社を決めました。
以下、具体的なケースと選択肢で見てみましょう。
選択肢1)正直に別な企業も受けていることを話す。
この選択肢では伝え方が重要です。いくら誠実な態度がよいといっても、「第一志望の会社がまだなので、そちらが落ちていたら御社に行きます」等と言ったら、相手(B社)を不愉快にさせてしまいます。そうなると、あなた自身のちょっとしたマイナス点が気になるようになり、過剰に評価が低くなって面接で落とされる可能性もあります。
お勧めの伝え方は「別な企業も受けていて、そちらも受かったら良く考えてから決めたい」というものです。「よく考えてから決めたい」と、結論を濁しているところがミソで、現時点ではどちらも甲乙つけがたい、というようなニュアンスが伝わります。結果としてA社を選んでも、「よく考えた結果、A社に決めました」ということであれば、B社も不快感は少ないです。
なお、ライバル候補がいる場合は、少々不利な状況になることもあります。実力が近い場合、自社への志望度が高い方が、入社後に活躍してくれる可能性が高いからです。(とはいえ、中堅の中途採用の場では実力差が大きいのでそこまで影響はありませんが、若い経験の浅い方は要注意です)
前述のような大企業の場合は、他の候補企業が終了して「内定したら必ず行きます」という結論が出るまで最終面接を伸ばしてくれることもあります。
選択肢2)他を受けていることは黙っておいて、最終面接の日程を先延ばししてもらう。
これは前述のようにライバル候補がいて比較されたくない場合、「仕事が忙しくて休みが取れないので」などの理由をつけて、面接日程を1,2週間待ってもらう、という方法です。ただ、あまり長く待たせると、ライバル候補がすぐに面接を受けて印象が良かった場合は、「待てないからもう決めました」といわれてしまうこともあります。人事部の方もプロなので、これまでの言動から「うちが第一志望ではないな」とうすうす感づいているからこのようなことがありえます。
選択肢3)黙っておいて面接を受け内定を取っておき、第一志望に受かったら断る。
あまりお勧めはしません。デザイン業界、特にプロダクトデザイン業界は非常に狭いです。断った企業の方とセミナーで出会ったり、上司がその企業の責任者と同級生、などということはよくあります。将来、またお会いすることを前提に、真摯な気持ちで対応することをお勧めします。
そのような際には仕方が無いので、この選択肢を取ることになります。もちろん前述のようなマナーある態度も大切ですが、転職はその後の人生を大きく左右するので、最後は自分の気持ちを優先するしかないかと思います。
<来週はまた別のテーマです>(下村航)
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