職務経歴書・ポートフォリオ作成のコツ

過去の弊社ブログの連載から、特に役立つ項目をまとめました。
今回は、第1回目「職務経歴書・ポートフォリオ作成のコツ」です。

その他のトピックを先に読みたい方は
第2回目「デザイナー面接のコツ(質問例、マネージメント経験)
第3回目「手描きデザインスケッチのコツ、業界による必須スキル」へお進みください。

作品集(ポートフォリオ)について

プロダクトデザイナーが転職をする際に必要なのは、「作品集(ポートフォリオ)」、「職務経歴書」、「履歴書」です。特に書類審査では、この順番で重視されます。
まず作品集が無い方は、用意してください。

とはいえ、デザイナーの性分で、作りはじめたら中途半端なものは見せたくないのでついつい凝りすぎてしまい、最初の1ページに何日もかけて、そのうちに時間がなくなって先延ばしにしてしまうということがあり得ると思います。

しかし、転職活動は運と縁とタイミング。当社にコンサルティング面談に来た方には、「まずは自己評価30点でいいから、一通り完成させてください」と伝えます。作品集さえあれば、求人がきたときに受けることができるからです。

自分がどの程度評価されるのか、他社からみたら自分の仕事はどう評価されるのかなど、まずは受けてみないとわからないところもあります。また、自分がどのような仕事をしたいと思っているか、も、いろいろな会社の求人を詳しく調べてみて初めて認識できる、ということもあります。

転職を考えているなら、「まずは作品集を自己評価30点でいいから完成させる」。このことを意識してみてください。

 


作品集は、デザイナーの顔となるものです。
多くの皆さまの作品集を見させていただきますが、ほとんどの方は「もったいない」状態になってしまっているので、よくさせていただくアドバイスを記載します。

・説明不足

よくある作品集は、これまでにデザインした商品写真もしくは最終レンダリングの画像が1枚から数枚あり、その製品名、製品の説明が書かれているもの。

弊社のコンサルティングでは、それぞれの製品について順にお聞きします。
そうすると、ほとんどの製品には明確なデザイン意図があり、また技術上の制約があったのをデザインを崩さずにクリアしていたりと、デザインスキルの高さを感じさせるエピソードがあります。

こういった内容は求人担当者に伝えるべき内容ですが、ほとんどの方の作品集にはこれが表現されていません。

(当社を通す場合は、必ず担当者に会って口頭で一つ一つの製品について説明しますのである程度伝わります。それでも、その場にいなかった別のメンバーや上司の方に伝えやすいよう、そうした説明を加えることをお勧めします。)

転職する以上、今までと別の製品をデザインすることになります。求人担当者は「これらの製品をデザインしたのはわかったが、この人は当社でどのようなデザインができるだろうか」と疑問を持っています。

それに対して例えば、「1つ目のこの商品は、新興国のコンシューマ向け商品。他社が派手なデザインだったため、あえてシンプルにして日本製らしさと高級感を表現した」「この製品は取っ手部分がどうしても出っぱってしまうが、その突起部をキーにして特徴的なキャラクターラインを作り、デザインのアクセントとした」

などの説明があれば、自社の製品でもターゲットに合わせたデザインや、マイナスポイントをデザイン的にうまく処理できるのではないか、と期待してもらえます。もちろん、これらの説明をシンプルに読みやすく美しくレイアウトすることも重要です。(次に続きます)

 


作品集(作品順序)

次は作品の掲載順の話です。これも多くの方にアドバイスさせていただいています。

弊社では、作品集は自信のあるものから順番に載せるようお勧めしています。多くの場合は最近のデザインしたものになりますが、受ける予定の企業により、その企業の製品に近いものを最初に載せることも良いかと思います。

最近では少なくなりましたが、年代順に並べる方がたまにいらっしゃいます。しかしそうすると、まだスキルも未熟な頃の作品が先に並んでしまって、最初の数ページで「このレベルではダメだな」とおとされてしまう可能性があります。その意味でも、自信のある作品を最初に掲載することをお勧めします。

なお、受ける会社の扱い分野に近い作品がある場合で、それがある程度自信を持って見せられるのであれば、前の方に持ってくるのもありです。

さらに、載せ方にもポイントがあります。

下の図は、弊社がよく説明に使う図です。左側が作品集の1ページ目、右側が最終ページを示します。タテ軸は、載せた作品に対する説明の深さを示します。

 

 

作品集の最初の数点は、自信のある作品を数ページかけて深く、詳しく説明します。

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とはいえ、文字ばかりの作品集は読んでもらえません。そこで私がアドバイスする際は、以下のようにお伝えします。

# 特にアピールしたい数点は、左側に作品の全体写真やレンダリングを載せる。
# 右側にその写真や部分拡大図を載せてそこに引き出し線をつけ、そこの形状の理由などをポイントごとに説明。

# また、部分ごとの拡大図や、説明図を新たに用意しても良い。

大切なポイントを簡潔に見やすく表現することも、デザイン能力の一つです。説明がうまければ、それもプラスになります。
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それ以降の作品は1ページ1作品程度で簡単に触れます。

最後の方のページには、自分の能力の幅を見せます。バリエーションを見せるのに、1ページに10数点載せる場合もあります。また、パッケージや操作パネル版下など、メイン業務ではないが経験あり、という程度のものを載せるのもこの部分です。

なお、経歴が長く、いくつかの会社でそれぞれに自信のある作品がある場合は、会社ごとに分けても良いです。

例えば最近の会社の作品を上図のようにひとまとめにする。次に、前の会社で最も自信のある作品をもう一度深く説明し、また上図のように段階を追ってだんだん浅くする、という構成です。

ただし、この場合は1ページ全体を使った「扉ページ」を用意するなど、読みやすくする工夫が必要です。扉ページとは、例えばそこまでのA社がプロダクトデザインで、そこからはB社で経験したGUIデザインの作品になるのであれば、1ページの真ん中に「GUIデザイン」とだけ書いたシンプルなページを中表紙として用意することを言います。

そのようなページを用意することで、ぱらぱらとめくっていても「あ、ここから内容が変わるんだな」と新たな気持ちで見てくれます。

 

 
・インデックス

次はインデックスについてです。これも多くの方にアドバイスさせていただいています。

作品集はどうしてもページ数が多くなります。前述したように掲載方法を工夫することも重要ですが、追加でお勧めしたいのは、カラー写真付きのインデックス(目次ページ)をつけることです。表紙の次のページに掲載します。

前述のように後半には自分の『幅』を示すため、前半とは全く違う種類のデザイン作品が掲載されます。前回のような工夫で手をとめてもらうことはできますが、パラパラと忙しい担当者が全部を見てくれるかどうかはわかりません。

そこでインデックスをつけると、「この人はプロダクトデザイン以外にもパッケージとかカタログデザインも経験豊富だな」と一瞬で伝わります。さらに、そのインデックスに各項目の代表作品のカラー写真を載せておけば、「こういうテイストのデザインもできるのか、ちょっとみてみようか」という気になるかと思います。

例えば過去に来た転職希望者の方で、男性をターゲットにした製品を多くデザインしてきた方がいらっしゃいました。しかし、少ないながらも女性向けのかわいらしいデザインも経験しており、それらは作品集の最後の方に掲載されていました。
得意としていたのは男性をターゲットにした堅いデザインだったので順番はそれで良いのですが、経験も豊富で作品数も多かったため、パラパラとめくってしまうと見逃されてしまう可能性があります。

その点、前述のように最初のページで写真付きのインデックスがあれば間違いなく確認してもらえるので、「男性向けばかりかと思ったが、女性向けデザインも経験しているな。幅広いデザインができる方だな」と評価が上がります。

 
 

その他、小さなアドバイスをいくつか記載します。

・作品件数が多い場合は2冊に分ける
特にベテランの方は、デザインした作品の数が膨大で、作品集が厚くなりがちです。
そうした場合、ダイジェスト版で薄い(20ページ程度)の作品集を1冊作り、その他詳細資料集として厚い作品集を別に用意する、という形式もありです。

また、これまでの経歴が異分野にまたがるのであれば、例えば、過去のA社、C社でデザインした消費者向けの製品と、B社でデザインした産業機器を分けたり、または家電系と雑貨系で分けるなど、見た方が理解しやすい方法を考えてみてください。

・仕事で手掛けた物が少なければ、学生時代の作品集も見せる
逆に若い方で、まだ自分がデザインしたものがあまりない状態の方もいるかと思います。その場合は、学生時代に作った作品集も参考資料として提出することをお勧めします。

例えば過去に、工場やBtoBの堅いシンプルなデザインしかない若いデザイナーさんがいらした際、それだけだと希望する企業には全くアピールできない状態でした。しかし学生時代にはファッショナブルな製品や消費者向けの製品などをデザインしていて、カラフルな作品集があったのでそれも合わせて提出しました。現職の堅いデザインと学生時代の柔らかいデザインで彼自身の幅を示すことができ、見事希望の会社に転職することができました。

・「売れた」「社内賞をもらった」は目立つようにPRする
これも盲点なのかもしれませんが、多くの方はそのデザインした製品がヒットしたことを作品集に書いていません。職務経歴書にあればいいほうで、実はそれなりのヒットをしているのにどこにも記載が無い方もいます。

例えば「初回ロット30000個が完売」「レビューサイトで星4つを獲得」「この製品単品で売上3000万円を獲得(通常の2.5倍)」など、見た人が「なんかすごいんだな」と伝わるような記述があると良いです。こうした実績、評価は第三者の評価になるので、デザインの良し悪しではない基準でポイントをもらえるためです。また、実際には「このぐらいの売上は社内では普通だったけど」と思っても、「量販店での売上ランキングTOP5!」などと記載すると、「良いデザインなのかな」と感じてもらえます。
(ただし、作品集ですので目立ちながらもデザインを崩さないようにご注意ください)

・誰かに見てもらう
なかなか難しいかもしれませんが、、、他の人に見てもらうことで、自分では当り前だと思って省略していたところが伝わらなかったり、逆に大したことないと思っていたことが実は価値がある、という発見があります。

あくまでも自分をPRするための資料ですので、その観点で作成すると良いと思います。

 

 職務経歴書について

<概要・使われ方>

初めて転職される方にとっては、「職務経歴書」は聞き慣れない言葉だと思います。職務経歴書は、自らのこれまでの業務の履歴、そこから得たスキルを記載するものです。

ある人の能力は、それまでにどんな仕事をどのようにしてきたか、によって表現できます。デザイナー以外の転職活動では、この職務経歴書と履歴書が書類選考での『全て』になります。求人企業はこれらと本人の説明を聞き、求めている人材にマッチしているかどうかを判断するのです。

デザイナーの場合は作品集が重視されるのでこれが全てとはなりませんが、面接で効率的な自己紹介をするのに使用されます。また、2次面接、3次面接でデザイン部門以外の方が面接をする場合、作品集ではなく職務経歴書を重視されることがよくあります。

例えば、先日同席させていただいた面接でのこと。デザイン部のマネージャーと人事部のマネージャーが同席されました。面接を受ける求職者の作品集が1冊だったので、デザイン部の方が隣の人事部の方に作品集を渡そうとしたところ、「僕はそれを見てもわからないからいいよ」と答え、まったく見ませんでした。その代わりに履歴書と職務経歴書を読み込んでおり、それに記載されている内容についていろいろと質問していました。

ついつい作品集だけで手いっぱいになってしまう方が多いのですが、職務経歴書もしっかりと作成することをお勧めします。

<書き方>

書き方に決まったフォーマットはありませんが、少なくとも以下の項目は記載します。なお、紙のサイズはA4縦書きで、1-3枚です。

シンプルで読みやすいレイアウトデザインが好まれます。職務経歴書はデザイン部門だけでなく、人事部門の面接担当者や、役員の方が面接に来た際も目を通します。装飾的なデザインにせず、読みやすさを第一にしましょう。

1)職歴

何年から何年まで、どこの企業のどの部門に所属し、どのような製品をデザインした、どのような業務を担当した、という点を簡潔に記載します。あまり有名でない企業の場合は、一言、何をしている企業か説明を付けます。
  
新しい順に書いても、古い順に書いてもどちらでも構いませんが、職歴が長い場合は新しい順に書いた方がわかりやすくなります。

なお、就職してから数年後、留学した、学校に通いなおした、等は職務経歴書では年代の中に入れた方が理解しやすくなります。
その場合、空白の年が無いようにします。留学準備、就職活動、フリーランスとして受注、等、会社に所属していない年があれば、その間何をしていたか記載します。

2)能力

どのようなデザインおよびその周辺業務ができるのか、簡潔に記載します。例えばラフのアイディア出しからファイナルレンダまで、もしくは3D図面まで、製造手配まで、操作パネル、画面デザインも、等々。

また、デザイン経験のある分野、例えばコンシューマ向け小型家電、大型家電、オフィス向け家具、等。

使えるソフトウェアも別項として記載します。そのレベル、業務に使っていた/一部のみ使用可能/現在学習中、等も記載します。

話せる言語(英語、中国語等)とそのレベルも記載します。

3)その他

他に見かける項目としては、職歴が長い場合は最初に「経歴要約」を付ける場合があります。これは3行から5行程度で、これまでの職務経歴をまとめたものです。

また、代表的なデザイン作品を半ページから1ページでまとめる方もいらっしゃいます。

以下は他社のサイトですが、ページ中ほどに掲載のサンプルは、比較的よく見かける一般的なフォーマットです。迷ったらこのフォーマットにならって作成すると無難です。

転職HACKS https://ten-navi.com/hacks/job-change-17-8446

以上です。

なお、もちろん弊社に登録いただいた場合には最初に作品集、職務経歴書を確認させていただきますので、その際に必要であればアドバイスいたします。

 


履歴書について

今回はデザイナー転職時に軽視しがちな「履歴書」についてです。

デザイナー転職での3点セットは、作品集(ポートフォリオ)、職務経歴書、履歴書です。重要度の順番はこの通りで、場合によっては「書類審査では履歴書は不要」というケースもあります。 そのような扱いの履歴書ですが、重要だったケースが何度かありましたので、その経験を説明します。  

<よく注意する点>

1)写真はほほ笑む程度の笑顔で!

一昔前には「あごを引いて真剣な顔で」と言われた記憶があるのですが、現代においては少し口角をあげてややにっこりしているぐらいの表情が好まれます。他社のサイトなのですが、このページの中央に「表情のNG例」としてモデルさんを使った写真での比較があります。企業は「一緒に働く仲間」を探しています。これを見れば、笑顔の方が採用されやすい、とわかるでしょう。

転職HACKS「履歴書写真 落ちない撮り方丸わかり」
https://ten-navi.com/hacks/resume-9-3839

2)志望動機のあるフォーマットを使う

履歴書はいろいろなサイトでフォーマットが見つかりますが、必ず「志望動機」のあるフォーマットを使ってください。そこに、御社に入りたい、という熱い気持ちを簡潔に書きましょう。
某メーカーでは、デザイン部門のマネージャーが作品集と職務経歴書で書類審査をしている最中に、「うちの製品はやや特殊だから、これまでの経験だけだと何とも言えないな。なぜうちに入りたいのか、ということが知りたいので、履歴書も提出してもらえますか?」と言われました。

また、職務経歴書の時も書きましたが、人事部門の役員など、デザイン部以外の方が面接に出てくる場合、作品集を見ないで職務経歴書と履歴書だけを熟読している様子がよく見られます。そういった方々にも人となりをアピールする材料だということを忘れないでください。

3)職務経歴、学歴に空白を作らない

タイトルの通りですが、例えば仕事を辞めた後、次の会社まで1年や2年あいたり、海外留学までに1年あく場合があります。そうした方に質問すると、たいていきちんとした理由があります。例えば「会社を辞めた後、次の就職先を探しながら、友人から単発で仕事を受けていた」、「海外留学のためにお金を貯めるために1年間デザインと関係のないアルバイトをしていた」「学校を卒業した後、大学院に行くか就職するか迷いながら就職活動をしていた」等々です。

いずれにしても、何も書いていないと採用する側は不安になったり悪い想像をしてしまうので、上記のような理由でも構わないので職務経歴欄に()付で1行足して、空白期間が無いようにしましょう。

4)指定がなければ手書きでなくてOK

たまに聞かれますが、中途採用の際には手書きである必要はありません。むしろ読みにくいので、よほど字に自信が無い限りは、PCで作成してプリントしたもので構いません。

ただし、逆に「履歴書(手書き)」と記載があったら要注意です。作業の丁寧さ、文字のバランス等も合わせてチェックされています。過去、手書きでの履歴書が必須である会社で、書類審査で落ちてしまった方がいらっしゃいました。確認したところ、履歴書の文字が雑で、欄からはみ出してしまっているところもありました。

<その他、過去に求職者から聞かれた質問>

Q)学生時代の就職活動の際に使った、○○美術大学と書かれた履歴書が家にあるのですが、これを使ってもいいですか?
A)やめた方がいいです。先ほどの「志望動機」は御社に入りたい、という熱意を示すもの。それを、家にあった昔の余りを使って表現する、というのはおかしいですよね?採用する側も、「なぜこの人は学生時代の履歴書なんだ?」と疑問に思うと思います。

Q)本人希望欄(給料、勤務地、・・・)という欄があるのですが、ここで希望年収は書いた方がいいですか?
A)よほど譲れない条件があるなら書いた方がいいですが、基本的には書かない方が良いです。

以上です。冒頭にも書いたように、履歴書は最も重要度が低いのでつい油断しがちですが、凡ミスの無いよう、ご注意ください。

 


第1回目「職務経歴書・ポートフォリオ作成のコツ」は、以上です。
次は第2回目「デザイナー面接のコツ(質問例、マネージメント経験)」に続きます。


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