デザイナー面接のコツ(質問例、マネージメント経験)

過去の弊社ブログの連載から、特に役立つ項目をまとめました。
今回は、第2回目「デザイナー面接のコツ(質問例、マネージメント経験)」です。

その他のトピックを読みたい方は
第1回目「職務経歴書・ポートフォリオ作成のコツ
第3回目「手描きデザインスケッチのコツ、業界による必須スキル」へお進みください。

面接について1

企業が中途採用をする場合、まずは作品集・職務経歴書・履歴書で書類選考をします。ここでかなりの人数が落とされ、受かった人だけが面接に進めます。
面接は1回の場合と、デザイン部門長による面接と役員面接の2回に渡る場合があります。(会社によってはさらに社長面接で3回ある場合もあります)
面接のスタイル・位置づけは企業や求人内容により異なり、概ね以下の3つに分かれます。

1)単純に人柄の確認
こちらは、求人条件が難しい場合によくあります。
数ヶ月から場合によっては1年以上探し、やっと条件に合う人物が見つかった場合、企業側は書類選考時点でほぼ内定させようと考えています。
この場合は面接時に競合はいません。最低限のやりとりだけした後は、入社後の手続きなどが話される場合もあります。

この場合のアドバイスは自然体で行くこと。また、質問や不安な点があれば聞いておきます。というのは、もし内定が出た場合、受諾するのか、他社にするのか、を決めなくてはいけないからです。
この段階では、企業側はほとんどの場合、答えにくい質問でも素直に答えてくれます。悪条件を隠して入社してもらっても、すぐに辞められてしまったら企業側としても大きな損失になるからです(それよりも、合わない人材には最初から断ってもらった方が損失は少ないのです)。もしどうしても譲れない条件があるのであれば、ここで主張しておいた方がよいでしょう。

2)面接で複数人から絞る場合1(面接のみ)
面接での受け答えでさらに候補者を絞るケースがこれです。
たいていの場合、書類審査の結果である程度ランク付けされているということです。

とはいうものの、自分の作品集を正しく説明できるか、質問に対して正しく答えられるか、ということで逆転することは良くあります。
また、面接結果が合格を出す水準になかった、ということで全員落選で再募集、ということもあります。

この場合のアドバイスは、事前に想定質問を考え、答えをある程度用意しておくことです。しかし、丸暗記してしまっては不自然になるので、キーワードをメモする程度にとどめた方が無難です。

なお話し慣れていない人は、誰かに質問してもらい人前で話す練習をしておいた方が良いです。

3)面接で複数人から絞る場合2(事前課題あり)
面接の前に課題が出て、その課題をプレゼンするものです。
課題はたいてい、業務で可能性のあるプロダクトのデザイン提案です。ターゲットが決まっている場合もあれば、ターゲットも自分で設定していい場合もあります。

手描きを重視する企業ではラフスケッチも全て持ってくるように言われる場合もあります。

ここで見られるのはデザイン力とプレゼン能力です。
2)と異なるのは、デザイン力がかなり重視されるという点です。

ここでアドバイスは、事前課題が期間中にうまくいかなくてもハキハキと自信をもってプレゼンするのがいいと思います。
基本的なことですが求人企業は一緒に仕事をする仲間を探している、ということを忘れないでください。

というのは、デザイン課題は企業が通常デザインしている製品であることが多いので、面接官はその分野のベテラン/プロフェッショナルです。従って、少し調べた程度の浅い知識で「社会はこのように変化していくので、こういうデザインが必要なのです!」と得意げに語っても、それは何年も前に同社で議論した使い古された内容だったりします。

また、少なくともこれから一緒に働く仲間を探しているので、自分を良く見せることを意識しすぎて、「なんだかすごそうだけどこんな人とは働きたくないな」と思わせてしまうことがないようご注意のほど。


面接について2

面接の際、一次面接は半分ぐらいの企業が同席を許していただけます。一次面接の面接官は「デザイン部のトップ」と「人事の担当レベルの方」がほとんどです。逆に二次面接になってしまうと、たいてい役員クラスが出てくるので同席できることはほとんどありません。
なお、デザイン事務所の場合は最初から社長が出てくることが多いです。

とはいえ、同席できても余程のことが無い限り、私は発言しません。その方が「本人がしっかりと考えて受け答えできている」という印象を与えられるからです。

数多くの面接に立ち会った経験から、よくある質問を以下に記します。

簡単に職務経歴と自己紹介をしてください。

特に時間の指定がなければ、簡潔に短く、ということだと考えられます。職務を順に説明し、そこで何を得てどんな能力がついたのか、を説明できると良いです。

学校を卒業してから現在まで、職歴、職種を手掛けた内容得た能力とともに簡単に説明してください。

手元に職務経歴書を置いて、順に説明するイメージです。現在から逆向きに書いてあっても問題ありません。

作品集を説明してください

例えば、先日の某社の面接では「15分で」という条件でした。15分は長いように感じますが、順に説明していると意外とすぐに経ってしまいます。
特に説明したい作品から説明するようにし、時間があまったら代表的な作品を順に説明すると良いでしょう。
また、それらのページは小さな付箋を付けたりページを覚えておくと良いでしょう。見苦しくならないよう注意。

※作品集は白黒でもいいのでコピーを手元に置いておくことをお勧めします。
それを前日に見ながら予習しておくとよいです。長くなりすぎないように、ポイントを絞りましょう。

当社を志望する動機はなんですか?

基本中の基本です。。『御社のホームページを拝見してこういう点にとてもひかれました』という内容を必ず足す必要があります。そのためにも、受ける会社について良く調べておくことが必須であり、面接してくれることへの礼儀でもあります。

競争率の高い人気企業で、面接対応が総務部門の場合、ここを重視する可能性があるので要注意です。

これまでの会社の退職理由。在職中であれば、退職したい理由。

これは人事部の面接では必ず聞かれます。会社都合であればしかたないですが、短い期間で辞めた場合はそれなりの理由を用意する必要があります。

空白期間がある場合、何をやっていたかは聞かれなくても必ず説明すべきです。『バイトをしながら就職活動』などでも構いません。

当社に入ったとして、あなたの能力で最も活かせる点は?これまでのデザインで心掛けていることは何ですか。

このような質問にはスムーズにに答えられるよう、頭の中でイメージしておくと良いでしょう。

当社の製品デザインをみて、どのように感じましたか。

これも、目の前にそれをデザインした方がいらっしゃるということを忘れずに、失礼の無いように。
ただし、明らかな欠陥があるのにそれを無視してべた褒めしてしまうと、センスの無い人間と思われる恐れもあります。
その欠陥は当人たちも認識しているが他部門との関連でどうしようもない場合もあるからです。

あなたの長所と短所は何ですか?

これもたまに聞かれる質問ですが、あらかじめ考えておかないと短所が難しいです。短所の言い方によっては、相手が不安になってしまう場合があります。

社内もしくは社外での折衝で、うまく進めるためのポイントなどはありますか?

コミュニケーション能力はどの会社でも求められるところですが、ここで具体的な経験を元に話ができると評価が高いです。

これまでで最も辛かった業務は?

過去に「このような質問を受け、回答に窮してしまった」との報告があったので掲載しておきます。めったにない質問ですが、いざ急に言われておかしな回答がないようにしたいものです。

趣味は何かありますか?

意外にこのような基本的な質問もあります。

<部門が分かれているなら>当社のどの部門の製品を手掛けてみたいですか。

これは注意が必要です。選ばなかった部門の製品もやりたくないわけではない、というニュアンスを残しておかないと、その部門の方が同席している場合心象を悪くします。

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質問内容として想定されるのは上記のようなものです。

あとは、やはり先方の会社についてできるだけ知っておくこと、例えばホームページを見たり。もしお店等で売っているものであれば、ぜひ現物を売り場で見て、どのように販売していた、どのような客層がそれを見ていた、等を話題にするとポイントが高いと思います。

逆に、聞いておきたいことも準備しておくとよいと思います。
「質問はありませんか?」と聞かれて何もないと、その会社に興味がないかと思われる可能性がありますので。(かといって給料の話をするかどうかは微妙ですが。)

例えば、
・デザインする上で苦労する点はどこですか。
・社内でこのデザインをプレゼンするのはデザイン部門の方ですか、開発や企画の方ですか。

なお、履歴書も念のため準備しておいてください。多くの場合、1次面接で提出します。特に事前に言われていなくても、あった方が良い場合が多々あります。

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なお、弊社では面接に同席が許されなくても、できる限り同行するようにしています。つまり候補の方と一緒に求人企業の入口まで行くものの、そこで帰ることになります。一見ムダに見えますが、その道中で話すことで候補の方がリラックスできたり、自分の考えを整理できたり、またこちらからアドバイスができたりするので、大変有効だと考えているからです。(自画自賛ながら丁寧ないい会社ですよね(笑))


マネージメント経験

特にベテランの方向けの求人条件によく出る「マネージメント経験」のお話です。

求人は2つに大別できます。現場でバリバリ作業をする若手の方を求める求人案件と、部下の業務管理やデザインディレクションを担当する中堅の方を求める案件です。

もちろん会社によっては生涯現場デザイナーとして仕事をする場合もありますが、多くの場合、中堅の募集の際は「マネージメント経験」が必須条件もしくは歓迎条件としてつきます。

とはいえ、これらの経験がある方は少ないのが現状です。理由としては、以下が上げられます。

・デザイン部門自体が小さく部長と現場しかいない会社が多い。(こうなると部長以外は何歳になっても現場社員となります。)

・デザイン部門の管理職は他部門出身者。(営業が強い会社だと営業職の方が、開発が強い会社だと開発職の方がデザイン部のトップに就く場合があります。こうなると、もしこの方が転職するにしても、デザイン部以外も選択肢に入るため無理に他社デザイン部の管理職に就く必要がないので候補としてが上がりません。)

・デザイン事務所も小さい会社が多く、社長以外はフラットである場合が多い。

・企業内でマネージメント経験のある人(課長、部長職に就いた人)はそのまま出世するケースが多いので転職意思がある人が少なく、市場に出てこない。

マネージメント経験のある方へのアドバイス

上記のように、デザイナーでかつマネージメント経験がある方は実際には非常に少ないのが現状です。もしマネージメント経験をお持ちなら、職務経歴書に必ず目立つように記載すべきです。

冒頭に「職歴概要」を書きますが、そこでも一言触れておきましょう。また、「リーダー経験」という項目を設けて、どのような業務で何人の部下を持ったのか、その際に気を付けたポイント、苦労した点、それを解決した手法などを記載すると良いでしょう。

マネージメント経験のない方の対応法

弊社にコンサルに来た方で、希望する求人はマネージメント経験が条件であるのに本人に無い場合、「リーダー経験はないか」聞きます。

例えば部署横断の一時的なプロジェクトでもいいし、学生時代の経験や、プライベートでイベントのリーダーをやっていたり、ボランティアで地域小学生にサッカーを教えているなど、いろいろと考えられます。

もしそうした経験があれば職務経歴書に「リーダー経験」という項目を付けて、その際に人を動かした方法や苦労談などを記載することを勧めています。

実際に、条件の中に「マネージメント経験必須」とあったのに、候補者の方の作品集が良かったためデザイン室長が気に入り、単発のプロジェクトのリーダー経験でOKとなった例があります。

もし全く無い方は、今後は日常において、自分から進んで手を上げてリーダーになるようにしてください。リーダーは組織に1人いればいいのではなく、組織全員がリーダーの素養を持っていれば、順調に業務が回ります。それぞれが自分から自発的に動けるからです。

以下は蛇足ですが、、、
私の個人的な持論として、子育ては実質的にはマネージメント経験と言えると思います。完全に上下関係が決まっており、時には怒り、時には褒めて人を育てるからです。
残念ながらそれを記載してもなかなか効果がありませんが、かつて候補者の方に2人の子がいたため、採用担当者に直接話して説明し、前述のリーダー程度のプラス評価をいただいたことがあります。
(子供のいない方は差別的発言と感じられたら申し訳ありません。私自身未婚で子もないのでご容赦ください。。。)


第2回目「デザイナー面接のコツ(質問例、マネージメント経験)」は、以上です。
次は最終回「手描きデザインスケッチのコツ、業界による必須スキル」に続きます。


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