職務経歴書 補足:文章は読みやすく! デザイナー転職ガイド2025

この連載は主にプロダクトデザイナー向けの転職ポイントを掲載していますが、他デザイナーにも参考になると思います。
※過去に掲載した内容を、その間の経験からアップデートしたものです。一気に読みたい方はこちら

今回は、「文章を読みやすくしましょう」という内容です。

実は、意外とよくするアドバイスです。デザイナーといえども、職務経歴書や志望動機で文章を書きます。この文章が読みづらいと、せっかくポートフォリオが良くてもマイナスになってしまいます。というのは、職務経歴書はポートフォリオに書ききれない実績や業務内容の補足なので、その分の加点が得られなくなってしまうからです。
志望動機も同様です。

また、年齢が上がると社内や社外にプレゼンや報告をする機会も増えます。文章が長すぎて、読んでも内容が伝わってこないような人だと、「このレベルの仕事は任せられない」と思われてしまいます。

少し気を付けるだけでとてもよくなりますので、ぜひ一度以下を読んで自分の資料を見直してください。

※参考資料:ポイントなどは以下の本から引用させていただいています。この本を読んで以来、私も短い一文を心がけています。

明快な文章
明快な文章                 
 
 

上記は少し古いですが、同じ作者様の新しい本がありましたのでご参考まで。
「シンプルに書く!」 阿部紘久 (著)

1)1つの文を短くする

これが一番です。1文が長いと何が言いたいのかわからなくなります。まずは以下の「悪い例」をご覧ください。

某日用品メーカーより消臭器のデザイン提案を依頼された際に、仲介してくれた方がクライアント企業様からデザインニーズを聞き出したのだが、そのニーズのヒアリングが間違っていて、第一回目に実施したプレゼンの際にその間違ったニーズに沿ったデザインを提案してしまったので、クライアントには全く響かずに商品化が消えるところだった。しかし、それをプレゼン時に聞きだしたニーズをもとに短期間でラフスケッチ、サイズ量感確認、レンダリングまで進めたうえに、もちろんデザインは見た目だけでなく使い勝手と機能の融合が必須であるので、使用シーンまで考慮したデザインにまとめ、クライアントに連絡をして二日後に再プレゼンの機会をいただきプレゼンをしたところ、まさにこういうデザインが欲しかった!と言っていただき、商品化に向けて動き出すこととなった。そのクライアントであるメーカー社長には大変満足していただき、別の商品のデザインも追加で依頼いただいた。

いかがでしょうか?全く頭に入ってこないのではないでしょうか?

実はこの文章は、弊社HPの職務経歴書のサンプルの文書を引き延ばしたものです。したがって、少し不自然なところもあるかと思いますが、読みづらくて頭に入らない雰囲気は伝わったのではないかと思います。

客観的にみると変だとわかるのですが、自分で書いていると「あの苦労した内容をもれなく伝えたい」「デザインの要点を押さえていることも伝えたい」などといろいろな思いが渦巻いて長くなりがちです。

なお、短くした文章は以下です。書いてある内容はほぼ同じですが、すっと頭に入ってくると思います。

某日用品メーカーから、仲介者経由で消臭器のデザイン提案を依頼された。しかし、仲介者がデザインニーズを誤って伝えたため、初回プレゼンはクライアントに響かず、商品化が見送られそうになった。

そこで当日に得た正しいニーズをもとに、短期間でラフスケッチからレンダリングまで仕上げた。
二日後に再プレゼンの機会を得て提案したところ、クライアントから「まさにこういうデザインが欲しかった」と高評価をいただき、商品化が決定。同商品は大変満足いただき、別商品のデザインも追加で依頼された。

ご参考まで、前述の本では以下のように説明していました。

・短い文章で一歩一歩着地しながら、読者を導く
・主語+述語が文章の幹になっている。
・一つの内容ごとに文章を切る。(一文一義)

これらを心がけながら短くするとよいかと思います。

2)修飾語と被修飾語を近接させる

こちらも参考の本からです。文法用語なのでわかりやすくすると、「形容詞などの飾り言葉と、それを受ける言葉をできるだけ近づける」といったところでしょうか。

以下は、「志望動機を書いた方がいい理由」です。私の文章ですが悪い文章ですね(苦笑)

志望動機は基本的に入りたい気持ちを伝えることで、相手企業に対してポジティブな内容になるので印象が良くなりますので、受ける会社をHPなどで調べて、必ず記載することをお勧めしています。

修飾語という意味では、「基本的に」の位置がおかしいです。「基本的に」は「ポジティブな内容になる」を補足する修飾語なので、そこに近づけてみます。

志望動機は入りたい気持ちを伝えることで、相手企業に対して基本的にポジティブな内容になるので印象が良くなりますので、受ける会社をHPなどで調べて、必ず記載することをお勧めしています。

参考の本にはもう一つ、「修飾語は必要最低限にする」というものがあります。移動してみると、そもそもこの修飾語はなくても伝わることがわかるかと思います。

また、前回の「一つの内容ごとに文章を切る。(一文一義)」を考えると、最初の一文は途中で切った方がよさそうです。

志望動機とは、「入りたい気持ちを伝えること」です。相手企業に対してポジティブな内容になるので印象が良くなります。受ける会社をHPなどで調べて、必ず記載しましょう。

いかがでしょうか?最初の文章と比べるとかなり読みやすくなったのではないでしょうか?

以上です。

<次回は「履歴書の書き方」の予定です>
(下村航)

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