今回は「面接」の第3回目、前回の「よくある質問と解説集」後半です。(前半はこちら)
※過去に掲載した内容を加筆したものです。一気に読みたい方はこちら。転職ガイド目次はこちら。
一次面接は私も同席できることが多いため、数多くの面接に立ち会った経験からよくある質問を解説します。
- これまでで最も辛かった業務は?(大変だった業務は?)
- 将来どうなりたい、などのイメージはありますか?
- 趣味は何かありますか?
- 内定を出してから、どれぐらいで入社できますか?
- 希望年収はいくらですか?
- いま、他にどこか受けていますか?
- 続き)もしそこが受かったら、そちらに行きますか?
これまでで最も辛かった業務は?(大変だった業務は?)
過去に「このような質問を受け、回答に窮してしまった」との報告があったので掲載しておきます。めったにない質問ですが、いざ急に言われておかしな回答がないようにしたいものです。
また、辛かった業務だと会社への恨み節になってしまうことがあるので、「辛かった、というか大変だった業務ですが・・・、」として大変だった業務を伝えると、解凍しやすいかと思います。
将来どうなりたい、などのイメージはありますか?
これは基本的にはキャリアの目標などを答えることとなります。
最初に「まずは今回の○○の業務をできる限り早く身に着けて会社に貢献していきたいと思います」として、そのあとにその募集職種なりの発展形を伝えられると良いです。
※あくまでこの会社内での内容にしましょう。すぐに転職すると思われないように。
同様の理由で「ステップアップしていきたい」「キャリアアップしてきたい」という言葉は、転職を想起させるので避けた方がいいです。
求人票に「将来のリーダー・管理職となれる人材を募集したい」などとあったら、その点にも触れておくと評価が高いです。例えば、上記に続けて、
「その後慣れてきたら、若手の育成にも興味があります」「今回の求人にあったようなリーダー職、管理職にも興味があります」とすると良いです。
趣味は何かありますか?
意外にこのような基本的な質問もあります。正直な趣味で良いですが、急に聞かれると意外と話しにくいので考えておくと良いです。
また、趣味の話だとつい話過ぎてしまうことがありますが、相手が全く興味がない内容だと退屈させてしまいます。相手の反応を見ながら調整しましょう。もちろん、相手が乗ってきてくれたら盛り上がるのはプラスです。
内定を出してから、どれぐらいで入社できますか?
先方としてはもちろん早ければ早い方がいいですが、とはいえ、現職と円満退社してほしい、という希望もあります。平均的には、在職中の人は1.5カ月から2カ月程度です。もちろん、「内定をいただいてから上司と相談して、の結果になるので、仮の想定ですが」という前提で話して構いません。
長くなりそうな場合、この段階で正直に言っておいても良いです。ただ、これまでの私の経験からすると、転職する前は雑談の中で上司に「3か月、4か月はほしい」などと言われていたのに実際に退職することになって上司に相談してみたら上記のような平均的な長さで収まった、ということもよくあります。もうやめる人にいろいろ頼むより、早く次の人を見つけてその人にやってもらった方がいいからです。
希望年収はいくらですか?
面接の場では聞かれることはあまりないですが、面接後に人事の方と1対1になって聞かれることがあります。
別の聞き方で、最低でもこれぐらいはほしい、という年収希望額はありますか?ということもあります。
明確に「これを下回ったら内定しても辞退する」というラインがあれば、それを伝えます。特に希望は無いのであれば、「業務内容で選びたいので御社の基準に合わせます」という言い方が良いでしょう。大企業だと、年齢と職務レベルである程度決まっている場合もあります。
いま、他にどこか受けていますか?
これは、基本的には素直に答えた方がいいです。嘘をついてしまうとあとでばれた時に心象が悪くなりますので。転職を決めた以上は、複数を受けておくことは珍しいことではないので問題ありません。
続き)もしそこが受かったら、そちらに行きますか?
質問は、もし全部受かったらどこに行きますか?」や、「もし弊社に受かったら弊社に入社してくれますか」などもあります。
もし別の会社の方が第一志望であっても、「迷っているので、面接での雰囲気やそこでお聞きする仕事内容、待遇面などで総合的に判断したいと思います」などと答えておいて、希望を残しておきます。そうしないと、「彼は志望度が低いので失格」となってしまう可能性があります。特に創業社長が同席した面接や、日用雑貨メーカーなどの人気企業は要注意です。
(実際、面接で印象が逆転することはよくありますので、嘘ではないと思います)
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質問内容として想定されるのは上記のようなものです。
あとは、やはり先方の会社についてできるだけ知っておくこと、例えばホームページを見たり。もしお店等で売っているものであれば、ぜひ現物を売り場で見て、どのように販売していた、どのような客層がそれを見ていた、等を話題にするとポイントが高いと思います。
面接時によく相手の話を聞く姿勢も大切です。たまにあるのが、用意してきた答えをしたいがために、質問の内容とちぐはぐな回答をしてしまうことです。
これは「コミュニケーションスキルが低い」という悪い印象になってしまうので、相手の質問や、言っていることを良く聞いて、それを踏まえた回答をすることも大切です。
逆に、聞いておきたいことも準備しておくとよいと思います。
「質問はありませんか?」と聞かれて何もないと、その会社に興味がないと思われる可能性があります。(給料の質問は微妙なのでよほどのことが無い限り避けた方がいいです。)
例えば、
・デザインする上で苦労する点はどこですか。
・どれぐらいの期間で業務が進むのですか。
・メンバーに何か性格的な特徴などはありますか。
など。
これについては、聞きたいことをリストアップして印刷したり、メモ帳に書き出しておいて、質問されたら取り出し、「ご質問したいことを漏れがないよう、メモしてきました」と言って見ながら質問しても問題ありません。
持参物として、提出済みでも念のため、履歴書と職務経歴書のコピーを持参することをお勧めします。(オンラインの場合はすぐに見せられるようにする)
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なお、弊社では面接に同席が許されなくても、できる限り同行するようにしています。つまり候補の方と一緒に求人企業の入口まで行くものの、そこで帰ることになります。一見ムダに見えますが、その道中で話すことで候補の方がリラックスできたり、自分の考えを整理できたり、またこちらからアドバイスができたりするので、大変有効だと考えているからです。(自画自賛ながら丁寧ないい会社ですよね(笑))
<次回は、「マネジメント経験」です>
(下村航)