『野次喜多本』登場人物の新たな“ちょっといい話”(13)ツリーハウス・茶室オープン、日曜大工・師匠 田村秀夫さん

 

「縁あって私は、土日、千葉県の勝浦市の海岸で、
百姓とツリーハウス等の“日曜大工入門”をするようになった。
あの3.11東日本大震災の2ヶ月前からである。」『野次喜多本』より

その日曜大工の一環とし、8月4日に、弊社の仲間たちと
ツリーハウス・茶室(樹上・茶室)“オープンセレモニー”をした。

当日は、お昼頃からのオープンを考えて
私は前の日からスタンバイしていたのだが、
バスが大幅に遅れ仲間たちとのランチもあわただしくなり、
“亭主”がおもてなしする時間もなくなり、
仲間の田中さんにお茶を点ててもらった。
その彼が、昔の職場仲間たちにお披露目した体験“ルポ”からご紹介したい。

私 の 夏   田中 隆一郎


仕事仲間が外房海岸に別荘を作り、樹上茶室を設えた。
揺れる茶室での猛暑の喫茶は何とも風流だ。

風に揺れる小さな茶室だから、炉も切れないし、
水屋もないので、点前はできない。
湯沸かしやお茶を点てるのは地上でやり、
中門を通ってブリッジを渡り、躙り口からお客に供する。


亭主代理として地上で汗だくで、茶を点てているところです。
怪しげな手つきをご覧あれ。

ツリーハウス・茶室は3畳の広さで、樹木の上にあり、障子を開くと海が見え、
鳥が空から見ているがごとき景色が見えるから素晴らしい。
日曜大工・師匠の 田村秀夫さんと私の“自慢の傑作”である。

ところが今年の台風21号、22号の後では、
茶室は大丈夫でしたかとの問い合わせが集中、
さすがに私も心配になり見に行ったがびくともしない“健全”を保っていた。

『野次喜多本』にも書いたが「豊臣秀吉の3日間でのお城造りは、
歴史ある日本の大工さんならではできるのだということを、
彼から、その大工歴史をも学んだような気がした」と。
やはり歴史ある日本の大工技術は、何としても守りたいと今回も思った。

(喜多謙一) 

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