新卒・学生の作品集ポイント2

先月ご連絡した通り、専門学校 桑沢デザイン研究所にて作品集(ポートフォリオ)の作成ポイントについて講演させていただきました。
 
 
準備に時間をかけて様々な工夫をしたこともうまくいったのか、皆さん大変真剣に最後まで聞いていただいたようで、こちらとしても苦労した甲斐がありました。
 
今月も先月に引き続き、新卒の方が就職活動のための作品集を作るにあたっての

ポイントをお伝えしたいと思います。前回のブログもご参照ください。
 
新卒・学生の作品集ポイント1
https://www.bt2.net/column_pd/931.html
 
・基礎課題の掲載について
よくご質問があるのが、基礎的な課題、例えばデッサンや平面構成、立体構成の扱いについてです。
これは、特に基礎的な実力のある方は、最後の方にまとめて付属資料のような扱いでまとめて掲載すると良いです。あくまでも付属ですので、パラパラとめくっていてもわかるように、縮小するなど見やすくまとめましょう。
 
あまり基礎的な実力に自信のない方は掲載しない方がいいかもしれません。ただ、いろいろな課題があるかと思いますので比較的得意なものは掲載した方がいいと思います。
 
・1年の頃の未熟な作品の掲載について
これは前回の掲載順とも関わりますが、作品数が少ないのであれば後ろの方に小さく載せるのが良いでしょう。作品数が十分にあるのであれば、掲載しない方が良いです。レベルの低い作品を見て、それが今の実力と勘違いされてしまうと損ですので。
 
しかし、例えばラフスケッチをとにかくたくさん描いて進めた、とか、身の回りの人にインタビューして進めたなど、特筆すべきアピールポイントがあるのであれば、そこにフォーカスして掲載するのはありです。
 
・グループワークについて
学生の方の作品集を見ていると、多くの方がグループワークをかなりのページを割いて載せています。本人としては思い出深いのでぜひ載せたいのでしょうが、ほとんどの場合、企業側に何も伝わっていません。
 
一番多いのが「思い出アルバム」になってしまっていること。作品の説明の合間にグループ活動の写真が入っていて、仲良く楽しそう、というものです。これは本人や友人のことを知らない人からすると全く意味のないものです。
 
グループワークでの作品は後半で小さく掲載する程度でいいと思いますが、その中でアピールするとすれば、以下の点です。
 
-そのグループ作品の中のどこを担当したか
 これは最低限必要ですが、記載をしていない方がよくいます。
 
-グループの中でどのような役割をしたか
 プロジェクトを管理した経験やリーダー経験はプラスのポイントです。「ムードメーカー」や「調整役」でも、記載しておけば人となりがアピールできるかもしれません。
 
・学校以外の作品の掲載について
学校の外での作品、例えばコンペに出して入賞した作品や、友人から依頼されて作った作品なども、掲載してOKです。特に入賞した場合は入賞した事実が一目でわかるようにアピールしましょう。
 
ただし、学校外の作品は得てして学校課題ほどの時間をかけておらず、作品のクオリティが低い場合が多いです。その場合は、後半や最後の方に、小さく掲載しましょう。こんな方向性の作品も作れる、という自分の「幅」を見せるためです。
 (弊社が受託しているかわさきデザインコンペでの入賞歴を大々的にアピールして、某企業に入社した方もいらっしゃいます。)
 
以上です。学生の方は大変だと思いますが、まずは良い作品を作ることが第一、ということを肝に銘じてください。作品集はその後です。
 
もう一つ、相手は一緒に働きたい後輩を探している、ということを忘れずに。実力がまだ低くても、人の話を素直に聞いて成長しそうな学生であれば、企業はほしいと思うでしょう。
逆に多少周りよりも実力があっても、プロの目から見れば大差ない場合が多いので、そのことを鼻にかけて人とぶつかってしまいそうな学生は当然受かりません。
 

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