『野次喜多本』登場人物の新たな“ちょっといい話”(6)オリンピック“民営化”の功罪

 

少し歴史を紐解いて、1984年の米国、ロサンゼルスオリンピックから見てみたい。

この年からオリンピックは民営化になり、スポンサー付きの“商業オリンピック”が始まった。
民間企業スポンサー第1号はブラザーのタイプライターがノミネートされたことは、歴史に残る壮挙。
私は偶然、この年に宣伝部に移り、オリンピック担当を任された。
その後、ソウル、バルセロナと立て続けに担当したから裏話は少なくない。

 

ここではスポンサーあってのオリンピック、民営化“商業主義”もいいが、
今度の東京マラソンで日本記録更新したマラソン選手に日本実業団陸上競技連合から
1億円をご褒美と出すなどは、どう考えても行き過ぎのように思う。
所属先のホンダにも5千万円が贈られたという。
馬の前に人参をぶら下げて、競技を盛り上げる魂胆はアマチュア?
スポーツなのかと疑問を持つのは私だけであるまい。
因みに欧米諸国の報奨金は200~600万円ほどで英国はゼロ(日経新聞)。

スポンサーといえば、1980年代、卓球の神様と呼ばれる荻村伊智朗さんから
スポンサーの要請があったが、実現出来なかったことを書いた『野次喜多本』を読んで、
中学で卓球をしている又甥から下記のような感想文が届いた。

荻村伊智朗さんの記事を読みました。卓球をするのが選手だけど、
その周りにスポンサーなどの沢山の人の支えがあってこその自分だということを
改めて感じる事が出来ました。
なので、僕もこれから自分を支えてくれる人に感謝しながら卓球をがんばっていきたいです、と。
“ちょっといい話”ですね。

(喜多謙一) 

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