手描きスケッチの重要性Ⅱ:おすすめ参考書籍 デザイナー転職ガイド2026 

この連載ではプロダクトデザイナー向けの転職ポイントを掲載していますが、他のデザイナーにも参考になると思います。
※過去に掲載した内容をアップデートしたものです。一気に読みたい方はこちら。

今回はプロダクトデザイナー(アプリではなく自動車・家電・雑貨等の物理的なプロダクト)に向けた「手描きスケッチ」の参考書籍を紹介します。

おすすめの手描きスケッチ参考書籍

◆How to Draw – オブジェクトに構造を与え、実現可能なモデルとして描く方法

Scott Robertson(著) 出版社:ボーンデジタル

線画でさまざまなものをスケッチできるようになることに重点が置かれた本です。正確な形状を、パースを取りながら描くための説明が非常に丁寧に掲載されています。また、飛行機と『車輪付きの乗り物』についてもかなり詳しく掲載されています。カースケッチではなく、「車輪付きの乗り物」と書いたのは、表紙にもあるように、全く新しい乗り物を描けるように指導されているからです。飛行機も、アニメや未来設定でも使えそうな飛行体が多数掲載されています。一方で、着色方法にはほとんど触れていません。

 

◆アイデア&プロセスの法則 プロダクトデザイン


IDSA(編集)、Lynn Haller(原著)、Cheryl Dangel Cullen(原著) 出版社:毎日コミュニケーションズ

少し古いのですが、世界中の数多くのヒット製品について、発想段階からサムネイル、アイディアスケッチ、レンダリング、ラフモデル等まで掲載されています。中には驚くほど雑なサムネイルもあり、この商品がこんなラフな絵から生まれたんだと、妙な感慨を覚えます。もちろん、手描きスケッチも豊富です。

 

◆Sketching: Drawing Techniques for Product Designers

Koos Eissen(著)、Roselien Steur(著) 出版社:Bis Pub

こちらは英語ですが、厚さが3cm近くあります! ラフスケッチに重点を置いており、まさにぴったりな内容です。海外のさまざまなデザイン事務所のラフスケッチを掲載しています。スケッチの描き方、パースの付け方や影の付け方など、細かく説明があります。
私は英語は得意ではないのですが、大量の絵を見ているだけでも勉強になります。また、最近ではスマホでGoogle Lensなどを使って翻訳もできるので、ポイントだけ読む分には十分だと思います。

 

◆デザインの発想から表現 プロダクトデザインスケッチ

清水 吉治(著) 出版社:日本出版サービス

言わずと知れた日本のマーカースケッチの第一人者、清水吉治先生の書籍です。後半にキヤノン、セイコーエプソン、富士フイルム、日野自動車、富士重工、タニタのインハウスデザイナーが描いたラフスケッチが掲載されており、数ある清水先生の書籍の中でも、手描きスケッチのテーマではこの本をお勧めします。
本来は門外不出でしょうが、清水先生だからこそ掲載できたのであろう貴重な資料を見ることができます。

 

◆プロダクトデザインのためのスケッチワーク

増成 和敏 (著) 出版社 ‏ : ‎オーム社

元パナソニックのデザイナーで、芝浦工業大学 デザイン工学部の教授である増成氏が書いた本です。最も大きな特徴は、芝浦工大という美術を全く勉強していない学生に対して教えているので、まっすぐな線の引き方、丸の書き方、その練習の仕方から丁寧に教えてくれているところです。

スケッチに慣れていない人は、意外とまっすぐに線を書けないですよね。でも実際のデザインの現場で線が曲がっていると、「ここってなんでRつけてるの?」と質問されてしまいます。「いや、そこは直線です」と答えると、「じゃあそう書いてよ」と怒られます。。。

また、最後の方に「スケッチ指導」という章があります。こちらもとても良いのですが、芝浦工大の学生が書いたアイデアはあるけど説明できていないスケッチを、増成先生がシンプルな修正で見事に意図が伝わるように書いています。この本は特にスケッチが苦手な人、美大を受験していない人におすすめです。

 

◆Design Sketching

KEEOS Design Books (Klara Sjölen and Erik Olofsson)

英語のスケッチの本で、スウェーデンのデザイン学校が中心となって作った書籍です。他の本との違いとしては、それぞれのスケッチに何を使って描いたかが記載されている点です。例えば「青鉛筆」だったり「黒鉛筆、ボールペン、マーカー、楕円定規」「黒鉛筆、Painter」「ペン、マーカー、Photoshop」等。
おそらくその学校の学生のスケッチだと思いますが、手描き説明用スケッチをメインとして構成しているので、とても参考になります。また、最終章でマーカーで簡易に陰影だけをつけたラフスケッチの描き方を、ステップバイステップで解説しています。
※日本のAmazonでは扱っていないようです。本のタイトルに貼ったリンクは海外のAmazonのサイトに飛びます。

 

◆気になるモノを描いて楽しむ 観察スケッチ

檜垣万里子 (著)

この本は、その中でも特に数多くの素晴らしい観察スケッチをアップしていたプロダクトデザイナー檜垣万里子氏の「観察スケッチ」を集めた本です。twitter等で「#観察スケッチ」で検索するとたくさんの方々が身近な商品を観察してその構造を丁寧に描いた手描きのスケッチが多数出てきます。

特に学生さんや若いデザイナーは、ぜひ参考にして自分でも描いてみていただきたいです!描くだけでスキルアップになります。転職したいという方で「現職では希望の分野の製品ができない」という方も多いのですが、その分野を希望している、という気持ちをポートフォリオに示せると強いです。

今後転職したい分野の製品を「観察スケッチ」で研究・分析して、多数掲載しておけば、「当社の分野は未経験だが、いろいろと勉強しているから入ってから即戦力になるまで早そうだ」と思ってもらえる可能性が高くなります。

<次回は応募書類を提出したのに、、、「企業からの返事が遅い理由」です>

下村航

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