職務経歴書・履歴書 作成のコツ

連載ブログより、「職務経歴書・履歴書作成のコツ」をまとめました。2026年版に更新中です。
その他のトピックは「デザイナー転職ガイド 目次」をご覧ください。

職務経歴書について 

転職Hacks様のテンプレートをもとに、弊社で新たにサンプルPDFを作成しました。以下のリンクよりダウンロードいただけます。
手前みそではありますが、実際の面談でもほぼ毎回使用している、職務経歴書作成の参考になる資料です。ぜひご活用ください。


職務経歴書サンプル

概要・使われ方

初めて転職される方にとっては聞き慣れない言葉かと思いますが、職務経歴書」はあなたのこれまでの業務の履歴、そこから得たスキルを文字で簡潔に説明するものです。

ある人の能力は、それまでにどんな仕事をどのようにしてきたか、によって表現できます。デザイナー以外の転職活動ではポートフォリオが無いので、この職務経歴書と履歴書だけで書類選考をしています。履歴書ではアピールできることも少ないので、職務経歴書が書類選考を通過させるかどうかの重要な判断材料となります。

もちろん、デザイナーはポートフォリオが最も重要です。ポートフォリオを見ただけで、仕事内容、スキル、センスがわかります。しかし画像や図で説明しきれないことは、職務経歴書でアピールすることが有効です。

また、2次面接(最終面接)などでデザイン部門以外の方が面接をする場合、ポートフォリオではなく職務経歴書を重視されることがよくあります。大きな企業などでは、デザイン部以外の役員も合否の鍵を握っていることがあるので要注意です。

例えば、先日同席させていただいた面接でのこと、デザイン部のマネージャーと人事部のマネージャーが同席されました。面接を受ける求職者がポートフォリオを説明するのにノートPCの画面を面接官に見せようとしたところ、人事部のマネージャーは「僕はそれを見てもわからないからいいよ」と答え、説明は聞いていたもののほとんど見ていませんでした。その代わりに履歴書と職務経歴書を熱心に読み込んでいて、そこに記載されている内容についていろいろと質問していました。

 

ついついポートフォリオに力をかけすぎて、職務経歴書が適当になっている人をたまに見かけます。しかし、人事部門の方はポートフォリオではなく職務経歴書と履歴書しか見ません。油断しているとここで落とされることがあります。また、職務経歴書は、文字ばかりでも読んでくれますので、ビジュアル化しにくい内容についてはこちらで表現しましょう。

概要・書き方

書き方に決まったフォーマットはありませんが、紙のサイズはA4縦書きで、2-3枚程度です。枚数が多くなってしまう方は、行間、文字サイズを見直しましょう。枚数が多い方へのアドバイスはたいてい「行間が広すぎてムダに枚数が多くなっている」ことと、「文字サイズはもう少し小さくてもOK(10Ptあれば読みやすいが、9pt程度でもOK)」ということです。

逆に、1ページに無理やり収めようとしている人や、書く内容が少なすぎて1ページで終わる人もいますが、これはもったいないです。よほど経歴が浅い人でないかぎりは、仕事をしてきて感じることややってきたことの種類もあるかと思いますので、簡潔ながらもしっかりと記載することをお勧めします。

また、シンプルで読みやすいレイアウトデザインが好まれます。職務経歴書はデザイン部門だけでなく、人事部門の面接担当者や、役員の方が面接に来た際も目を通します。装飾的なデザインにせず、読みやすさを第一にしましょう。(

職務要約(サンプルの【職務要約】)

まず冒頭で、「職務要約」として3行から5行程度で、これまでの職務経歴を抽象的にまとめます。例えば以下のような内容です。

大学卒業後、家電メーカーに入社しプロダクトデザイナーとして従事。白物家電を中心にリサーチ、コンセプト決め、アイデアスケッチ展開、デザイン詳細、3Dデザインモデル作成、量産チェック、パッケージディレクションまで担当。特に小型冷蔵庫では業界シェア3位だった状況を2位に改善することができた。
樹脂成型の知識、社内エンジニア部門やマーケティング部門、製造部門とのコミュニケーション経験も多く、難しいデザインを部門長に直接プレゼンをして通した経験もある。

職歴(サンプルの【職務経歴】)

何年から何年まで、どこの企業のどの部門に所属し、どのような製品をデザインした、どのような業務を担当した、という点を簡潔に記載します。あまり有名でない企業の場合は、一言、何をしている企業か説明を付けます。

職務内容はサンプルのようにデザイン分野ごとに「■プロダクトデザイン」など小見出しを付け、どのようなデザインおよびその周辺業務ができるのか、簡潔に記載します。例えばラフのアイディア出しからファイナルレンダまで、もしくは3D図面まで、製造手配まで、操作パネル、画面デザインも、等々箇条書きにすると分かりやすいです。また、具体的な商品例を書くとわかりやすいと思います。

新しい順でも古い順でも構いませんが、職歴が長い場合は新しい順に書いた方がわかりやすくなります。
なお、就職してから数年後、留学した、学校に通いなおした、等は職務経歴書では年代の中に入れた方が理解しやすくなります。できれば1行程度で簡潔に。その場合、空白の年が無いようにします。留学準備、就職活動、フリーランスとして受注、等、会社に所属していない年があれば、その間何をしていたか記載します。

特に業務経歴が長い方は、ここで「特筆事項」として何か社内で活躍したエピソード、苦労して達成したエピソードを3行ぐらいで表現すると、より印象的な職務経歴書になります。(逆にそういうものがないとご自身の良さを表現しきれない方が多いです。ぜひおすすめします)

デザイン以外の分野からデザイナーに転向した人で、「デザイナーになる以前の仕事」を全く記載しない人がいますが、これはもったいないことです。デザイン業務でも、デザイン以外の仕事の経験が役立つことは多々あります。ですから、最後の方に簡潔に記載しましょう。簡潔に、というのは、ここが長すぎると、デザイン志望ではないと思われる恐れがあります。同様に、社内でデザインと関係ない部門に異動していた時期についても、業務内容を記載しましょう。

(そういう期間を何も記載しなかったりすると、「デザイン以外の仕事を振るときちんとやれない人物だ」と思われてしまいます。どのような会社でも大なり小なりデザイン以外の仕事はあるので、こう思われると減点になってしまいます。)

能力(サンプルの【使用するツール】【語学力】)

使えるソフト/アプリも別項として記載します。そのレベル、業務に使っていた/一部のみ使用可能/現在学習中、等も記載します。話せる言語(英語、中国語等)とそのレベルも記載します。
管理職経験は年齢が上がると重視されるので、もしあれば特別に項目を設けてアピールするとよいでしょう。
その他、以下の例の<知識・経験>のように、具体的にどんなデザイン/周辺知識があるのかもアピールしても良いです。

例:
<知識、経験>
・樹脂成形に関する知識、デザイン経験
・金属加工に関する知識、デザイン経験
・生活雑貨、美容機器のプロダクトデザイン経験
・パッケージ、パンフレット等のグラフィックデザイン経験
・社内の企画部門、設計部門とのコミュニケーション

<使用できるソフトウェア>
・Illustrator、Photoshop :実務で自在に使用可能
・Rhinoceros :簡易な形状であればモデリング可能
・SolidWorks :基本操作のみ
・AutoCAD :実務にて使用可能
・Word、Excel、PowerPoint:実務で自在に使用可能

<語学スキル>
・英語 TOEIC 645点  読み書き:実務にてメールでのやりとり経験あり。
 会話:旅行会話程度

<管理職経験>
・現在部下2名のマネジメントを担当。(過去最大4名まで経験)

 

その他

職務経歴書の最後に1ページ程度を使って代表的なデザイン作品を小さな画像でまとめる方や、職務経歴の右側に小さな画像で代表作品を並べる方もいらっしゃいます。職務経歴書は形式自由なので、こうした工夫も可能です。


履歴書について

デザイナー転職時に軽視しがちな「履歴書」についてです。

デザイナー転職での3点セットは、ポートフォリオ、職務経歴書、履歴書です。重要度の順番はこの通りで、場合によっては「書類審査では履歴書は不要」というケースもあります。 そのような扱いの履歴書ですが、重要だったケースが何度かありました。

1) 写真はほほ笑む程度の笑顔で

一昔前には「あごを引いて真剣な顔で」と言われましたが、最近はややにっこりしているぐらいの表情が好まれます。他社のサイトなのですが、このページのよい例にあるように、少し口角を上げて歯は見せずほほえんで見える程度がちょうどいいです。企業は「一緒に働く仲間」を探しています。これを見れば、笑顔の方が採用されやすい、とわかるでしょう。

転職HACKS「履歴書写真 落ちない撮り方丸わかり」
https://ten-navi.com/hacks/resume-9-3839

2)写真の服装はスーツが無難

勤務時の服装がビジネスカジュアルであったとしても、写真ではスーツが無難です。履歴書は人事部の方も重視するので、デザイン部の人は何とも思わなくても人事部の人が「常識がないな」と思ってしまうかも知れません。わざわざリスクのあることをする必要はありません。(実際に、過去に「履歴書の写真の服装がだらしない」という理由で落ちた人がいました)

3)志望動機のあるフォーマットを使う

履歴書はいろいろなサイトでフォーマットが見つかりますが、必ず「志望動機」のあるフォーマットを使ってください。そこに、貴社に入りたい、という熱い気持ちを簡潔に書きましょう。
某メーカーでは、デザイン部門のマネージャーにポートフォリオと職務経歴書を提出したところ、「うちの製品はやや特殊だから、これまでの経験だけだと何とも言えない。なぜうちに入りたいのか、志望動機が知りたいので、履歴書も提出してもらえますか?」と言われました。特に応募が多い人気企業では志望動機が重視される傾向にあります。

4)職務経歴、学歴に空白を作らない

例えば仕事を辞めた後、次の会社まで期間が1年や2年あいたり、海外留学までに1年あく場合があります。そうした方に質問すると、たいていきちんとした理由があります。例えば「会社を辞めた後、次の就職先を探しながら、友人から単発で仕事を受けていた」、「海外留学のためにお金を貯めるために1年間デザインと関係のないアルバイトをしていた」「学校を卒業した後、大学院に行くか就職するか迷いながら就職活動をしていた」等々です。

いずれにしても、何も書いていないと採用する側は不安になり悪い想像をしてしまいます。上記のような理由でも構わないので職務経歴欄に()付で1行足して、空白期間が無いようにしましょう。

5)不必要に転職を多く見せない工夫

例えばA社からB社、C社に2年ごとに出向したとか、会社が合併や分社して名前が変わったという場合には、転職したわけではないことを表現するため、以下の画像のように書くと良いです。

良い例(クリックで拡大します)

悪い例(クリックで拡大します)

いかがでしょうか。書類選考する際に転職回数で足切りをする場合があります。「悪い例」の方だとその事情などは見ずに機械的に足切りされてしまう可能性があるので要注意です。

6)指定がなければ手書きでなくてOK

たまに聞かれますが、中途採用の際には手書きである必要はありません。むしろ読みにくいので、よほど字に自信が無い限りは、PCで作成したPDFファイルで構いません。

逆に「履歴書(手書き)」と記載があったら要注意です。作業の丁寧さ、文字のバランス等も合わせてチェックされています。過去、手書きでの履歴書が必須である会社で、書類審査で落ちてしまった方がいらっしゃいました。確認したところ、履歴書の文字が雑で、欄からはみ出してしまっているところもあり、そこで「作業が雑なのでマイナス」という評価となってしまったそうです。

志望動機を大切に

志望動機は基本的に入りたい気持ちを伝えることであり、相手企業に対してポジティブな内容になるので印象が良くなります。受ける会社をHPなどで調べて、必ず記載するようにしましょう。
特に大企業の場合や、スキルのハードルが低い求人案件、若い方の場合、1次面接が人事面接の企業は、志望動機が重視されることが多いです。

それもただ書けば良いわけではなく、その企業のことを良く調べて、その企業向けのものを書きましょう。どこにでも使えるようなあいまいな志望動機は意味がないですし、企業によっては「この人は他社も受けていて、弊社は第二希望以下だな」とマイナスに取られることもあります。

※前職をやめた理由、現職をやめたい理由の「退職理由」とは違います。退職理由は面接で聞かれることが多いですが、書類には書く必要はありません。

●構成例1

 ・私は大学卒業後、(こういう仕事)をしてきました。
 ・貴社のこういう点に魅力を感じております。
 ・だから、私の経験を貴社の業務に活かしていきたいです。

この2番目の後に、「私は以前に○○をして貴社の製品を使う機会があり、○○だと感じておりました」というような自分の経験を入れるとより良いと思います。 

●構成例2

 ・貴社のこういう点に魅力を感じております。
 ・私は○○、△△をしてきました。
 ・私の経験を貴社の□□な業務に活かしていきたいです。

最初を「以前に○○で貴社の製品を使う機会があり、○○だと感じておりました」など、自分の具体的な経験が入れられるとより効果的です。
特に上記の構成にこだわる必要はありませんが、とにかくその会社のことをよく調べ、入りたい理由を自分の言葉で真摯に伝えるとよいです。

ChatGPTなどAIの活用

 ChatGPTなどのAIツールを使うのもおすすめです。あくまでもたたき台を作ってもらい、それをベースに自分の言葉に変える、というものです。例えば以下のようなプロンプトが考えられます。

以下の情報をもとに、転職活動で提出する職務経歴書に記載する「志望動機」を作成してください。

【前提】
– 志望動機は、応募先企業の理念・事業内容・強みと、私のこれまでの職務経験やスキルがつながっていることを示す内容にしてください。
– 応募先企業の特徴やHPから読み取れる姿勢を踏まえて、なぜその会社で働きたいのかが伝わるようにしてください。
– 300~400字程度でまとめてください(文字数指定がある場合は適宜変更してください)。

【私の職務経歴書の概要】
(ここに、要約した自分の職務経歴を記入)

【応募先企業の概要】
(企業のHPなどから抜粋した会社概要、理念、特徴、事業内容などを記入、もしくは企業のHPアドレスを記載。また、応募したいポジションの仕事内容も求人票から記載、もしくは求人サイトのHPアドレスを入れる)

例えば上記で、ブログ「職務経歴書の書き方」にあるサンプルから職務経歴概要を入力し、弊社とお付き合いのあるデザイン会社のフォルム様に関する情報を入力したところ、以下のような志望動機が出てきました。

●ChatGPTが出してきた志望動機(例文)

大学でプロダクトデザインを学び、卒業後は玩具・ノベルティグッズの企画デザイン会社にて、企画から製造・納品管理まで一貫して担当しました。その後、神奈川の小規模デザイン事務所にて、製品の外観デザインのみならず、製造手配や納期管理、さらにはパッケージデザインや製品カタログ等のグラフィックデザインも多数経験し、製造現場に通うことで深い知識を身につけました。

貴社の「想いをカタチに」という理念に共感し、プロダクトデザインを中心に、研究開発、用途開発、コンサルティングサービス、セールスマーケティングといった幅広い事業領域で活動されている点に魅力を感じております。

私のこれまでの経験とスキルを活かし、貴社の多岐にわたるプロジェクトに貢献できると確信しております。

*****

このままだと少し薄っぺらいので、もう少しフォルム様の業務について触れた方が良さそうですが、たたき台のベースとしては使いやすいのではないかと思います。

 

<その他、過去に求職者から聞かれた質問>

Q)学生時代の就職活動の際に使った、○○美術大学と書かれた履歴書が家にあるのですが、これを使ってもいいですか?
Aやめた方がいいです。先ほどの「志望動機」は貴社に入りたい、という熱意を示すもの。それを、家にあった昔の余りを使って表現する、というのはおかしいですよね?採用する側も、「なぜこの人は学生時代の履歴書なんだ?」と疑問に思うはずです。 

Q)本人希望欄(給料、勤務地、・・・)という欄があるのですが、ここで希望年収は書いた方がいいですか?
A)よほど譲れない条件があるなら書いた方がいいですが、基本的には書かない方が良いです。
  譲れない条件とは、例えば「年収〇〇万円以下なら辞退します」などです。年収の場合は理由を明記したいところです。「今回の転職理由が年収アップなので、現職プラス50万の〇〇万円を希望します」などです。

職務経歴書の時も書きましたが、人事部門の役員など、デザイン部以外の方が面接に出てくる場合、ポートフォリオを見ないで職務経歴書と履歴書だけを熟読している場面がよく見られます。そういった方々にも人となりをアピールする材料だということを忘れないでください。

冒頭にも書いたように、履歴書は最も重要度が低いのでつい油断しがちですが、凡ミスの無いよう、ご注意ください。誤字があると、雑な仕事をする人だと思われるので、よく見直しましょう!


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