この連載ではプロダクトデザイナー向けの転職ポイントを掲載していますが、他のデザイナーにも参考になると思います。
※過去に掲載した内容をアップデートしたものです。一気に読みたい方はこちら。
転職時にポートフォリオと同様に重要な「職務経歴書」について、全3回の最終回です。
2.具体的な記載アドバイス
今回▶3.補足:文章は読みやすく!
「文章を読みやすくしましょう」は、実は、私がよくお伝えしているアドバイスです。デザイナーであっても、職務経歴書や履歴書の志望動機欄には文章を書きます。この文章が読みづらいと、せっかく良いポートフォリオで評価されていても、印象を下げてしまうことがあります。というのも、デザイナーにとっての職務経歴書は、ポートフォリオに書ききれない実績や業務内容の補足をする資料なので、その部分の加点が得られなくなってしまうからです。志望動機についても同様です。
また、経験を重ねると社内外でプレゼンや報告の機会も増えていきます。まとまりがなく長すぎる文章であったり、読んでも内容が伝わってこないような文章の場合、「このレベルの仕事は任せられない」と思われてしまいます。文章は、少し意識するだけでぐっと読みやすくなり、その結果、資料全体の印象も大きく変わります。
ぜひ一度、これからお伝えするポイントを読んでご自身の資料を見直してみてください。
この投稿で紹介するポイントは、以下の書籍を参考にしています。私自身、読んで以来、短い一文を心がけています。
※参考書籍※
「シンプルに書く!」 阿部紘久 (著)

1)1つの文を短くする
これが一番のポイントです。1文が長いと何が言いたいのかわからなくなります。まずは「悪い例」をご覧ください。
某日用品メーカーより消臭器のデザイン提案を依頼された際に、仲介してくれた方がクライアント企業様からデザインニーズを聞き出したのだが、そのニーズのヒアリングが間違っていて、第一回目に実施したプレゼンの際にその間違ったニーズに沿ったデザインを提案してしまったので、クライアントには全く響かずに商品化が消えるところだった。
しかし、それをプレゼン時に聞きだしたニーズをもとに短期間でラフスケッチ、サイズ量感確認、レンダリングまで進めたうえに、もちろんデザインは見た目だけでなく使い勝手と機能の融合が必須であるので、使用シーンまで考慮したデザインにまとめ、クライアントに連絡をして二日後に再プレゼンの機会をいただきプレゼンをしたところ、まさにこういうデザインが欲しかった!と言っていただき、商品化に向けて動き出すこととなった。そのクライアントであるメーカー社長には大変満足していただき、別の商品のデザインも追加で依頼いただいた。
いかがでしょうか?全く頭に入ってこないのではないでしょうか?
実はこの文章は、弊社の職務経歴書のサンプルの文章を引き延ばしたものです。したがって、少し不自然なところもあるかと思いますが、読みづらくて頭に入らない雰囲気は伝わったのではないかと思います。
客観的に見ると読みにくいとわかりますが、自分で書いていると「あの苦労した内容をもれなく伝えたい」「デザインの要点を押さえていることも伝えたい」など、いろいろな思いが渦巻いて長くなりがちです。
では次は、内容はほぼ同じで、短くまとめた「良い例」です。すっと頭に入ってくると思います。
某日用品メーカーから、仲介者経由で消臭器のデザイン提案を依頼された。しかし、仲介者がデザインニーズを誤って伝えたため、初回プレゼンはクライアントに響かず、商品化が見送られそうになった。
そこで当日に得た正しいニーズをもとに、短期間でラフスケッチからレンダリングまで仕上げた。
二日後に再プレゼンの機会をいただき、クライアントから「まさにこういうデザインが欲しかった」と高評価を得て商品化が決定。その提案に大変満足いただき、別商品のデザインも追加で依頼された。
参考書籍では、以下のようなポイントが紹介されています。
・短い文章で一歩一歩着地しながら、読者を導く
・主語+述語が文章の幹になっている。
・一つの内容ごとに文章を切る。(一文一義)
これらを心がけながら1文を短くするとよいです。
2)修飾語と被修飾語を近接させる
こちらも参考書籍で紹介されているポイントです。わかりやすく言うと、「形容詞などの飾り言葉と、それを受ける言葉をできるだけ近づける」といったところでしょうか。
以下は、「志望動機を書いた方がいい理由」です。私の文章ですが悪い文章ですね(苦笑)
志望動機は基本的にその会社で働きたい理由を伝えることで、相手企業に対してポジティブな内容になるので印象が良くなりますので、受ける会社をHPなどで調べて、必ず記載することをお勧めしています。
修飾語という意味では、「基本的に」の位置がおかしいです。「基本的に」は「ポジティブな内容になる」を補足する修飾語なので、そこに近づけてみます。
志望動機はその会社で働きたい理由を伝えることで、相手企業に対して基本的にポジティブな内容になるので印象が良くなりますので、受ける会社をHPなどで調べて、必ず記載することをお勧めしています。
参考書籍にはもう一点、「修飾語は必要最低限にする」とも書かれていました。「基本的に」を適切な場所に移動してみると、そもそもこの修飾語はなくても伝わることがわかるかと思います。
また、「一つの内容ごとに文章を切る。(一文一義)」を考えると、最初の一文は途中で切った方がよさそうです。
志望動機とは、「その会社で働きたい理由を伝えること」です。相手企業に対してポジティブな内容になるので印象が良くなります。応募する会社をHPなどで調べて、必ず記載しましょう。
いかがでしょうか?最初の文章と比べかなり読みやすくなったのではないでしょうか?これらの点を意識して、ご自身の職務経歴書や志望動機を見直してみてください。
<次回「履歴書Ⅰ 基本の構成」です。>
下村航
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