この連載ではプロダクトデザイナー向けの転職ポイントを掲載していますが、他のデザイナーにも参考になると思います。
※過去に掲載した内容をアップデートしたものです。一気に読みたい方はこちら。
転職時にポートフォリオと同様に重要な「職務経歴書」についてです。全3回でお伝えします。
今回▶2.具体的な記載アドバイス
3.補足:文章は読みやすく!
職務経歴書シリーズで使用するサンプルは、アンドプロ様のテンプレートを使って下村が作成しており、以下よりダウンロードできます。手前みそながらよくできているので(笑)、面談の際にほぼ毎回使用します。
はじめに
ポートフォリオに力をかけすぎて、職務経歴書が適当になっている人をたまに見かけます。しかし、選考において、人事部門の方はポートフォリオではなく職務経歴書と履歴書しか見ないことが多いです。そのため、油断していると職務経歴書がネックとなり不採用となることがあります。
職務経歴書は文字で伝える資料なので、ビジュアル化しづらい内容はこちらで表現しましょう。
これからの説明は、冒頭の職務経歴書【下村サンプル】を見ながら読むとわかりやすいです。
1) 職務要約
職務経歴書の冒頭は、「職務要約」です。3行から5行程度で、これまでの職務経歴をおおまかにまとめます。例えば以下のような内容です。
大学卒業後、家電メーカーに入社しプロダクトデザイナーとして従事。美容家電を中心にリサーチ、コンセプト決め、アイデアスケッチ展開、デザイン詳細、3Dデザインモデル作成、量産チェック、パッケージディレクションまで担当。特に高価格帯ドライヤーでは業界シェア3位だった状況を2位に改善することができた。
樹脂成型の知識、社内エンジニア部門やマーケティング部門、製造部門とのコミュニケーション経験も多く、難しいデザインを役員に直接プレゼンをして承認を取り商品化した経験がある。
2) 職務経歴:職歴
「いつからいつまで、どの企業の何部門に所属し、どういった製品をデザインした、どのような業務を担当した」ということを簡潔に記載します。あまり有名ではない企業の場合は、何をしている企業か一言説明を付けると親切です。
職務内容は下村サンプルのように、デザイン分野ごとに「■プロダクトデザイン」など小見出しを付け、どのようなデザインおよびその周辺業務ができるのか、簡潔に記載します。例えばラフのアイディア出しからファイナルレンダまで、もしくは3D図面まで、製造手配まで、操作パネル、画面デザインも、など箇条書きにすると分かりやすいです。その後に具体的な商品例を書くとさらに想像しやすくわかりやすいと思います。
記載順に決まりはないですが、新しい順に書いた方が読みやすいです。
また、就職後に「留学した」「学校に通いなおした」等の内容は、できれば1行程度で簡潔に、年代の中に入れた方が理解しやすいです。そして、空白の期間が無いようにします。留学準備、就職活動、フリーランスとして受注、等、会社に所属していない年があれば、その間に何をしていたか記載しておくことで懸念点のフォローができます。
また、職歴には「特筆事項」として、社内で活躍したエピソードや苦労して達成したエピソードを3行程度で表現すると、より印象的になります。
読みやすさを重視すると、箇条書きで簡潔に表現することが多くなりがちです。デザイナーとしてのスペックはわかっても人間性が伝わってきません。そのため前述のようなエピソードがあると、「困難があっても頑張れる人なんだな」と人間性も伝えられます。
逆にこういった記載がない場合、ご自身の良さを表現しきれていない方が多いので、ぜひおすすめします。
デザイン以外の分野からデザイナーに転向した人の場合
デザイナーになる前の仕事を全く記載しない人がいますが、これはもったいないです。デザイン業務でも、デザイン以外の業務経験が役立つことが多々あります。ですから、最後の方に簡潔に記載しましょう。ここの内容が長すぎると、デザイン志望ではないと思われる恐れがあるので注意が必要です。同様に、社内でデザインと関係ない部門に異動していた時期についても、業務内容を記載しましょう。
デザイン部門ではなかった期間の業務を何も記載しないと、「デザイン以外の仕事をきちんとやれない人物だ」と思われてしまい、減点につながる可能性があります。どの会社も、大なり小なりデザイン以外の業務があるはずなので、デザイン業務外の経験も記載しましょう。
3) 職務経歴:スキル
サンプルの【使用するツール】【語学力】の部分です。
【使用するツール】には、使えるソフト/アプリも別項として記載します。レベル(業務に使っていた/一部のみ使用可能/現在学習中 等)も記載します。
【語学力】には、対象の言語(英語、中国語等)とレベルを記載します。スコアだけでなく、実際に使っているのであればそれも一言付けると良いです。
【管理職経験】は年齢が上がると重視されるので、経験がある場合は特別に見出しを設けてアピールするとよいでしょう。
その他、以下のような<知識・経験>アピールもあります。
例:
<知識、経験>
・樹脂成形に関する知識、デザイン経験
・金属加工に関する知識、デザイン経験
・生活雑貨、美容機器のプロダクトデザイン経験
・パッケージ、パンフレット等のグラフィックデザイン経験
・社内の企画部門、設計部門とのコミュニケーション
<使用できるソフトウェア>
・Illustrator、Photoshop :実務で自在に使用可能
・Rhinoceros :簡易な形状であればモデリング可能
・SolidWorks :基本操作のみ
・AutoCAD :実務にて使用可能
・Word、Excel、PowerPoint:実務で自在に使用可能
<語学スキル>
・英語 TOEIC 645点
読み書き:実務にてメールでのやりとり経験あり
会話:旅行会話程度
<管理職経験>
・現在部下2名のマネジメントを担当(過去最大4名まで経験)
4) その他
職務経歴書の最後に1ページ程度を使い、代表的なデザイン作品を小さな画像でまとめる方や、職務経歴の右側に小さな画像で代表作品を並べる方もいます。職務経歴書は形式自由なので、こうした工夫も可能ですが、ポートフォリオでカバーできれば、なくてもよいです。
▼職務経歴書については、少し古いですがYouTubeでも説明しています。
– 職務経歴書<職務経歴書の意味、使われ方>
https://www.bt2.net/tenshoku_shokumukeireki_video1/
– 職務経歴書<職務概要・経歴の書き方、部署異動した場合>
https://www.bt2.net/tenshoku_shokumukeireki_video2/
– 職務経歴書<活かせる経験・自己PR、管理職経験など>
https://www.bt2.net/tenshoku_shokumukeireki_video3/
なお、弊社に転職相談の申し込みをいただいた場合には、あなたの魅力や経歴に合ったポートフォリオ・職務経歴書・履歴書の作成アドバイスを行います。転職をご検討の方はぜひお気軽にご登録ください。
<次回「職務経歴書Ⅲ 補足 文章は読みやすく!」です。>
下村航
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