この連載ではプロダクトデザイナー向けの転職ポイントを掲載していますが、他のデザイナーにも参考になると思います。
※過去に掲載した内容をアップデートしたものです。一気に読みたい方はこちら。
今回は特にベテラン向けの求人条件では重視されることが多い部下の業務管理や育成、チーム運営など「マネジメント経験」についてです。
デザイナー求人には、大きく分けて以下のようなものがあります
・現場でデザイン実務をする、若手を求める求人案件
・部下の業務管理やデザインディレクションを担当する、中堅を求める案件
会社によっては生涯現場デザイナーとして仕事をする場合もありますが、中堅・ベテラン向けの求人では、「マネジメント経験」が必須条件や歓迎条件として設定されていることも少なくありません。しかし、転職市場ではマネジメント経験を求められる一方、デザイナーが実際にその経験を積める機会は限られている、というギャップがあります。その理由として、以下が挙げられます。
デザイナーがマネジメント経験を積みにくい現状
・管理職ポジションが少ない場合
→メーカーでデザイン部門が小さい場合は、部長と現場のデザイナーだけで構成されていることがあります。そのため、管理職ポジションが限られ、経験を重ねても現場のデザイナーとして働き続けるケースがあります。
・管理職を他部門出身者が務める場合
→メーカーなどの大企業では、デザイン部門の管理職を必ずしもデザイナー出身者が務めるとは限りません。例えば、営業が強い会社では営業職、開発が強い会社では開発職の人がデザイン部門のトップに就く場合があります。そのため、デザイナーが管理職に就く機会が少なくなることがあります。
・組織がフラットで管理職が少ない場合
→デザイン事務所は比較的小規模な会社が多く、社長以外に明確な管理職を置かないフラットな組織もあります。そのため、デザイナーが管理職としてマネジメント経験を積む機会が少なくなります。
・管理職ポジションに空きが出にくい場合
→課長や部長などの管理職に就いた人は、そのまま長く同じ会社でキャリアを積むことが多く、管理職のポジションに空きが出にくい傾向があります。そのため、後に続くデザイナーが管理職に就く機会が少なく、マネジメント経験を積みにくくなります。
1) マネジメント経験がある場合のアドバイス
デザイナー転職市場において、マネジメント経験があるデザイナーは多くはありません。もしマネジメント経験がある場合は、職務経歴書に必ず目立つように記載しましょう。
職務経歴書は冒頭に「職歴概要」を書きますが、そこでも一言触れておきましょう。また、「マネジメント・リーダー経験」という項目を設けて、どのような業務で何人の部下を持ったのか、その際に気を付けたポイント、苦労した点、それを解決した手法などを記載すると良いでしょう。
(参考:職務経歴書 II:具体的な書き方(2026更新))
※若くしてマネージャーになってしまい、「もっと自分の手を動かしたいからマネジメントはやりたくない」という転職理由の場合は別です。その場合は目立たないようにさりげなく書きましょう。しかし、やはり管理職の方が年収は高いので、この場合は年収が下がることも多いです。
2) マネジメント経験がない場合のアドバイス
私が転職面談する場合、希望する求人ではマネジメント経験必須であるにも関わらず、ご本人にマネジメント経験が無い場合はリーダー経験の有無を確認します。例えば、
・部署横断の一時的なプロジェクト(会社の30周年記念行事で10名のグループプロジェクトのリーダー ※デザインに関係なくてよい)
・学生時代の経験や、プライベートでイベントのリーダー経験
・ボランティアで地域の小学生にサッカーを教えている 等
もしそうした経験があれば、職務経歴書に「リーダー経験」という項目を付けて、その方法や苦労談などを記載することを勧めています。実際に、条件に「マネジメント経験必須」とあったのに、応募者のポートフォリオの内容が良くデザイン室長の目に留まり、単発プロジェクトのリーダー経験のみでしたが採用となった例があります。
前述のように、マネジメント経験があるデザイナーさんは少ないので、他の応募者も皆マネジメント経験がなく差がつかないことはよくあります。そうしたとき、リーダー経験のアピールが効く可能性は十分あるでしょう。
3) マネジメント経験もリーダー経験もない場合のアドバイス
今後は進んで手を挙げ、リーダーになるようにしてください。リーダーは組織に1人いればいいのではなく、組織全員がリーダーの素養を持っていれば、より順調に業務が回ります。それぞれが自発的に動けるからです。
<次回は、転職活動の注意ポイントです>
下村航
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