この連載ではプロダクトデザイナー向けの転職ポイントを掲載していますが、他デザイナーにも参考になると思います。
※過去に掲載した内容をアップデートしたものです。一気に読みたい方はこちら。
今回はポートフォリオ編 最終回のの5回目です。(全5回)
コンペ作品など仕事以外で制作した作品の掲載
デザインコンペに提出した作品や、友人から依頼されて制作した作品、副業で手がけた作品など、いわゆる「仕事以外で制作した作品」をポートフォリオに掲載してもよいのか、というご質問をいただくことがあります。この点について、良い作品であれば掲載した方がよいとお伝えしています。
ポートフォリオは、業務実績だけを並べるものではなく、その方のデザイン力や表現力、考え方を伝えるための資料でもあります。そのため、本業以外で制作した作品であっても、完成度が高く、自分の強みや可能性を伝えられるものであれば、掲載する価値は十分にあります。
どこに掲載するべきか
以前のブログ「ポートフォリオⅡ 構成の基本」では、下記のような図を掲載しました。
この図では、ポートフォリオの流れを左から右へ示しています。左端が1ページ目、右端が最終ページです。また、タテ軸は、掲載作品に対する説明の深さを表しています。
この考え方で見ると、コンペ作品やプライベート作品は、ポートフォリオの後半に配置する「自分の能力の幅を見せるページ」と相性が良いと言えます。ただし、すべてを同じように載せればよいわけではなく、作品の完成度によって見せ方を調整することが大切です。
コンペ作品は、本業の合間に制作しているケースも多く、どうしても細部の作り込みが十分でなかったり、本業で手がけたデザインと比べて粗が目立ったりすることがあります。そのような場合は、たとえ入賞している作品であっても、ポートフォリオの後半に配置し、概要を簡潔に紹介する程度に留めることをおすすめします。
目的は、あくまで「デザインの幅」を見せることです。そこで必要以上に詳しく見せてしまい、細部の完成度について指摘されるようなことがあると、かえって評価を下げてしまう場合があります。
一方で、細部までしっかり作り込み、完成度の高い作品であれば、ポートフォリオの前半に掲載しても問題ありません。特に、応募先企業の方向性に近い作品であれば、自分の適性や可能性を伝える材料として、積極的にPRすべきです。
分かりやすく区別する
仕事で手がけた作品と、仕事以外で制作した作品は、できるだけ分かりやすく区別して掲載することをおすすめします。その際、「扉ページ」を用意して、ここから別のカテゴリーの作品になることを明確に示すと、読み手にとって分かりやすくなります。
たとえば、以下のように「Private Works」といった扉ページを入れる方法があります。

このようなページを用意することで、ぱらぱらとめくっていても、「ここから内容が変わるのだな」と自然に理解してもらえます。仕事の実績とプライベート作品が混在して見えるよりも、整理された印象を与えやすくなります。
企業への効果
特にメーカーのデザイナーの場合、業務上は特定の製品カテゴリーを中心に担当しているケースが少なくありません。そのため、仕事で手がけた作品だけを掲載していると、応募先企業から「この人は、この製品カテゴリーしか経験がないのではないか」「このデザインテイストしか対応できないのではないか」と受け取られてしまう可能性があります。
そのような場合に、コンペ作品やプライベート作品を加えることで、業務では見せきれない表現の幅や、別のテイストへの対応力を伝えることができます。
企業は、ポートフォリオを見ながら次のような点を確認することがあります。
「大きな製品を中心に手がけてきた方が、手に収まるような小型製品のデザインにも対応できるか」
「小型製品を中心に手がけてきた方が、大型製品のデザインにも対応できるか」
「BtoB向けの製品経験が中心の方が、消費者向け製品のデザインにも対応できるか」
「落ち着いたテイストの製品経験が中心の方が、玩具のように楽しさや遊び心が求められるデザインにも対応できるか」
このように、製品の大きさ、対象ユーザー、デザインテイストなど、さまざまな視点で「自社の仕事に合うか」を確認しています。こうした場面で、デザインコンペに自主的に出品した作品を通じて、本業では見えにくい「デザインの幅」をPRし、内定につながった方もいらっしゃいます。なお、コンペ作品については、必ずしも入賞している必要はありません。
<次回は「職務経歴書Ⅰ:概要」です>
(下村航)
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