路上の修理屋さん

長年愛用しているカバンがある。
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今年も広州、深センを初め、パソコンを背負ってハードな日程を共に
して来た。大きさといい軽さといい手放すことの出来ない相棒である。
ところが出張の日程に耐えかねてかついに糸がほつれ、痛みが
激しくなってきた。クリーニング屋に聞いても修理できないと言われ、
色々方法を探した末、路上に店を構える老人の手を借りる事となった。
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靴を直すミシン一台を露天に出し小雨の中で働く彼はいつも
人通りの多い交差点にいる。凄風冷雨の上海の冬、北風の中
一箇所づつ丁寧にミシンを当ててゆく老人の腕は確かだった。
修理が終わり、値段を聞くと5元。財布を覗くとたまたま小銭が
3.5元(約50円)しか無かったが、「いいよあるだけで」と言われ
にこやかにサービスをしてくれた。
東京では殆ど見られなくなった雑踏の中の修理屋、一仕事50円で
疲れきったカバンと共に私の心まで癒してくれた。
素朴な疑問を思い浮かべながらこの街の若々しい活気の中で
今日も昼休みのひと時を過ごす。
(N. Koyanagi in 上海)
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