年々歳歳花相似たり・・・人間にとっては、・・・

このところの天候の不順はいただけない。
「花に嵐」「柳は緑、花は紅」
やはり「花より団子」か。
友人から「タラの芽」を頂いた。山菜の王様、天ぷらにしたら
一番と言われて久しい山菜、あの「タラの芽」だ。

早速、小麦粉を求め買い物に出た道すがら、
「土筆」を見つけ摘みだしたらキリがないほどある。
これも袴を取り、今宵の天ぷらの素材のひとつとしようと目論む。
「タラの芽、土筆、さつま芋、なす、玉ねぎ」と5種類の素材を
用意して、女房に助けてもらい天ぷらを揚げてもらう。
ランチにしてこの豪華な天ぷら、森繁久弥さんなら
どの飲み物をチョイスしただろうと、彼の食通振りを思い出し
ながら私は昨夜の残りの赤ワインを頂く。
ふと、先日目にしたフランスのモラリスト
ラ・ブリュイエールの言葉を思い出す。
「人間にとっては唯三つの事件しかない。
 生まれること、生きること、死ぬこと。
 生まれる時は感じない。死ぬ時は苦しい。
 しかも生きている時は忘れている」
 『カラクテール』岩波文庫
生きている時は忘れている・・・
そう、忘れないように一日一日、身近なモノを口にしてみようと、
土筆まで天ぷらにしてもらった?
マスコミは相変わらず、消費税の話題で紙面をにぎわしているが、
消費しなければ税がかからないわけだから、時には山菜もいい。
田舎では山菜で育てられた身、忘れていけないものを見つけた
ような豪華な天ぷらを堪能、
“生きている時は忘れていない”
何かで証明したいような気分になったのか、加齢が追い打ちして
いるのか分からないが、人間にとっては唯三つの事件しかない
ことは、確かだ。
300年前のフランスのモラリスト、ラ・ブリュイエール、
彼の言葉も新鮮に思えた日曜のランチのひと時でした。
(喜多謙一)
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