『野次喜多本』登場人物の新たな“ちょっといい話”(39)『パンデミック2020~緊急レポート~』上梓した稲葉さん

 

私の友人で主治医の稲葉実先生から『写真集 観測のガリレオ的方法』を頂いた。
私は彼の事を「多趣味で奥が深く、毎年、本などにまとめているエネルギーは凄い。町のお医者さんである。」と、『野次喜多本』に書いた。
その通り、今年は短歌集『パンデミック2020~緊急レポート~』を送ってくれた。


著者 稲葉実 発行 現代文藝社 2,400円

  お元気ですか?パンデミックに誘発されて作った近作をまとめましたのでお届けします。お目通しいただければ幸いです。今年は大変な年となりましたが、何とか乗り切って行きたいですね。

  今年は仕事もプライベートもコロナ一色で、たちまちこんな小冊子が出来てしまいました。この倍以上は続きそうです。      ~ 10/28 稲葉 実

 

チャイナより謎のウイルス現るとのTVニュースにほの騒ぐ胸

この第1句から61句、

何事も無きが如くに進み行く無二なる人のobseques 哀し

obseques:葬儀(仏語)

まで、今年のパンデミック(世界的大流行) を詠んでいる。

 

人気なく車も見えず音も無き封鎖の街のキリコ的叙情

キリコ:イタリアの画家

知らぬ間に巨大隕石迫るとぞコロナにまさる災禍おそるべし

未知にして手強きものとの戦ひに末席なれども応召したり

彼は、現役の医師として第一線に活躍しながら、
“戦ひに末席なれども応召したり”と、さり気なく、詠んでいるのは素晴らしい。

緊急レポートとして出版された彼の心意気は、私の胸を強烈に打った、
これぞ、コロナ禍の中での“ちょっといい話”として紹介した。

(喜多謙一)
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