『野次喜多本』登場人物の新たな“ちょっといい話”(35) 気配りの先輩・ 藤代正彦さんから聞いた貴重なドイツデザイナー“デザイン秘話”

 

私は朝党だから、3時に起き机に向かう。藤代さんは、3時ごろから千葉市内を散歩に出ると聞いたから、
私は机の前だが、雨の日など彼は大変だろうと気遣うこともある。
「商品が売れる手助けをしたい」。千葉県や商工団体の助言役として、生涯デザイナーらしく、
日々、県内を走り回っている藤代さんの姿は、定年のないデザイナー職の奥深さを
今日も我々に教えてくれていると、2008年、わが社のブログに書いた。
2013年、鎌ヶ谷市のロゴマーク公募で市長賞(最優秀賞)に選ばれている。
千葉県人に愛されている「ちばエコ農産物のロゴマークも彼のデザインである。
(『野次喜多本』より抜粋)

“新型コロナウイルス騒動”は、彼の週1の若い人たちとの卓球も、ボランティア活動も出来ないから、
仕事部屋を片付けたら、何と軽トラ2台分デザイン資料があり、すべて処分したというのには驚いた。

というのは、今月、私のオフィスで、
彼が若い時にドイツのデザイナーとコラボして世に出した椅子が数脚あり、記念に2脚自宅で使おうと頂いた。

偶然、彼も同じ椅子2脚自宅にキープし、軽トラ2台の処分の中に入れなかったという。

彼から聞いた、今でも覚えている、そのひとつに、
ドイツのデザイナーは、高額なデザイン料半分は自宅購入に充て、
もう半分は投資、借家の代金にあて、毎月家賃を稼ぐというから凄いビジネスマンだったそうだ。

再度この椅子について問い合わせところ、

開発してから30年以上になりますよ。5本脚の最初のアルミダイキャストでした。
見事に資料は一切ありません。
いまだに使っていただいているなんて感謝です。アルミなのに重くて苦戦しました。
私のところにも2脚あります。
壊れそうにありません。ドイツ人はしたたかです。コロナのワクチンもきっと開発するでしょう。

とあった。
いつまでも“気配りの先輩・藤代正彦さんは、
何歳になってもデザイナー職の奥深さを今日も我々に教えてくれている、脱帽。

製品は日本、イナバ製作所製、堅牢で座りやすく今でも私は愛用している。(上写真参照)

(喜多謙一)
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