『野次喜多本』登場人物の新たな“ちょっといい話”(20)令和の夏・軽井沢の画廊主・寺野勉さんとの再会

 

お世話になった人の思い出を書き綴っていて、
90年代パリで色々とお世話になった寺野勉さんを思い出したが、消息が知れない。
そこで、インターネットで彼の名前を見つけたから、
同姓同名だが間違いでしたらごめんなさいと電話した。
①年齢は60代で②フランスの大学を出て③愛知県出身と、3言語したら一発目から正解。
女性の声で、うちの主人ですと。
(『野次喜多本』より抜粋。)

ご主人の寺野勉さんは、別荘を改装したギャラリーに
設併のベーカリー・カフェ(テイクアウトオンリー)を2012年に軽井沢でオープンした。
1Fがパン屋さん、2Fが洒落た画廊になっている。
その彼の画廊で、2年前の『野次喜多本』上梓の夏に、100人似顔絵展をさせてもらった。

   
(左:寺野さんのギャラリーの写真、 右:100人似顔絵展のパンフ)

展覧会が大好評だったこともあり、先日、金沢の後輩から、この画廊での個展の依頼が舞い込んだ。
先輩 “仲人” ボランティアとして、一肌脱ぐことになった。

北陸新幹線では、軽井沢は金沢と東京の中ほどに位置し、どちらからでも簡単に行ける。
別荘を改装したギャラリーは、夏は最高だし、
1Fがベーカリー・カフェ(テイクアウトオンリー)パン屋さんだから、ランチも食いはぐれない。
早速、彼と下打ち合わせし、令和の夏・軽井沢での後輩の個展開催を決めようとしている。

思い出すと、90年代、パリでの仕事の合間に、
彼の案内で、今度火災にあったノートルダム寺院や、パリ郊外の美術館巡りを楽しんだ。
もう30年過ぎたが、彼と会うとパリと軽井沢がダブって見え、
私にとっての夏の軽井沢は、パリの思い出と共に、リッチな、“ちょっといい話”になる。

(喜多謙一) 

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