私の”100歳時代到来“(8) 芸術の秋 「色彩(カラー)」に酔う・・・ “素晴らしい人生。”

  

絵手紙として頂いた最近の出井画伯の2点の作品を見ながら、ふと、フランスの建築家・画家の著名なル・コルビュジェの言葉を思い出した。

色彩とは?それは身体の中にたくましくめぐる血である。色彩とは、生命のしるしである。庭や畠にある花には「古色」はない。空は天気のよいときには青い。耕しおこされ土、立った岩、露わな地層などのくすんだ協和音は、冬あとの春ごとに生まれかわる生の爆発の堅固な踏み切り台である。色彩!(注)

 

この絵を見ていると「身体の中にたくましくめぐる血である。色彩とは、生命のしるし」…分からなくとも、何とかよく見ると、わかるような気がするから不思議だ。
93歳の出井画伯(かってに、私は、彼を師と呼ぶ)の最近作である。

師とは縁あって、2002年5月スペインのバレンシア近くのサグート村で、師の個展のお手伝いしたことがあった。日本から“紙の作品”を持参し現地で額縁を購入、中に収めて展示するという、シンプルな個展であったが、2週間ぐらい、村では大好評。作品を見る、絵画好き村民の温かい眼差しを忘れない、・・・さすがにピカソを生んだ土地、スペインと、感心させられたこと、今でも覚えている。

師は、60歳まで実業界で活躍、後半は、それをすべて若い人に譲り、師は”絵描き人生“に専念、70歳ごろからCG作品に挑戦、「お絵かきソフト」のみで、作り続け、作品2000点目標に毎日挑戦されていたので、いつの日か後輩仲間で、師の個展を盛大に開催出来ればと話していた矢先、先月末、1700点制作途中で、突然、病でダウン、93歳、10か月でした。(合掌)

師の個展会場として、千葉県勝浦の海岸にある、私の新しいオーシャンアトリエに、A4サイズ額縁入り40点と、今夏のエメラルド展の作品A3サイズ3点預かっているので、いつの日か、師を囲んで、皆さんに見て頂こうと用意していたのに、間に合わなかった、・・・すごく、残念、無念。

PS.
期せずして、師のスペインでの個展を手伝いしてくれた画家の“Y”さん(スペイン在住)が、銀座で今年も個展されていて、毎回、彼の個展会場には、師と私が一緒に伺っていたのに、今年は一人、・・・彼に、出井画伯が亡くなったことをお伝えしたところ、彼は即座に、「出井画伯、93歳 ”素晴らしい人生”を送られたのですよ」と、ひとこと、合掌)

2025.10.15                                 喜多謙一

注)
画家の出井保勝さんは、大学の先輩で1998年ころから私の”絵手紙”の先生で、
エメラルド会、絵画仲間です。

注)
ル・コルビュジェ(1889-1965)
フランスの建築家・画家。スイス生まれ。W・グロピウスとともに近代建築の発展にもっとも大きな影響与えた。
「近代建築の5原則」を唱え、実作に文筆に幅広く活躍。

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