この連載ではプロダクトデザイナー向けの転職ポイントを掲載していますが、他デザイナーにも参考になると思います。
※過去に掲載した内容をアップデートしたものです。一気に読みたい方はこちら。
今回はポートフォリオ編の4回目です。(全5回)
1.作品のリストアップ
初めてポートフォリオを作成する際は、まずこれまで自分が手掛けてきた作品や業務内容をリストアップしましょう。

上図のように簡単で構いません。転職経験がある人は、会社ごとに分けて整理するとわかりやすいです。人によっては膨大な量になると思いますが、その場合はポートフォリオに掲載する可能性があるものに絞りましょう。あくまでポートフォリオ作成のための準備段階なので、手書きでもパソコンで作成しても構いませんが、後から見直したり再作成したりしやすいよう、データで残しておくことをおすすめします。
2.掲載順・掲載量を決める
次はポートフォリオの構成のために分類と選別をします。上図では「自己評価」として◎や△で表現しています。それも参考にしながら、ポートフォリオに掲載する順番や量を考えます。
掲載順については、本ブログの「ポートフォリオⅡ構成の基本」で書いたように、自信がある順から掲載します。また、自信がある作品は1作品につき数ページを使って詳しく掲載し、後半に掲載するあまり自信がない作品や専門ではない作品は1ページに数点まとめて掲載するなど、サクサク読み進められるようにします。
前述のリストアップ図はプロダクトデザイナーの例ですので、グラフィックデザインのパンフやパッケージは後半に掲載し、それらの作品で「専門ではありませんがこんなこともできますよ」と、スキルの幅を見せるイメージです。

3.「台割」を作る
掲載作品と順番が決まったら、簡単な「台割」を作成し全体を見える形にしましょう。台割というのは、どのページに何を載せるかを整理した設計図のようなものです。例えば以下のように四角を並べて、それぞれの作品を何ページ使うかを書き込んでいきます。簡単な手書きで構いません。こうしておくと、ポートフォリオ全体の構成が把握しやすくなり、どの作品を厚めに見せるか、どこをコンパクトにまとめるかも考えやすくなります。

4.ラフを書く
ここまで準備ができたら、いよいよポートフォリオの作成に入ります。とはいえ、いきなりIllustratorで作り始めるのではなく、まずは簡単なラフを書いてみましょう。汚くて恐縮ですが、以下のような手書きの簡単なメモ程度で十分です。先に大まかなレイアウトを考えておくことで、全体の方向性が見えやすくなり、作業もスムーズに進みます。結果的に、そのまま作り始めるより早く仕上がることが多いです。

5.ポートフォリオデザインの参考サイト
ポートフォリオデザインの参考として、Adobeのポートフォリオ投稿サイト「Behance」があります。ここで、「Product Design Portfolio」と検索すると、学生の作品から海外デザイナーのポートフォリオまで、さまざまな事例を見ることができます。特に「いいね」が多いものは、構成や見せ方の参考になります。
※掲載されている作品はグラフィックデザインの完成度が非常に高いものも多いですが、必ずしもそこまで作り込む必要はありません。大切なのは、自分のスキルや実績がきちんと伝わることです。レイアウトのパーツや構成、情報の見せ方などを参考にするとよいでしょう。
とはいえ、普段の仕事でも、社内向けやクライアント向けのプレゼン資料はある程度きれいに作っているはずです。ポートフォリオについても、少なくともそのレベルは意識してほしいと思います。
過去には、掲載しているプレゼン資料自体はとても見やすく整っているのに、ポートフォリオ全体のレイアウトは「PowerPointでとりあえずまとめた」ように見えてしまう方もいました。グラフィックデザイナー職の応募でなくても、デザイン部門では他部門や経営層、クライアントに向けて資料を作成する場面があります。
そのため、ポートフォリオの見せ方が粗いと、「転職という大事な場面でも、この程度のレイアウトでまとめてしまう人なのか」と受け取られる可能性があります。レイアウトに苦手意識がある方も、ぜひ自分なりのベストを目指して作成してみてください。
補足1:プロフィールページ
学生のポートフォリオではプロフィールページを作成することをおすすめしています。出身地や高校・大学名、使えるソフト、趣味、笑顔の写真などを掲載する形です。写真は、友人と過ごしているときの自然なものや、学生時代に打ち込んだスポーツをしているときの写真などでも構いません。
学生には、「後輩として迎えたいと思える人を見ていることが多いです。プロフィールページで趣味やスポーツがわかると親近感がわきやすいので、載せたほうがよいですよ」とお伝えしています。
中途採用でも、20代前半~半ばくらいまでで、まだ実務経験が浅い方であれば、学生と同様にプロフィールページを載せるのは有効な場合があります。スキルや実績だけで差がつきにくい段階では、人柄や雰囲気が伝わることがプラスに働くこともあるからです。掲載して損はないと思います。
一方で、20代後半になり、ある程度実務経験を積んでいる場合は、プロフィールページは必要ありません。プロフィールページに時間を割くのであれば、その分、作品内容や実績の見せ方を充実させるほうをおすすめします。
このくらいの経験年数になると、まずはデザインスキルや実績で差がついてくるため、人柄が伝わらなくても書類選考は通過しやすくなります。人柄については、面接でも十分に判断できます。
補足2:適切なページ数
ポートフォリオのページ数は、人によってかなり差があります。
ダイジェスト的にまとめて10ページ以下にする方もいれば、細かい実績までしっかり載せて100ページを超える方もいます。
現在はほとんどがPDF提出ですので、以前に比べると、ページ数が多くても見てもらいやすくなっています。
ただ、あまりにページ数が多いと、読む側が疲れてしまったり、途中から流し見になったりすることもあります。最後までしっかり見てもらうことを考えると、20~40ページ程度が比較的見やすく、まとまりやすいボリュームではないかと思います。実際にも、このくらいのページ数にまとめている方が多いです。
<次回は「ポートフォリオⅤ:コンペや私作品の掲載」です>
(下村航)
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