当社は製造業メーカーのプロダクトデザイナー求人が多く、他グラフィックデザイナー、UI/UXデザイナーと続きます。(アプリなどのデジタルプロダクトではなく、3D-CADを使うような物理プロダクトです。)
この連載ではプロダクトデザイナー向けの転職のポイントを掲載しますが、他デザイナーにも参考になると思います。
まず第1回目は、転職活動を始める際の第一歩についてお伝えします。
※過去に掲載した内容をアップデートしたものです。過去記事一気読みはこちら。
1)転職をするか迷っている方へ
転職をするか迷っている段階でも、専門の転職エージェントに登録して相談に乗ってもらうことをお勧めします。
弊社の登録者の方もそのような段階での相談も多いです。
「今の会社に何らかの不満がある」「不満はないけど周りが転職しているから焦ってきた」など、理由はさまざまですが、そういう場合でもご相談は大歓迎です。面談することによって、私のような転職専門家からの話を聞くことで発見がたくさんあるようです。
よくある気づきは、中堅以上の人は、「自分には転職できる候補先が意外と少ないんだ」ということ。特に30代後半ぐらいからは、それまでにやってきた経歴を評価されて転職するので、なかなか他業界には行けません。同業他社に転職するのが一番有利ですが、そうすると今の仕事の不満点、業界の将来が不安、一通り経験したので別の仕事がしたい、という点は解消されません。
もちろん、中堅以上の方でも他業界に転職していった方はいますが、少ないのが現実です。
若い人の場合は、募集している企業の例を聞いて、自分の可能性や年収レベルを知ることができます。自分の給料は安いのか、高いのか。世の中にはどのようなデザイナーの募集があるのか。ホームページの情報だけではわからないことまで知って、転職したい気持ちが強まる人もいますし、意外と今の仕事環境が恵まれている、と感じる人もいます。
またポートフォリオまで作成して見せていただければ、その会社に受かる可能性がどれぐらいあるか、全然ないのか、などがアドバイス可能です。
できれば当社のような専門エージェントと、営業からエンジニアからなんでも扱っている大手エージェント、両方の話を聞くといいかと思います。大手はデザイナーに詳しくないのでポートフォリオのアドバイスや仕事内容の詳しい説明などは期待できませんが、その代わり数多くの案件を持っています。
※注意※
他社エージェントの場合、応募意思がはっきりしていない段階で曖昧な返事をしてしまうと、担当者によってはそのまま応募手続きが進んでしまったケースがあります。実際に、大手の有名エージェントであっても、十分な確認なく応募を進められてしまった、という話を聞いたことがあります。そのため、応募するかどうかを迷っている場合は、「まだ応募の意思はありません」「応募する場合は事前に必ず確認してください」 と明確に伝えておくことが大切です。
職務経歴書やポートフォリオなどの資料が十分に整っていない状態で応募されてしまい不採用になってしまうと、同じ企業にはその後数年は応募できなくなります。
2)すでに転職を決めている方へ
ここから先は、すすでに転職しようとほぼ決めている方向けの情報です。良い会社が見つかったら応募、見つからなければ待つ、という方も含みます。
デザイナーが転職をする際に必要なのは、「ポートフォリオ」「職務経歴書」「履歴書」です。書類審査では、この順番で重視されます。
まずポートフォリオがまだ無い方は、用意してください。大変だとは思いますが、学生の時を思い出しながら作成しましょう。この連載でも詳しく説明していますので、合わせて以下もご覧ください。
▶ポートフォリオⅠ全般
▶ポートフォリオⅡ構成の基本
▶ポートフォリオⅢインデックス・その他作成ポイント
▶ポートフォリオⅣ初めて作成する方へ
▶ポートフォリオⅤコンペや私作品など仕事以外の作品にについて
とはいえ、「作りはじめたものの、完璧を目指してしまいなかなか完成せず、いつまでたっても1社も応募できていない」ということは、よくあります。
しかし、転職活動は運と縁とタイミング。弊社に相談に来た方には、「まずは自己評価30点でいいから、一通り完成させてください」とお伝えしています。ポートフォリオさえあれば、求人が出たときにすぐに応募できるからです。
他社から見たときに自分の仕事がどう評価されるのかなど、実際に応募してみないとわからない部分もあります。また「そもそも自分がどのような仕事を希望しているのか」ということも、いろいろな会社の求人を調べてみて初めて明確になる場合があります。
選考する側もプロですので、30点のポートフォリオでもある程度は意図や実力をくみ取ってくれます。
転職を考えているのせあれば、まずはポートフォリオをざっくりでいいので完成させることを意識してください。
なお、弊社へ転職相談をお申し込みいただく際は、ポートフォリオは未完成でも構いません。むしろ未完成で面談をした方が、アドバイスを受けてから作成できるため、ムダが少ないかもしれません。
※ポートフォリオなしで応募可能なデザイナー案件は要注意です。人が来なくて困っているブラック企業だったり、デザイン軽視の職場である可能性が高いです。
追記:ポートフォリオについては例外もあります。
たとえば自動車業界のモデラーでは、ポートフォリオ無しで、HP等から持ってきた自動車の写真を多数(この車のここを担当した、と示すだけのもの)と職務経歴書だけで受かった例もあります。また、ポートフォリオがなくても明らかに経験、スキルがマッチしているので、面接に進めた例もあります。(この場合、実技試験で審査されます)
3)行きたい方向性の探し方
順番が前後しますが、転職したいと決めたものの、どの企業を受けたらいいか、どういう方向にキャリアを組み立てたらいいかがわからないと、転職活動がスタートできないと思います。
そういう方には、「今回の転職の「軸」を決めると良い」とお伝えしています。転職の「軸」とは、譲れない条件や、希望の方向性です。デザイナーの場合は、例えば次のようなものがあります。
「プロダクトデザイナーであることが絶対条件」
「使用している人を身近に見たいのでBtoC製品」
「結婚を考えているので年収アップ/年収○○万円以上」
「場所は将来の介護を考えて実家のある関東圏内が絶対条件」
「子育て中なので19時までに○○駅に戻ってこれること、週2回のテレワーク」
転職を考え始めた段階であれば、今の会社を辞めたい理由から逆算して考えるのも良いと思います。
とはいえ、具体的な条件があまり浮かばないという場合は、まずは検索して、いろいろな求人を見てみることをお勧めします。実際に求人を見ることで、「テレワーク無しでは嫌だな」「○○は嫌だな、△△業界は意外と年収が安いのか」といったことが見えてくるはずです。
ただし、前述のように中堅ともなると企業はこれまでの経験を重視するため、まったく異なる分野へ移るのは難しいケースも多いです。その点も踏まえながら、いろいろと求人を見てみると良いでしょう。
<次回はポートフォリオ Ⅰ概要です>
(下村航)
ここまで読んで、
少しでも「自分の状況に当てはまるかも」と感じた方へ
今すぐ転職を決める必要はありません。
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※ 学生・未経験の方は対象外です。
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