転職・退職理由の伝え方:納得されやすい理由・注意が必要な理由 デザイナー転職ガイド2026 

この連載ではプロダクトデザイナー向けの転職ポイントを掲載していますが、他のデザイナーにも参考になると思います。
※過去に掲載した内容をアップデートしたものです。一気に読みたい方はこちら。

面接Ⅳ:転職理由 / 退職理由の伝え方の注意点 でも触れましたが、退職理由は履歴書や職務経歴書、ポートフォリオには義務はありませんが、面接ではほぼ100%聞かれます。

職務経歴書の各在籍企業欄に1,2行で「例:会社が経営難となり将来が不安になったため」というように書く人もいます。転職回数が多い方は記載しておくと、納得感のある理由であれば「それでは短期間で転職してもしょうがないか」と見てくれます。直前の在籍企業(在職中であれば現職)の退職理由を聞かれることはもちろんですが、転職回数が多い人はすべての退職理由を聞かれる場合もあるので、あらかじめ準備しておくと安心です。

転職・退職理由として気を付けること

– 悪口にならないように注意する
多くの方は、何らかの不満を持って退職されているかと思いますが、前職の悪口をいうと面接で印象が悪くなります。たとえとんでもない会社だったとしても、面接官はその会社を知りません。また、面接官に転職経験がない場合は、現在の会社がすべての基準になりますので、ひどい会社が存在するということを想像できません。そういった人に対して、「前の会社はひどい会社で」と熱心に話しても、「この人は不満を抱きやすく、よく愚痴を言う人なのではないか」と思われる可能性があります。また、内容に関わらず、ネガティブな発言が多くなると印象は悪くなります。

– 言い方を注意し、できる限り真実を話す
上手な伝え方としては、感情を抜きにして事実だけを伝える方法です。「毎日XX時まで働いていて体調を崩しそうになって」「社長がワンマンな方で、10年以上勤務している先輩もアシスタント的な仕事しかしておらず、ここにいても成長が見込めないと考えました。」などです。

– 応募先の企業では退職理由が解消されるのか
よくある理由の一つに「前職ではエンジニア(開発部門)が力を持っており、デザイン部門の意見が通らない」というものがあります。それに対して「うちもそうだよ。それをうまく説得するのもデザイナーの大切な仕事では?」と思われてしまうと減点につながってしまいます。応募先企業でも同じ問題が起こり得ないか、また、それに対して自分がどう取り組めるかも考えておきましょう。

– 簡潔にまとめる
退職理由にはさまざまなドラマがあるので、非常に長くなる場合や、逆に言えないことが多すぎて非常に短くなってしまうことがよくあります。極端にならないように、事前に準備しておきましょう。   

よくある退職理由

比較的理解を得やすい退職理由
・会社が倒産、もしくは経営不振により会社都合で退職


・会社の将来が不安
 
業界全体が縮小傾向 / 売上不振により退職者が増えてきた / 給与が長年上がらない /年収が下がった /デザイン部の仕事が少なくなってきた

・給与が安い
応募先企業の基準年収と100万円、200万円程度の差がある場合は、理由として問題ないと思います。特にデザイン事務所などの驚くような安月給であれば問題ありません。逆に応募先企業の給与とあまり変わらないのであれば、避けた方が良いですが、上記のように長年給与が上がらない、先輩も自分とほとんど給与が変わらないので今後上がる見込みがないという場合は問題ないと思います。結婚や出産などのライフステージの変化によって、より安定した収入が必要になった場合などは、差し支えない範囲で事情を伝えてもよいでしょう。

・別の地域に異動を命じられたが、家族のために現在の場所を離れるのが厳しい


・部署異動になり、デザイン部を外れることとなってしまったが、デザインをやりたい

こうした事情がある場合は、職務経歴書などに簡潔に補足しておくことをお勧めします。単に「一身上の都合」と記載するだけでは伝わらないため、職務経歴書などに簡潔に補足しておくことをお勧めします。

伝え方に注意が必要な退職理由
・自社製品を一通りやったので、新しい分野に挑戦したい/キャリアアップしたい
これだけでは、あまり良い理由とはいえません。「キャリアアップ」や「ステップアップ」という言葉だけでは、企業を踏み台にして去っていく印象を与え、「うちの会社に入ってもしばらくしたらまた転職してしまうのでは?」と不安にさせる可能性があるためです。
言い方を変え、「今の仕事ではどうしても最終ユーザーの姿が見えない。御社の業務のように、実際に使用している様子がわかる業務がしたいと考えた」などとした方が良いです。

・上司とケンカした、社長と合わない
何らかのフォロー文をつけておく必要があります。例えば社長が暴力をふるうとか、人前で怒鳴り散らす、等。あいまいな理由では、「うちに入っても、上司と合わなければすぐにやめてしまうのではないか」と思われ印象が悪くなる可能性があります。

転職回数の許容度

企業によっては、書類選考時に転職回数で足切りをされる場合があります。デザイン事務所やベンチャー企業、外資系企業は転職回数を比較的気にしない傾向にあります。ただし、1社あたりの在籍年数が短いと、理由によっては人物的に問題があるのではないかと思われてしまうことがあります。

大企業では、例えば転職回数は2回までなどと決まっている企業があります。弊社がこれまでに扱った求人でも、転職回数は〇回までといった基準を設けている大企業がありました。そうなると、どんなに優秀なデザイナーでも転職回数を満たしていなければ書類選考でお見送りとなってしまいます。応募書類がデザイン部門に届く前に、人事部門で選考対象外と判断されるためです。そのため、合併や社名変更があった場合には転職したように見せない記載の工夫が必要です。詳細は過去の「履歴書Ⅰ:見落としがちな注意点」をご参照ください。

最後に

求人企業は、一緒に仕事をする仲間を探しているということを忘れないでください。企業は「すぐに辞めてしまわないか」という点を心配すると同時に、仕事に対する考え方なども確認するために退職理由を聞きます。「前職ではこうした事情があったので退職したが、当社では長く働いてもらえそうだ」と安心してもらえる説明を心がけましょう。

<来週は「複数社を同時に受験する場合」です>

下村航

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