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コンサルタント日記 アーカイブ

2010年03月09日

デザイナーの定年

デザイナーには、定年はあるのだろうかと考えることがある。
インハウスデザイナーは、60歳で定年が多いだろうが、
フリーデザイナーは、わが道を行くスタイルで、
60歳を過ぎても、デザイン界では活躍している。

先日、名古屋の友人夫妻が、泊り込みで遊びに来た。
彼も、インハウスデザイナーで、60歳定年組。
専門は、プロダクトデザインだ。
近くのコンビニの駐車場まで迎えに出たが、
二人乗りのスポーツカーで現れたのには驚いた。
まるで20代の恋人同士といった趣のドライブ姿には驚いた。
奥さんとは、25年ぶりの再会、積もる話は夜遅くまで続いた。

翌日の昼食は、彼の蕎麦打ちを披露してもらい、ご馳走になった。
蕎麦粉はもちろん、薬味から水まで、すべての道具を
スポーツカーに積み込み、名古屋から持って来てくれたのだ。
近くに住む知人も呼んだので、計5人前を2時間程かけての労作である。

その蕎麦打ちを見ていて、作り立てが一番美味しいことも実感した。
その味は、昔の田舎のおばあさんの、ぬくもりある蕎麦の味と、
どこか似ているのである。
手に職がある、おばあさんの伝統ある味がそこにあった。
伝統ある蕎麦打ちにチャレンジした彼の顔は、
現役時代のプロダクトデザイナーの生き生きした顔になっていた。
ものづくりの顔である。

やはり、デザイナーには定年が無い。
私は、そう思いたい。

(K.K.)


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2010年03月02日

「デザインで世界を変える」

先日、川崎和男講演会『デザインで世界を変える』にて、
久しぶりに、元気なデザインに接し、興奮した。

デザインディレクターであり、医学博士でもある彼が、
名古屋市立大学から、大阪大学大学院に移って久しい。
その間、彼は「デザインで世界を変える Peace-Keeping Design(PKD)」
運動を継続し、この講演会では、その骨子の説明と、彼がデザインした
数々の製品発表があった。

彼の事を書き出すと長くなるので割愛するが、
彼は、デザインディレクターとして、伝統工芸品から
メガネやコンピュータ、ロボット、原子力エネルギー、
人口臓器、先端医療……と、多様な分野で活躍し、
Newsweek日本版の「世界が尊敬する日本人100人」にも選ばれている。

デザインの持つ「理想を具体的に目に見える形で提案する力」を
最大限に活用し、プロジェクトでは、紛争地域における問題、衛生問題、
貧困問題、感染症問題、環境問題など、地球規模の解決困難な課題に
取り組んでいるのは凄い。
例えば、感染症問題解決のため、「ワクチン接種のデザインシステム」を提案し、
実践を目指していて、ワクチン接種に関する全プロセスについての
包括提案を行っている。
彼は、講演の中で、Ideaは思いつき、Thinkは思い込み、Designは思いやりだと言い、
Peace-Keeping Design運動にますます力を注ぐと述べていた。

彼には脱帽のみである。健康を祈る。

(K.K.)


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2010年02月23日

次なるテーマは…

わが街のシニア・パソコン教室で世話役をしてくれているTさんが、
突然、脳梗塞で倒れたと聞いて驚いた。
スマートな体型で、日頃から病気一つしたことが無いという、
健康体の見本のような人で、ゴルフもご一緒したことがあるだけに、
ショックが大きかった。
幸い発見が早く、救急車で運ばれ、治療が迅速にできたため、
回復は早く、「リハビリは3ヶ月ぐらい」と奥様に聞き、安心した。

そのこともあり、友人が主催する『健康医療講座 心臓フォーラム2010』を
受講してみた。
「あなたは心臓の病気の心配はありませんか?
 この機会に一度、専門医の話を聞きませんか」
というキャッチフレーズは、効いた。
心臓の鼓動がおかしい、突然動悸が、息苦しい、疲れやすいなど、
こんな体調の変化は、心臓病の症状であることが、しばしばあります、
とは、専門医であるN先生の弁。
N先生曰く、心臓が悪いと思って、心臓の専門医にのみに診てもらうより、
体全体を診れる、専門のお医者に掛かることが大事だそうだ。
「木を見て森を見ず」。
部分のみ診て診断をするお医者さんには気をつけたいと、自戒されていた。

健康なデザイナーからは、健康なるデザインが生まれる。
今般、大きな関心を集める環境問題。
その次に来る大きなテーマは、「健康」。間違いなし。

(K.K.)


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2010年02月16日

北京の友人からの年賀状

『明けまして、おめでとうございます!

 去年は良い種を蒔きましたので、今年は水や肥料を与えて、
 きれいな花を咲かせ、おいしい実を結ばせたいと思っています。
 今年は充実で成果豊かな一年になりますように
 頑張りたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

 Mより(2010年02月14日)』

上記のメールは、中国・北京の友人から。
バレンタイン・デーだった2月14日は、旧暦の1月1日、今年の中国のお正月。
きれいな日本語で、彼の抱負が刻まれていたのでご紹介した。
彼からは、デザイン先進国・日本の、デザイン界の現状を教えて欲しいと
聞かれることが多い。
デザインや、そのほか全てのことを吸収しようという彼らのエネルギーは凄い。

立春をだいぶ過ぎてからの「お正月」は、我々、日本人にはピンとこないが、
華人が世界中で祝っているのをTVで見る限り、グローバルという言葉は、
中国人には、もうすでに身についているようだ。
今年は、不況でも、いや、不況だからこそ、会う人ごとに
「語学」や「デザイン力」をつけるように言っている。
もうひとつ、新年からの日記が「三日坊主」で終わってしまった皆さん、
旧暦からでも、日記に再チャレンジしてはどうだろう。

「我が生は淋しからずや日記買う  高浜虚子」

(K.K.)


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2010年02月10日

日本の問題点

友人に誘われて、日本香港協会主催の
「2010年 春節セミナー&春節パーティー」に行った。

遠藤滋氏の「日中共栄―華人経営に学ぶ」の講演の中で、
今の日本の問題点として、企業のグローバル化の遅れ、
国内経済の空洞化が挙げられていた。
非国際性、内向き、英語力、そして若者に元気がないことなど、
端的に指摘されてみると、全くデザイナーの世界にも当てはまる。
日本の居心地が良すぎるから、外に出る必要も無いし、
「鎖国がなぜ悪い」と居直れるのでないか。

ところが、香港は、アジアにあるグローバル拠点、
中国に根を持ち、西欧を取り入れた国際都市として繁栄していて、
好景気だというのである。
7、8年前までは、香港市内には、日本の家電関連企業の
看板が目白押しだったが、最近は皆無になっているという。

永い日中交流の歴史があり、日本と中国は隣国であり、
お互いに同文異種だという理解の下で、人間関係を基本に
ビジネスの再構築を考えるべきとの指摘は鋭い。

デザインのグローバル化も、遅れないものにしたい。

(K.K.)


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2010年02月02日

加齢の悲しみ

社会人になってからの「恩師」の死は悲しい。
期せずして、昨年末の名古屋出張の折、ご挨拶にと、
その恩師の自宅を訪れたのが、最後のお別れになってしまった。
少し足が弱っておられたが、私が昨年、中国に6回も足を運んだ話には
とても興味を持たれたようで、いろいろと質問なさっていた。
駄弁ったその一時間が楽しかっただけに、先日の訃報は身にしみて、
しばし頭が真っ白になった。

職場で直接の上司ではなかったが、趣味で水彩画を描かれることもあり、
趣味でのお付き合いが、彼との出会いであり、
私の下手な絵手紙を、喜んで貰ってくれる大先輩だった。

彼は、戦後シベリア抑留から生きて帰った一人で、
その体験は、大企業の番頭さんとしてもゆるぎない生活力を伴って、
我々を導いてくれた。
シベリア抑留のことを思えば、会社のどんな出来事も乗り越えられる、
という恩師の言葉は、脱サラして始めた私の小さな会社をも
支え続けてくれたといっても過言でない。
悲しみを乗り越える術を彼から教わったのだから。

彼、恩師の死は、加齢の悲しみとして、ずっと私の心に残ることだろうが、
最後にひとこと、「有難う」「謝、謝」。合掌。

向川原徳助さん、2010年1月没、享年86歳。

(K.K.)


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2010年01月26日

芸は身を助く

このところ、いつになったら景気が回復するのかと聞かれることが多い。
どこの新年会、賀詞交換会に出ても、明るい話が少ない。
景気とは、気の持ちようでもある。
気を良い方に傾ける努力をすべき時が、今のように思う。

ところで、「芸は身を助く」という諺がある。
一芸があれば、困窮した時も暮らしの助けになるという意味通り、
語学が堪能で、転職がスムースに決まったN君の例をご紹介したい。

先日、中国の実業家、トップ経営者が来日した折に、
アルバイトで通訳したことが縁で、彼は再就職が可能になった。
彼は米国生活が長く、英語が出来るのはもちろんだが、
中国語も学んでおり、英語と中国語、両方に堪能なところが見込まれ、
即、採用となったのだ。

デザイナーでも、1ヶ国語でも、2ヶ国語でも、語学が出来ると、鬼に金棒、
転職は、もっとスムースに出来るチャンスが増えるのは間違いない。
学ぶ事に、遅いということは無い。
思い切ってこの一月からでも、一芸の習得にチャレンジしたい。

(K.K.)


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2010年01月19日

続・柳宗理の薬缶


先週、グラフィックデザイナーの原研哉さんが、
今月号の岩波の『図書』で、「柳宗理の薬缶」について
すばらしいエッセイを書いているのを紹介した。
その続きは、『図書』でご確認いただくとして、
原さんが言いたかったこと、私なりの要点のみ記したい。

彼は、
「消費の欲求に駆られて、目を三角にして「新しさ」を
 追い求めてきた僕らのアタマが、少し平熱にもどって、
 まともに日常の周囲を見渡すゆとりができたということ
 ではないだろうか。」
と述べている。

私たちは、新興国の中国やインドと駆けっこすることなく、
いい製品を生む、育てる、それを愛でる時代に入って来た事を
彼は言いたかったのだろうと思う。

柳宗理(そうり、本名:むねみち)は、1915年生まれ、
日本における工業デザインのパイオニアである。
ユニークな形態と、意外な実用性を兼ね備えた作品が多く、
代表作に「バタフライ・スツール」がある。
実父は柳宗悦、祖父は柳楢悦。

昨日の、エントリーで紹介した、「日本民藝館」の創設者は、
彼の実父であり、柳宗理は私の大学の恩師でもある。
恩師の目は、日本の民芸の美を余すことなく吸収した目であった。
彼は、良いもの、きれいなものを常に見るように
我々を指導し続けたことを、ここでは記しておきたい。

(K.K.)


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2010年01月13日

柳宗理の薬缶

グラフィックデザイナーの原研哉さんが、岩波の『図書』今月号で、
「柳宗理の薬缶」について、すばらしいエッセイを書いているので紹介したい。

『柳宗理のデザインした日常品が静かに注目されている。
 たとえば薬缶。
 何の変哲もない普通の薬缶である。しかし実に堂々として、
 薬缶はやっぱりこれに限る、とおもわせる説得力に満ちている。
 薬缶の用途は単純だ。水道の蛇口から水を注ぎ入れて
 加熱器にかける。ガスでも電磁調理器でも同じことだ。
 湯が沸くと、注ぎ口から湯気が立ち上がり、
 それを急須や保温ポットに移す。
 柳宗理の薬缶は、そんな日常の行為を無理なく自然に行なうための
 道具として、すばらしく良く出来ている。取手の握り心地やたっぷりした
 注ぎ口の造形はいい意味で鈍みがあり、安心感がある。
 ずんぐりと座りのいい胴や蓋の膨らみには、用の美に徹した設計者の
 誠意が張っているようだ。
 少しまえまではイタリア製の、幾何学的にエッジの立ったケトルが
 なにやら目を奪い、時代の先端を切り裂いてすすんでいるかのように
 感じられたものだ。しかし最近ではむしろそういうものの方が
 時代がかって見える。
 この感覚は決して懐古趣味の流行やリバイバルブームでない。
 消費の欲求に駆られて、目を三角にして「新しさ」を追い求めてきた
 僕らのアタマが、少し平熱にもどって、まともに日常の周囲を
 見渡すゆとりができたということではないだろうか。
 柳宗理の薬缶はアンティークでもないし、古き良き時代を象徴する
 ノスタルジーの産物でもない。ごく普通の工業製品として、
 日常の動作にきれいに寄り添っているということだ。』

(次回に続く)

(K.K.)


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2010年01月05日

「横棒は人生、縦棒は歴史」

昨年、暮れも押し詰まった日に京都出張があった。
これ幸いと早めに都入りし、久しぶりに嵯峨嵐山を訪れた。
何と、十数年ぶりのことで、地図もおぼつかない。
JR嵯峨嵐山駅でもらったパンフレット手に、歩き出した。
渡月橋、天竜寺を観て、嵯峨野・嵐山の代表的風景、竹林散策、
落柿舎あたりでデジカメの出番が多くなる。
まだ、このあたりで、このような田園風景が広がっているのに驚く。
日本の原風景なのだろう。何もかも忘れてほっとする。
青い目の外人さんからも、シャッター押しを頼まれたりして、
一人旅も結構楽しい。

その後、大晦日から年明け3日まで、群馬県高崎市の山間に居た。
読書三昧を試みての一冊目は、南鶴渓の『文字に聞く』。
その本の中で目にした「横棒は人生、縦棒は歴史」からの一節。

 『時、2010年、漢字では、二千十年。
  十という文字は、横棒をX軸、縦棒をY軸と見立ててもいい。
  そうすると、人類の長い歴史の中で、今生きているあなた自身の
  座標が見えてくる。すなわち縦棒(Y軸)が人類の歴史、
  横棒(X軸)があなた自身の自分史である。
  縦棒と横棒の交点が、現在のあなた自身がいる位置ということになる。
  有史以来、今日に至る大きな流れの中で、人類はさまざまな文化を
  創造してきた。身近な衣食住はもとより、思想、哲学、芸術などの
  すべてが、過去からの積み重ねである縦棒の上に成り立っている。
  その中でも、言葉と文字は最も重要なものである。』

と、考えさせられる箇所を紹介したところで、今年もよろしく。

(K.K.)


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2009年12月22日

健康で明るい年に

今朝、届いていたメールで、
来年が明るくなることを確信したので記したい。

一つは、希望していたところに、無事就職できたという嬉しい便り。
11月の研修会で頑張っていたS君からだった。
努力が実った。おめでとう。

二つ目は、来年は、新しい会社に是非トライしてみたいと
意思を伝えてきた後輩からのメール。
「異業種だが、どうか」という、私からの投げかけへの答えだった。
チャレンジすることは、すばらしい。

三つ目は、北京からのメール。
「どうも厳冬の寒流と大雪で、ヨーロッパ諸国も
 数多くの死者がでているそうです。今年の冬は本当に異常ですね。」
「先生も、できたら毎日の朝と夜、二回に分けて
 生姜入りの紅茶をお飲みになって、体を温めて下さい。
 あと、ビタミンCの補充も忘れずに」
などと、流暢な日本語での便りだった。

彼らは三人とも、すべて元気で健康な若者たちだ。
私の 座右の銘は、
「健康はすべてでない、しかし健康がなければすべてがない」。
今日から「生姜入りの紅茶」を飲もう、風邪は引かないぞと、
メールを見ながら思った。
みなさんも、一に健康。来年も健康に過ごしましょう。
元気なら、頑張りも効くし、チャレンジもできる。

(K.K.)


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2009年12月15日

ちょっと明るい話

12月14日、東京・高輪は泉岳寺での、赤穂浪士たちの
「義士祭」が終わると、急に来年のことが気になり始める。
仲間との新年会の話も出てくる頃だ。
そして、「仲間」と言えば、誰かが書いていたくだりを思い出す。

「人生って、どうせ草野球のようなもの。
 勝っても負けてもたかが知れている。
 あとで振り返って思い出されるのは、
 スコアなどよりも、仲間みんなで遊んだ
 あの頃が良かったということになるだろう。」

来年、仲間たちで本を出すことを決めた。
2年ほど前から、色彩に関する研究をするボランティア会員仲間が、
それぞれ、色に関するエッセイを書きためており、
それをまとめて出版を出来ないか、模索していた。
しかし、出来れば、書店で売れる本にしたいと
欲を出したのがいけなかったのか、
この不況時、どこの出版社も相手にしてくれなかった。

思い余って、後輩・M君に相談したところ、
彼が編集し直すことで、受けてくれる出版社が出てきた。
しかし、彼の健康がこの2年、編集の激務に耐えられる状態ではなく、
出版の話は塩漬け状態になっていた。

それがここに来て、来年2月頃には完治するだろうと、
M君の体調も明るい方向になった。
明るい話が出てきたので、M編集長のもと、
仲間が皆でスクラムを組んで、出版事業に取り組もう、
出直そうということになった。

私の今年の、いや来年の、ちょっといい話題、明るい話である。

(K.K.)


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2009年12月08日

森繁久弥さんにセンスを学ぶ(4)

『森繁久弥は多彩である。
 だいたい古川緑波一座で鍛えられたあとは、
 満州に渡ってNHKのアナウンサーになっていたし、
 喜劇軽演劇悲劇ホームドラマ百般はすべてこなし、
 なんと50年も続いている加藤道子との
 ラジオ『日曜名作座』の朗読は日本の話芸といってよい。
 そして、歌はモリシゲ節。これはなんといっても森繁久弥の
 哀愁そのものだが、それだけでなくミュージカルも旨い。
 それから、ヨット、クルージング、「あゆみの箱」などの慈善事業、
 さらにはエッセイの達人で『森繁自伝』『こじき袋』
 『帰れよや我が家へ』ほか、著書もすこぶる多い。』
 (松岡正剛『千夜千冊』より抜粋)

森繁久弥さんの本当の職業はなんだったのだろうと、
『ウィキペディア』を引いてみると、
俳優、作曲家、作詞家、アナウンサーと4つが並んでおり、
解説記事は、なんと15ページに渡っている。
大阪に生まれ、その才能は、東京のみならず満州にまで及び、
マルチタレントとして花が咲いてゆくのである。

私が接した頃の森繁さんは、すべて引退されていたが、
その存在感は凛としていて、ひと言、一言が身にしみたことを覚えている。
食欲旺盛で、ステーキ等の肉料理を平らげ、
ホットブランデーを愛飲する元気な姿は、
晩年、「体は思うように動かないが心は現役である」という
コメントの主、そのものであった。

大正に生まれ、昭和を舞台に生き、平成で96歳の生涯を全うした
森繁久弥さんのことを、松岡正剛氏は、
「昭和史とは、森繁久弥の歴史だったのである」と書いている。
その昭和史の一端を見せていただいたことは、私の心に残る財産である。

(おわり)

(K.K.)


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2009年12月02日

森繁久弥さんにセンスを学ぶ(3)

ここで、森繁さんのこの「大正会」のルーツに触れるに当り、余談を一つ。

先日、日経新聞・夕刊の「学びのふるさと」という欄で、
タレントのルー大柴さんは、三橋達也さんから芸能界のルールを学んだ
という記事を目にした。
三橋達也さん(1923-2004年)と言えば、終戦直後に映画界入りし、
「天国と地獄」などの黒澤明監督作品や、米映画「トラ!トラ!トラ!」などに出演、
ダンディな風貌で人気だった俳優だ。
ルー大柴さんは若い頃、2年半、付き人という底辺で、
「坊や」と言われながら三橋さんに仕えたことが、人生の財産と語る。
中でも、「スタッフに気を遣え」という一言に教えられたのだという。

その三橋達也さんが中心になり、森繁さんや淡島千景さんなど、
大正生まれの人達が銀座で集まった会が、この会のルーツで、
私が入会した2005年には、三橋達也さんは、既に亡くなっている。
1913年、大正2年生まれの森繁さんは、この会の発足当時から
長老であったことは言うまでもない。

クレー射撃やヨットなど、多趣味で知られた三橋達也さんと、
若い頃には、射撃も、ヨットも趣味にしていた森繁さんとの多趣味な付き合いは、
銀座にも及んだのだろうと想像はつく。
映画やテレビの世界で活躍し続けた大正時代の友人同士で、
時には、銀座で食事するという「懇親会」。
その会の発足時の名前は「大正会」、今は「友友会」と改められている。

(つづく)

(K.K.)


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2009年11月24日

森繁久弥さんにセンスを学ぶ(2)

次に、森繁さんの「食文化考」。
一つのお膳に、懐石風に9種類もの品が出てくると、
さて、何から口にするか?
森繁さんとて、しばし考える。その様子も面白い。
映画『社長太平記』や『駅前旅館』の、あの温厚な顔で、
一通り、目で楽しんだ後に、静かに決断するのである。

近代デザインの生みの親、ドイツのワルター・グロピウスが、
日本食の色彩の組み合わせ、そのデザインやレイアウトに
いたく感動したという話のごとく、
森繁さんも、目でかなりの部分を堪能し、お酒の注文に入る。
この品には、赤ワイン、こちらの品には日本酒が合うと、
9品それぞれに敬意を払って、9種のお酒をチョイスするのには驚いた。

そして一品づつ、目や舌で味わいながら、箸を、杯を重ねるのは、
まるで映画の中の” 森繁社長“さんそのものだ。
9種類の懐石料理に四つに取り組んでいるがごとくの食べぶりには、
年齢を感じさせない迫力があった。

それが、森繁さん93歳の誕生日の前の日だったことを、
今でも印象深く覚えている。

(つづく)

(K.K.)


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2009年11月17日

森繁久弥さんにセンスを学ぶ(1)

戦後の映画、演劇を牽引、大衆芸能の分野で初の文化勲章を受賞した、
俳優の森繁久弥さんが11月10日、老衰のため亡くなった。96歳。合掌。

銀座にある大手広告代理店・社主のOさんに推挙され、入会した、
とある会の長老が、何と、森繁久弥さんだった。
大正生まれの人達で作った、伝統ある銀座のこの会も、
昭和、平成になり、「そろそろ、昭和生まれを入れないと継続できない」
と、そのような訳で入会を許された会である。

伝統ある会とは、何をする会だろうと思っていた私は、
参加した初日、ただ、おいしいものを頂き、楽しい時間を過ごすという、
すこぶる単純な会だと分かり、大いに気に入った。
それが、2004年の夏のことだった。
ビジネスも何も関係ない会で、年に2、3回、幹事持ち回りで日時を決め、
時間がある人が参加するという、単純明快な「食事会」。
それ以来、時間があるときに参加させてもらった。

3年ほど前の5月、森繁さん93歳の誕生日前日、その会が銀座であった。
当日は、懐石料理の伝統ある店。
偶然、私の横が、森繁さんのお手伝いさん、そして森繁さんの席順であり、
森繁さんの食べっぷりが、すべて覗ける席に興奮を覚え、
原稿用紙3枚は取材したい!と、不謹慎にも盗み目を続けた私は、
森繁さんのセンスに、改めて感動した。

まず、ファッション。
新鮮で若々しい、黄緑のネクタイと紫のジャケットは、すこぶるセンスがいい。
つい、お手伝いさんに「誰が選んだのですか」と聞く。
「先生ですよ。先生が全部決められるのですよ。」と聞くにおよび、
そのセンスに頭が下がった。
さすが、映画、演劇会の重鎮だと、その時、改めて思ったものだ。

(つづく)

(K.K.)


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2009年11月10日

循環社会を楽しむ

私の趣味の日曜大工も、天井まで備え付けの本箱を
完成させるところまできて、自己満足と楽しみを満喫している。

ところが、本を整理してみて、いかに読みもしない本が多いか気付いた。
ここで思い切って処分することに決め、新書や文庫本を
手に持てる分だけ選び、古本屋に、40-50冊持参した。
その買取り価格は、なんと510円。
捨てるようなものを持参したのだから、ありがたく思えという常識と、
少し安すぎたのでは…と、反省に似たものがこみ上げてくる。

その足で、大型電気店を覗く。
決算大バーゲンコーナーで、DVDマルチメディア英語教材が目に入る。
通常9,240円のものが、赤札500円。
パッケージを見ると、イディオムの例として、「carry out=実行する」と
載っている。それでは!と自ら「実行」。購入した。
全くの衝動買いだ。

こうして、古本が、DVD教材に生まれ変わっただけなのに、
なにか、落ちつかない気がする。
我が身とて、時代の鼓動を意識しながらも、やはり古本には郷愁があり、
DVDには、まだまだ馴染めないのかもしれない。

しかし、この機会にチャレンジし、循環社会を楽しむことにした。
本日、その英語教材のインストール初日。
いつまで続くか、自分でも見ものである。

(K.K.)


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2009年11月04日

中国のデザイン(7)

私の感じた生の中国、中国のデザイン・シリーズの7回目。

『中国は、「文化の大砂漠」と言われる。なぜそうなったのか。
その大きな理由の一つは、実は、中国自身の歴史にある。
中国の歴史上、王朝の交替に伴う動乱や内戦がしばしば発生し、
経済的、文化的財産の蓄積を台無しにしてしまう。
それは当然、中国における文化の全面的発達を阻害する
大きな要因となっているだろう。
特に文化というソフトウエアは、一度破壊されてしまうと、
なかなか修復できないものである。
もうひとつの原因は、中国の伝統的政治制度にある。
二千数百年間にわたる皇帝専制政治の下で、
朝廷に仕える官僚となるのは、知識人に許される唯一の生きる道である。
そのため、政治権力から独立した文化人や知識人のいる場所はないのである。』
(中国問題評論家、石平(シー・ピン)氏 『これが本当の中国 33のツボ』より抜粋)

以前のブログで、
「中国5000年の歴史に支えられた工業デザインは、いかにあるべきか」
と、学会で大上段から学説を述べる先生方のことを書いたが、
石平氏よると、中国で生まれたもので、現段階で世界中に広がっているのは、
せいぜい珍味佳肴(ちんみかこう)の中華料理くらいであるという。
さらに、昔も今も、中国という国は、決して「世界の文化大国」でも何でもないのである、
と痛烈である。

何はともあれ、隣国の歴史も「他山の石」として、21世紀のデザインはどうあるべきか、
共に考えるのが、我々の使命だろう。

(K.K.)


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2009年10月27日

自動車デザイナーの未来

2年に1度の自動車業界の祭典、東京モーターショーが開幕した。
スポットライトを浴びているのは、どこもエコ・カーだ。
各社が、ショーの目玉に据えているのは、
モーターとガソリンエンジンを併用するハイブリット車(HV)と、
電気モーターだけで走る電気自動車(EV)だ。

HVもEVも電気を主な動力源とする点は同じ。
エコ・カー競争は、クルマの「電化」を競う形で進み、
高性能の蓄電池さえあれば、いい車が作れる。
米国では、3大自動車メーカーの不振をよそに、
EVを製造するベンチャー企業が、数多く登場している。

日本の自動車デザイナーも、クルマの「電化」に特化し、
蓄電池とモーターの組み合わせで、環境に優しい居住性や安全性、
高齢者のためのエコ・カーなどをデザインして欲しい。
ベンチャー企業の参入で、造形的にも、夢のような形が望まれるだろうし、
その実現に、日本の自動車デザイナーは、応えられる力を持っている。
日本の自動車デザイナーも、再び脚光を浴びる日も近いはずだ。
頑張れ、自動車デザイナー。

(K.K.)


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2009年10月20日

読書の秋

今年は、所用で中国に行くことが多く、
日本を出たり入ったりすると、季節を忘れがちだ。
気がついたら、秋。
この土日、しっかりと本を読み、読書の秋をしばし堪能した。

といっても、新刊本を購入したわけでもなく、
専門書を手にしたわけでもない。
ただ、リサイクルの本を無料で数冊、図書館から頂いてきて、
目を通しただけである。
中には、数年前、ベストセラーになり、かなり読みこまれ、
人の匂いのするものもあった。
エコ社会を意識したわけでないが、リサイクル本の行方を考えると、
一文字一文字、一行一行がいとおしくもなった。
そして、読みながら、少しずつリッチな気分にもなった。

万年不況の出版界、その経営状況は、厳しいところばかりと聞く。
返品本ばかりを大量生産していると、厭味を言う人もいるが、
新刊書、リサイクル本、いずれの本でも、
一行一行の中に、それぞれの魅力を隠し持っている。
それを見つける楽しさを一番味わえるのは、やはり、秋かもしれない。
忘れかけていた読書の秋を、久しぶりに満喫。

忙しい日々を送る皆さんも、一日ゆっくり時間を取って、
読みたかった本を手にしてみてはいかがだろうか。

(K.K.)


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2009年10月13日

中国のデザイン(6)

私の感じた生の中国、中国のデザイン・シリーズの6回目。

遅い夏休みを北京で過ごそう、と友人から誘われ、
10月の初め、再び中国へ旅立つことにした。
週末・金曜の夜に出発し、火曜の朝帰りというのだ。

折しも中国は、10月1日に建国(共産党政権)60年を迎え、
厳戒態勢の北京市中心部で、大規模な軍事パレードを実施、
1日から8日までが国民の祝日、というゴールデンウイークであった。

パレードでは、核弾頭搭載可能な中・長距離弾道ミサイルや
新型戦闘機が登場し、飛躍的な軍事力の向上を誇示した。
物騒なことだし、時代に逆行している。
中国軍備は「危険水位」だと内外から批判されたが、
テレビでは、朝から晩まで、10年ぶりの軍事パレードの賑わいを放映し続けていた。
それはまるで、毛沢東時代に、各家庭にポスター20数億枚を配り、
宣伝した時代の名残とも、私にはとれた。

時を同じくして、ノルウェーのノーベル賞委員会は9日、2009年のノーベル平和賞を
バラク・オバマ米大統領に授与すると発表。
「核兵器なき世界」の実現に向けた構想と努力を評価し、
「世界により良い将来への希望を与えた」事などが受賞理由とか。

オバマ大統領の「政治を変える」姿勢に倣い、
中国もそろそろ、軍事パレードという、その「習慣を変える」時代であると思う。
天安門広場での各地方の山車(各省の特徴を展示・PRするもの)を見るにつけ、
各地のデザイナーの知恵と、その感性は捨てたものでないと感じる。
大衆を魅了するのには、軍事力を誇示せずとも、
それに勝る、「デザイン」という素晴らしいものがあることを、改めてここで記したい。

(K.K.)


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2009年10月06日

身近な比較文化論

以前、このブログで、「気になるデザイン」として、
シンガポールのジャイアント観覧車について書いた。
高さ165mの「シンガポール・フライヤー」は、観光立国のシンボルだ。

先週は、グラフィックデザイナー・原研哉さんの
『美意識は資源である』からの引用で、
「繊細」、「丁寧」、「緻密」、「簡潔」が日本人のプロダクト魂だと紹介した。

そして先日、商用で立ち寄った横浜で、
いまや横浜の典型的風景として欠かせないシンボルの1つ、
大観覧車「コスモクロック21」を見て、思うことがあった。

clip_image001.jpg

横浜の観覧車は、夜空を彩る日没後のイルミネーションが素晴らしい。
時計機能のほか、毎時15分毎に、直径100mの観覧車を使って、
夜空にあがる大輪の花火を連想させるイルミネーションが現れる。
春はグリーン、夏はブルー、秋はゴールド、そして冬にはピンクレッドの
照明の美しさに感動する。

原研哉さんの言葉「美意識は資源である」、その意味を、
この大観覧車を見て納得した。
横浜の美しさ、日本の美が、ここにありというふうに私には思えたのだ。
シンガポールと横浜、時には、観覧車ひとつでも「比較文化論的」に見ると
面白いものがみえてくる。
異国の旅も良し、身近な景色もまた良し、と思った。

(K.K.)


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2009年09月29日

中国のデザイン(5)

私の感じた生の中国、中国のデザイン・シリーズの5回目。

先日、中国の大手インターネット会社「百度」の日本支社長の講演で、
日本人は「職人」で、中国人は「商売人」であると、
いろいろな例をあげて話されていた。

中国人から見ると、日本人が「職人」に見えるのはなぜだろうと
思っていたところ、タイムリーにも、9月号の『図書』で、
グラフィックデザイナーの原研哉さんが、日本人について書いていた。

『掃除をする人も、工事をする人も、料理をする人も、灯りを管理する人も、
すべて丁寧に篤実に仕事をしている。
あえて言葉にするなら「繊細」、「丁寧」、「緻密」、「簡潔」。
そんな価値観が根底にある。日本とはそういう国である。』
(「美意識は資源である」より抜粋。)

「職人」堅気の日本人のプロダクト魂と、
中国五千年の歴史に見る『商売』上手が協調して、
来るべき、アジアの時代を迎えるのが期待されているのだと思う。
中国のデザイン界が、まだまだ日本にまなざしを向けているのは、
原研哉さんの言葉にある、「繊細」、「丁寧」、「緻密」、「簡潔」を
学びたいということだろうと、私は思った。

(K.K.)


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2009年09月25日

中国のデザイン(4)

私の感じた生の中国、中国のデザイン・シリーズの4回目。

中国のインターネット人口は、今年、3億4000万人に達した。
統計で見る限り、この8ヶ月で、4000万人増えたことになる。
インターネットの発達で、もはや「国境は無い」と言われる時代になった。
そして、外観デザインで見る限り、中国の街で店頭に並ぶ商品も、
日本で見かける商品も、何ら遜色は無い。

先日、内モンゴル自治区、包頭市の
「2009年全国工業設計教育研究会
(2009 Internal Conference of Industrial Design Education)」会場で見た、
各大学選抜の卒業制作特別展の内容も、
テーマを含め、日本と遜色が無いところまで来ている。

インターネットの情報伝達力は、日本と中国をも、
瞬時に「国境は無い」状態にもっていってくれたように思えるが、
よく見ると、それぞれのモノの外観デザインは同じでも、
その国の文化の差までは、短時間では埋められないことが分かる。

例えば、日本で見られるような、老人ホーム建設や福祉産業は、
中国では、まだ必要とされないという。
同じような高齢化社会に突入しても、儒教国である中国では、
親と同居し、面倒を見るのが当然という思想だからだそうだ。
そうした異文化ゆえの差は、時間をかけて、生活を見ないと分からない。

決して、インターネットで瞬時には埋められないところにこそ、
今後一層、デザイナーの力が、クリエイティブ能力が、
問われることになるだろうと思った。

(K.K.)


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2009年09月15日

中国のデザイン(3)

私の感じた生の中国、中国のデザイン・シリーズの3回目。

北京から飛行機で1時間、日本でいうと東京から札幌あたりに位置する、
内モンゴル自治区、包頭市(人口250万)で行われた、
「2009年 全国工業設計教育研究会
(2009 Internal Conference of Industrial Design Education)」
に、オブザーバーとして参加した。

中国全土、約150大学の工業デザインの先生達が、
毎年、研究発表をする学会である。
学会であるが故に、映像をまじえて1時間以上のスピーチが続く。
中には、中国五千年の歴史に支えられた工業デザインは、
いかにあるべきかとの、大上段から学説を説く先生もあり、飽きないが、
それを聞き流しながら、中国の工業デザインの過去・現在・未来を
3分間スピーチでまとめると、どうなるのだろうと考えてみた。

「多分に、工業デザインの過去・歴史は20年。
手描きスケッチなどのアナログの世界を経験することなく、
コンピュータからデザインを始めた世代、
デジタル社会の落とし子であるデザイナーが現在。
未来はといえば、中国五千年の歴史・文化を基盤に、
人口13億人のパワーが、アナログ・デジタル社会を問わず、
世界をリードする国になるだろうと想像はつく。
決して、日本は、近くて遠い国ではなく、近くて近い国である。」

(K.K.)


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2009年09月08日

中国のデザイン(2)

私の感じた生の中国、中国のデザイン・シリーズの2回目。

何処の大学へ行っても、デザインを学ぶのは、圧倒的に女性が多かった。
比率で見ると、女性が7割程度を占めているように思う。
それだけ、デザインには、女性にモテる何かがあるのだ。

例えば、ファッションデザインは、どこでも女性に人気だし、
化粧品も、彼女達は日本製品にあこがれていると聞いた。
お土産に、日本の女性雑誌を数冊持参したことがあったが、
非常に喜ばれ、回し読みしているとの礼状をもらったこともある。
あの北京オリンピックの閉会式での、背の高い、美人揃いの中国女性も、
裏には、デザイナーの演出があったのだろうと思うと、
大学生がデザインにあこがれるのも、よく分かる。

思うに、デザインは、美への関心と無関係ではなく、
「衣食足りて礼節を知る」ように、「衣食足りて知る」類に属するのだ。
今年の末には、GDPで中国がわが国を追い越すごとく、
中国の台頭は、デザインにおいても勢いづいているのは、頷ける。

この6月の全中国・大学卒業制作展を見ても、
デザイナーを目指す彼女達の活躍ぶりには、目を見張るものがあった。
学びの場である大学で、彼女達がスケッチしているのを見ても、
その目の輝きが違う。
中国の女性デザイナーが、世界に羽ばたく日を期待したい。

(K.K.)


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2009年09月01日

中国のデザイン(1)

先月は、二度も中国に行き、上海、北京、内モンゴル、包頭市などを
訪れる幸運に恵まれた。
こんなことは生まれて初めてで、少し興奮気味である。
決して、オーバーなことを書くつもりはないが、
私の感じた生の中国、そして中国のデザインを、シリーズで記したい。

まずは、言葉、中国語について。
都内の山手線などでみかける中国人は、
ことごとく声が大きくて、閉口することがある。
中国通である私の先輩も、いつも気にしているが、
中国では、北京でも、上海でも、やたら大きな声で話している。

カルチャーの違いだろうという程度の認識でいたが、
今回、日本通である中国人の友人に、その真相を確かめてみた。
結果は、大きな声でないと、彼ら同士、意味が通じないというか、
会話が成り立たない、というのである。

少し中国語を齧ったことのある人なら理解しやすいだろうが、
あの漢字一つ一つには、アクセント(声調)があり、
声を上げたり下げたり、抑揚をつけて発音するのだ。
声調は4つあり、これを「四声」といい、四声によって意味が違う。
日本語には無いから分かり辛いが、四声を使い分けないと
意味が通じないから、自然に大きな声になるらしい。

中国語には、漢字ばかりで、日本語の仮名にあたるものが無い。
だが、その漢字を眺めていると、なんとなく意味が分かったり、
納得する単語が多いのが、我々日本人には救いだ。
例えば、どこでも目にする「安全出口」の看板は、日本の「非常口」のことだ。
私など、「非常口」より、「安全出口」の方が分かりやすいとも思う。
少々、「中国語かぶれ」してきたのかもしれない。

(K.K.)


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2009年08月25日

健康第一

医師である友人から、残暑見舞いが届いた。

 『残暑お見舞い申し上げます。
  お変わりありませんか?
  昨日、国内で初めて、新型インフルエンザの死者が出ました。(8.15)
  慣れてしまって、余り大きなニュースにならなくなっていますが、
  この秋冬は要注意と思います。
  ワクチンがまだ出来ず、薬も効かない場合もありそうなので、
  とりあえずは、地道に、うがい・マスク・手洗いという事になりそうです。
  流行が近づいて来たら、これらを励行するのが一番の対策と思います。
  うっとうしいご時世ですが、しっかりと身を守りたいですね。
  以上、職業柄のアドバイスでした。では。』

彼の病院の待合室には、
「健康はすべてでない、しかし健康がなければすべてがない」
という色紙が張ってあったことを思い出した。
ありがたいアドバイス、今日から早速、実行しよう。
みなさんも、健康第一。
元気でなければ、良い仕事はできない。お気をつけて。

(K.K.)


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2009年08月18日

家族旅行とビジネス

お盆休みを利用して、海外旅行を楽しまれた方も多いだろう。
友人のK君は、そんな4日間の旅行のうち、
1日をビジネスに当てたと聞き、さすがだと感心した。
彼の場合、今春、会社を立ち上げたこともあり、
時間は、いくらあっても足りない。
マーケットを覗く市場調査が必要だと、1日は別行動したそうだ。

この時期、会社を立ち上げる、起業するとはどういうことか、
30年のサラリーマン生活から、彼は身をもって学んでいるのである。
時には、社会のあらゆるストレスが、我が身に降りかかることも、
彼は経験しているから、家族で海外旅行を楽しみながらも、
1日はビジネスに専念し、バランスをとる人生を選んだのだろうと、
私には想像がつく。

がんばれ、K君。
「10年辛抱しろ」と、脱サラ・先輩の弁を贈ろう。

(K.K.)


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2009年08月11日

ユニバーサルデザイン再考

海外旅行で、しばしば悩まされることの一つに、入国カードの記入がある。
先日も、中国へ入国するとき、入国カードを機中でしっかり書き、
入国審査に臨んだが、記入漏れを指摘され、その場で書き足して入国できた。

「飛行機の座席番号」を書く項目で、単純な私の見落としだった。
日本やシンガポールでは記入がいらないので、中国も大丈夫と思っていたのだ。
確か、この3月に行ったときは、中国も必要なかったが、
例の新型インフルエンザ騒動から、急に座席番号が必要とされ、
インフルエンザ患者が見つかれば、近くの座席の人は隔離されるという、
あの騒動に発展していったのだ。

思うに、入国カードにこそ、ユニバーサルデザインが求められる。
障害者、高齢者、健常者の区別なしに、すべての人が記入しやすいよう、
考えられるべきものだろう。

1974年、アメリカのメースによって提唱されたユニバーサルデザインの概念だが、
36年経っても、充分に実行されているとは言えない。
今こそ、今からでも、ユニバーサルデザイン再考を望みたい。

(K.K.)


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2009年08月04日

就職事情にみる国民性

上海で、私立のビジュアル系大学の副学長に会う機会があったので、
ずばり、今年の就職事情を聞いた。
インテリア、ランドスケープ、建築、アニメーション、グラフィックと
多岐にわたる専門分野の総勢500人は、就職率100%だったと、
話していただいた。

但し、デザインを学んだからデザイン分野に進むという、
普通の就職コースは、やはり難しかったらしい。
働き口があれば、先ず就職するというケースが目立ったという。
どこも、事情が同じと見た。

そこの学生の比率は、女性が4で、男性が1。
女性の方は、給料面の条件を含め、スムーズに就職してゆくが、
男性の方は、腕がなくとも給料にこだわって就職せず、
フリーで活躍したいと飛び出ていく若者が増えてきているという。

そのあたりが、わが国の男性デザイナーとの大きな違いだと思った。
不景気だからこそ、ベンチャーに身を置く。
そのしたたかな根性は、やはり中国人のDNAなのかと、
隣国・中国の就職事情を通じて、国民性も垣間見た気がした。

(K.K.)


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2009年07月28日

麗しのテーマたち

懇意にしている後輩から、「ゼミ卒制企画審査会」に
来てくれないかという誘いがあり、同僚と共に出席した。
彼の教える大学で学ぶデザイナーの卵で、
来春卒業予定の4年生、24名の卒業制作テーマを
先生、先輩、後輩など、皆でチェックし合うという、珍しい公開審査会だ。
さぞ、刺激的なテーマがあふれているだろうと、期待して出かけた。

はじめに企画書を配り、自己紹介、テーマ、コンセプト、セールスポイント、
効果予測、スケジュール等々を、各自発表する。
先生や審査員からの質問を受け、応えるという5分間。
それを見ながら、審査員は評価表にもとづき、各項目を採点していく。

この学年は、女性が8割を超えているから、どちらかというと華やかで、
夢とロマンあふれるテーマが並ぶかと思いきや、
かなり地味な、エコだとか、省資源だとか、
真面目なテーマに取り組んでいるのには驚いた。

こんなにも、やさしい、麗しいテーマが並ぶと、
おとなしいデザイナー集団になるようで、面白くない。
私などは天邪鬼だから、「ドスの利いた滅茶苦茶なアイデア」
なども出して欲しいと、つい無いものねだりをお願いしたくなった。

こうなってしまうのは何故なのだろうと、今、考えている。

(K.K.)


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2009年07月22日

日本の職人技

先日、「秋山孝ポスター美術館長岡」のオープンを祝ったあと、
長岡市に泊まり、翌日の日曜は、直江津に向かった。
町村合併で今は上越市。
NHKの大河ドラマに沸いている街と思いきや、
不況のせいか、観光客も少なく、静かな街で驚いた。

かねてから、上越市の轆轤(ろくろ)職人・K氏の工房を
見せてほしいと思っていたが、なかなか機会がなく、
今回は、長岡市まで来たのだからと、思い切って足を伸ばした。

彼は、駅まで迎えに来てくれた。
作品を見せてもらい、工房では、欅でお椀を挽いてもらった。
歴代、木曽(長野)の職人の末裔だけあり、
30年を超える年季の入った職人芸は、やはりすばらしい。
神業のようにお椀が出来てくるのだ。
早速、記念に彼の写真も撮らせて貰った。

彼と話しながら、「民芸運動」を起こした、柳宗悦を思い出した。
彼は、日本各地や朝鮮半島を旅し、
『雑器の美の発見は、日本人の独自な文化的業績であった。
その美感覚がどのようにして育まれてきたかを探ることは、
そのまま日本文化の核心に触れることである得るほど、
それは、注目に値する創造である』
と民芸の美を説く。

K氏の職人技には、プロダクトデザインには無い、
「美と健やかさ」があり、手仕事の持つ魅力があった。
柳宗悦の目に学ぶものが、まだまだ日本にはあるのだ。
旅も良いものだ。

(K.K.)


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2009年07月14日

デザイナーの偉業

グラフィックデザイナー・秋山 孝は、本当に美術館を作り、
自身の作品を並べ、オープンした。
今月11日(土)、多くのファンの協力を得て、
彼の郷里・新潟県長岡市でオープンにこぎつけた。
私もお祝いに馳せ参じた。
実に、凄い偉業を成し遂げたものだ。
その日のことを、新潟日報は、下記のように報じている。

長岡市出身のグラフィックデザイナーで
多摩美術大学教授の秋山孝さん(57)が造った
「秋山孝ポスター美術館長岡」が12日、
同市宮内2にオープンする。秋山さんは「地域の
文化交流の拠点になれば」と話している。
秋山さん制作のポスターは国際展で入賞するなど
世界的に評価されており、同館では秋山さんの
代表作を常設しながら地元の学生の作品展示や
講演会なども開いていく。
(中略)11日には記念式典と内覧会があり、
秋山さんは「多くの人たちの協力のおかげで
この美術館ができてうれしい」と話した。
10月9日までは入館無料。火曜休館。

(新潟日報 2009年7月12日付)


(K.K.)


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2009年07月07日

七夕と人間ドック

先日、恒例になった年一回の人間ドック入りした。
待合室で、今年も、
「健康はすべてでない、しかし健康がなければすべてがない」
という色紙にお目にかかった。

いつも言われることだが、健康維持の3原則は、
「運動」「栄養」「休養」、この3つがうまく組み合わされて、
バランスよく健康が維持できる。

私の場合、この数年、毎日一万歩以上歩くことを
自分に義務付けているおかげで、
今年も、ドクターに褒められる結果になり、このところ鼻が高い。

ただ、毎日歩いているだけだが、一週間分記録できる歩数計で
管理しているので、かなり真面目に続けている。
そのことが、一番の健康の秘訣だと、ドクターの健診の弁。
褒められるなら、来年もこの病院に、このドクターにお願いしよう、
七夕近くが覚えやすくて良いから、この時期に来よう、と思った。

健康なるがゆえに、毎年の健診をサボっているうちに病気になり、
入院した若い頃の自分の失敗が、やっと今、ここで解消されたようで、
今日も歩こうと、単純に考えている。

デザインも、「simple is the best」。
健康の秘訣も、歩くことが、「simple is the best」だと、私は信じている。

(K.K.)


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2009年07月01日

一人のデザイナーとして

GM(ゼネラル・モーターズ)の二の舞になるまいと、
喝を入れ始めた企業が多いと聞く。
デザイン部門も然り。
では、今、そのGMのデザイナーの再就職は
どうなっているのだろうという話になった。

友人が、米国の若いデザイナーに聞いてみたところ、
意外なことに、「彼等は悠々としている」そうだ。
なぜなら、GMのデザイナーは、エリート中のエリートで、
世界の自動車メーカーから、常に引っ張りだこなのだ。
恐れ入った。

彼等は、GMという会社に属してはいるが、
その腕は超一流と言われ、どこでも勤まるという、
失業がない世界にいるデザイナーなのだ。
まだまだ、デザイナーの世界も、腕さえあれば、
夢が持てる世界なのだということを、改めて知った。

今からでも遅くない、デザイナーよ、腕を磨こう。
会社人間になる前に。
一人のデザイナーとして立てるように。

(K.K.)


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2009年06月23日

続・上海万博の足音──開幕まで300日 

変貌を続ける上海で、インテリアデザイナーとして
活躍している友人と、先週、東京で杯を交わした。

上海万博は、昨年の北京オリンピックに続いて、
中国を先進国に成長させる国家プロジェクト。
来年5月から、半年という長期にわたる万博の重点は、
経済活性化にある。

金融危機に伴う世界的な景気悪化の中での開催。
準備の進み具合はどうかと聞いてみると、
もう、内装の仕上げに入っているパビリオンもあるが、
建物の基礎も始まっていないところもあるらしいと、彼は言う。

毎日、徹夜作業が続いているというから、
開幕までには大丈夫、と市民は楽観しているし、
万博会場建設地など、上海市内を一望できる慮浦大橋などは、
人気の観光スポットで、毎日観光客で賑わっているという。

中国は共産国。
今のところ、万博に関する悪いニュースは、何一つ報道されないから、
皆、安心しているそうだ。
日本のように、インフルエンザを毎日トップニュースで報道する国は、
そんな彼らからすれば、異常に見えるのだろう。

もちろん、明るいニュースが沢山ある国のほうが良いとは思うが。

(K.K.)


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2009年06月16日

上海万博の足音──開幕まで300日 

日経新聞の夕刊に、昨日から上海万博の連載が始まった。

「万博で一番見たいのは米国館」
――こんなアンケート結果が、上海の新聞に載ったそうだ。
見てみたい海外のパビリオンは、米国館が51%で1位。
2位はフランス、3位は英国、日本も4位に食い込んだ。
日本は、愛知万博の実績もあり、
見たいと思っている人が多いのかもしれない。
しかし、出展を決めてもいない米国館が、
皮肉にも、最も人気を集めたという結果だった。

破産法の適用を申請したゼネラル・モーターズ(GM)が、
上海万博の最も高い位置づけの協賛企業。
巨額の協賛金がどうなるのかが心配の種、と報じている。

来年5月1日に開幕する上海万博まで、300日余り。
中国の明日が見えるといわれる経済都市・上海。
その、変貌を続ける上海で、インテリアデザイナーとして
活躍している友人と、今週、東京で会う。
彼に、この新聞記事の裏を聞いてみたいと思っている。

(K.K.)


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2009年06月09日

嬉しい電話

もう、4~5年前になるだろうか。
ニューヨーク帰りの若いデザイナーA君を、
製造から流通、商社的機能までを持った中小企業・B社に、
ご紹介したことがあった。
しかし、しばらくして、彼は健康上の理由で退社したと聞いていた。

先日、B社の社長とお会いしたとき、帰り際にA君の話が出ると、
明日、彼に会いに行くのだと、社長がニコニコ顔で言うので驚いた。
会社を辞めても交流があるらしく、ビジネスでも繋がっているという。
その場で、彼は携帯でA君を呼び出し、
「仲人」である弊社にいると告げ、電話を手渡されて面食らった。

しかし、元気で活躍しているA君の懐かしい声を久々に聞き、感無量。
私は大した話もできなかったが、元気だということだけは分かった。
嬉しい電話だった。

健康面も含め、予想し得ない幸、不幸が重なる、それも転職。
A君のように、そんな予期しない、不本意な状況になっても、
B社の社長と、仲良く「大人のお付き合い」ができる、
その技量は、大したものだと感心した。

特に、デザイナーの世界は狭い。
狭い世界を広く生きるのも、知恵と礼節次第。
ある意味、良い転職の例と思ってご紹介した。

(K.K.)


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2009年06月02日

日本の製造業の未来

友人の紹介で、「街の発明家」で、金型屋さんのT氏と
夕食を共にした。
名刺を忘れたという氏は、最近売り出したという新製品、
「爪を切らずに、削って処理する」という爪削りを
名刺代わりに差し出した。
そこには、自宅住所も、工場名も書かれていた。
社名は、「T金型サービス」、東京は板橋区の社長さんである。

氏は、デジタル社会を見つめながらも、
長年積み重ねてきたアナログ型部品産業に徹し、
新製品をコツコツ世に出している。
以前に出した「本の栞」も好調な売れ行きだという。
何よりも、それを楽しんでいるようで、
日本の製造業の明るい一端を見た思いがした。

10年後、20年後、日本はどんな方向に向かっているのか、
その素朴な問いには、彼の生き方に、一つの答えがあるように思った。
多くの製造業は、中国企業がリーダーになり、
日本国内には、アナログ型部品産業しか残らないという読みは、
彼を見ていると、当てはまるかもしれないと思う。
さらに、このことをじっくり考えてみたいと思った。

(K.K.)


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2009年05月26日

ミラノ・デザインの真髄

『私は昨晩、「真夏のミラノ」に帰りました。
本日の予想最高気温は32度です。
でも、空気はさわやかで、良い季節です。
ちなみに、こちらでは、「豚」の話題は
すっかり消え去っていました…』

先日、日本でお会いした、イタリアはミラノ在住の
デザイナー、S女子からの便りである。
インフルエンザを「豚」と書いてくるあたり、
ウィットを身につけた彼女らしいと思った。

ミラノでは、何がきついかとの私の問いに、
「仕事を見つけること」だと、彼女は言う。

そうだ、フリーランスのデザイナーは、
「営業」がないと仕事にありつけないのだ。
当たり前のことに、改めて気がついた。

日本のように、デザイナーの9割(?)が
インハウスという国では、自分が営業しなくとも、
会社から仕事が「与えられる」。
そこが、大きく違っている。

彼女は、毎日、アポの電話を入れ、作品を持ち込み、
デザインを売り歩くことがきついという。
しかし、その競争こそが、イタリアの、そしてミラノの
デザイナーのレベルを上げているのだ。
毎年行われる、「ミラノサローネ」の真髄に触れたように思った。

日本からも、若者が腕試しに参加することは、
大変有意義なことだと思った。

(K.K.)


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2009年05月19日

還暦のデザイナー

お笑い番組を見ながら、デザイン画を描いているという
川崎和男をテレビで見た。
ご存知、TV東京の『カンブリア宮殿』という番組だ。
「その男がデザインすると、なぜ売れるのか、
ケンカ屋デザイナーの面白発想術」という副題で、
村上龍との対談も面白かった。

川崎和男も還暦を迎えたというから、
デザイン界も、高齢化が進んでいるが、
ケンカ屋デザイナーとして、今でも彼は、
大阪で大活躍しているという朗報は嬉しかった。
インフルエンザに揺れる関西からの、一服の清涼剤、
明るい便りとして受け取った人も多かったのではないか。

有名なメガネやテレビ、人工心臓までデザインをし続ける彼には、
「還暦」という言葉は、あまり似合わないが、
確実に、人は、老いる。川崎和男も、また然りである。

老いてなお、エンジニアや、マーケティングの専門家と
議論を戦わすには、並大抵の知識では間に合わない。
彼は、勉強を続けながら、「ケンカ屋デザイナー」の異名に
恥じないように生きているのである。
そうしたところを、見習いたい。

(K.K.)


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2009年05月12日

大道芸人のプロ根性

開港150周年イベントで、横浜が賑わっている。
「母の日」の日曜日、港の見える丘公園で、
散歩の途中、大道芸人の芸を見た。

はじめは、子供達に風船を作ってプレゼンしながら、
観客を呼び込んでいたが、
その口上が、実にうまい日本語なのだ。
英国人の彼は、英会話講師をしていたが、
不幸にして会社が倒産、大道芸人に転じたそうだ。

風船遊びを子供達に教えながら、親や大人達をも
巧みな日本語で呼び込んでいる。
流行のインフルエンザや、「駅前留学」英会話の倒産、
横浜開港150周年と、次から次と話が続く。
元・語学講師だけあって、語彙が豊かだ。

60~70人集まったところで、本番の芸に入る。
高さ3メートル程の一輪車乗りだ。
巧みな口上の後は、ハラハラさせながらも
しっかりと芸を披露し、拍手を求める。

そのうち、御代は紙幣のみ、コインはいらない、
銅貨も、シルバーもいらないよと、宣言。
終わったところで、皆、千円札を本人に手渡すことに…。
その数、40~50人を数えるぐらいだから、大盛況。
大道芸人のプロ根性を見た。
「入場料10ドル」の芸として、大道で演じているわけだ。

そこで、教訓。
デザイン界も、デザイン料を値下げる前に、
プロのデザイナーとして、一線を守り抜くことも必要。
これも、他山の石としたいと思った。

(K.K.)


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2009年04月28日

地方新聞の未来

この日曜日に、わが小さな街の市議会議員の選挙があった。
ベニヤ板に、候補者のカラー写真がベタベタ貼り付けられた
「異様な看板」の中から候補者を選ぶという、あの原始的な選挙である。
自治体のデザイン感覚、全く無しと、今回も思った。

即日開票結果を見ようとテレビをつけても、報道していない。
一夜明けても、テレビでは、名古屋市長選挙の結果のみで、
マスコミは、小さな街の選挙結果など報じない。
朝刊は取っていないから、インターネットで検索して結果を知った。

もう少し知りたいと思い、通勤駅の売店で地方新聞名を告げた。
ところが、売り切れというのである。
売り子さん曰く、200部仕入れたが、朝一番に180部買い占めた客があり、
残り20部は、先程売り切れたというのである。

1人で180部読むわけでないから、恐らく、選挙結果を知らせる印刷物として、
PR用に新聞を購入していったのだろう。
一部100円だから、合計で18,000円。
売店で、領収書を出したかまでは聞かなかったが、
地方新聞の役割を考えさせられた。

こんな目的だけに使われるとしたら、新聞の未来は無い。

(K.K.)


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2009年04月21日

絵本作家誕生


40年来の旧友から電話があった。
初めて制作した絵本が、印刷会社から届いたから見て欲しいという。

彼とは長い付き合いだから、彼の幸も不幸も見てきた。
メーカーの宣伝部で、グラフィックデザイナーとして、溌剌と働いていた彼は、
10年前、不幸にして、奥様が突然の医療事故により、
予想だにせぬ四肢麻痺となり、会社を早期退職し、奥さんの看病に専念。
その奥様のリハビリの一環として育まれたこの絵本が、
このたび完成した、という訳である。

奥様も、美術系の短大を出て、彫金やイラストなどを趣味にしていただけに、
手に取って見て、そのすばらしい出来に感激した。
リハビリは、不自由な手で絵を描く、一本の指でパソコンを打つ、という毎日。
その大変な労力が、この一冊になったのだ。

継続は力なり。
次は二冊目へ向け、どんどん出版することを勧めた。
奥様や家族の生きがいがひとつ増えたことに、私はいたく感動した。
プロの出版社がついてくれればと、私は願うのみである。

(K.K.)


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2009年04月14日

変化はチャンス

春は人事異動の季節。
中国・上海に、来月赴任するというA君が、先日、挨拶に来た。
そして昨日は、3年の海外駐在を終えて帰国した、B君と会った。
いずれも30代である。

彼らは、会社の人事異動で、初めての海外赴任だっただけに、
知らされた当初は面食らったようだが、
B君の場合、3年赴任してみると、結構楽しいこともあったという。
カルチャーショックもあったようだが、一回り人間が大きくなって帰国した。
彼を見ていると、「若いときの苦労・経験は買ってでもしろ」
という格言は、今も生きているように思った。

私の先輩でもある、著名な大学の先生は、
「30代であれば、中国か米国に青春を掛け、デザイナーとして生きてみる、
 その夢が、今でも頭にこびりついている」と話しておられた。

何はともあれ、春の人事異動も、海外赴任も、変化はチャンスと捉え、
若さを武器に大きく羽ばたく、そしてエンジョイする、
そんなデザイナー像を、私は求めたい。

(K.K.)


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2009年04月07日

バランスという課題

中国のデザイン系大学は、約450校あり、毎年の卒業者数は約10万人。
そのほとんどが、国公立の総合大学だ。
デザイン専攻は、総合大学のなかの芸術学部、美術学部、理工学部、
教育学部、工学部などに属している。

なお、美術の単科大学は少なく、10校に満たない。
また、中国の短大、専門学校のほとんどが私立で、
そのデータが得られなかったが、何千人かは卒業していると
中国の大学事情に詳しいS氏より教わった。

一方、日本のデザイン系大学・専門学校は、約110校あり、
毎年の卒業者数は、1万人を超えている。

日中を単純に比較してみると、中国の大学数は日本の4倍、
卒業生は、10倍も出ていることになる。
人口13億人の中国であるから、毎年の卒業者数が
10万人でも不思議ではない。
しかし、プロダクトデザイン系で見る限り、主な就職先はメーカーだが、
そのメーカーが、卒業生に見合った数だけあるかというと、今はない。
10万人卒業しても、その1~2割しか、デザインの職に就けない
というのが実情のようだ。

医者と患者の数が、バランスがとれていないと、問題を起こすように、
メーカーとデザイナーの数は、バランスが取れていないと
「失業」ということになる。

日中両国とも、そうしたバランスを考えるのは、
今後の国家行政の大きな課題でもあろう。

(K.K.)


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2009年03月30日

気になる中国・上海

先週行った、上海市内の街角風景。
来春開幕の「上海万博」は、不景気風を吹き飛ばせるか。

上海の人口は、1,850万人で、北京より300万人多いのだが、
さらに、重慶という3,000万人を越える巨大都市もある中国。

上海市内では、一日三交代で、昼も、夜も、雨の日も、風の日も、
ブルドーザーが動いている。
改めて、すさまじい国であると思った。

公共事業が特に優先される共産国であり、
「最も進んだ資本主義の国」という人もいる。
隣国・中国は、これからも目が離せない国である。

(K.K.)


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2009年03月24日

プロの販売員を見た

先日、所要で田舎に帰る際、特急電車の中で、
すばらしい女性車内販売員を見た。
中年の方とお見受けしたが、売り子さんとしてのパワーが
際立っていたのには驚いた。

まず、声が通るので、販売のワゴンが来たことが
はっきり、すぐに分かる。
車窓の風景にも、そろそろ見飽きている身には、
ちょっと覗いてみたくなるのだ。
「何でもあります」とばかりに、山積みにされたワゴンに惹きつけられ、
コーヒーでも飲むかと、衝動買いすることになり、
ついでにお土産を一つというふうに売れてゆく。

ここまでは、若い売り子さんでも真似は出来そうだが、
彼女は、その後がすばらしかった。
次の停車駅で、弁当や生菓子を積み込むから、
「旬の味」も、また売りに来るよと、「予告」してゆくのだ。
そして、言った通り、またたくさん積んで現れるのである。
そして、お客さんも、暇をもてあましているから、またお土産を買う……。

不況という風は、この車内販売員さんには無いというふうに見えた。
彼女は、日頃から乗客をよく観察し、話法も心得ており、
セールスの原点を、すべて持ち合わせているのだろうと感心した。

このご時世でも、不況を乗り越える手法や手段は、
まだまだ沢山あると、彼女を見ていて思った。

(K.K.)


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2009年03月17日

花粉症とデザイナー

春の一大イベントといえば、お花見。
すでに、お花見の計画を立て始めている人も多いのではないか。

しかし、この季節、花粉対策でマスクをしている多くの人を見ると、
マスクしてお花見という、どうも絵にならない光景を思い、
なんとなく気分も晴れない。
国を含めて、抜本的に花粉症対策をしている節が
見当たらないのが残念だ。

幸い、私自身は、花粉症に悩まされたことが無いので
本当の苦しみは分からないが、電車のボックス席に座ったとき、
3人がマスク姿だったりすると、マスク無しのわが身が、
何か後ろめたい気さえするから不思議だ。

杉の木が、一番花粉を飛ばすということであれば、切り倒し、
それに替わる木を植えればいいのではないか。
昨今のバイオ技術は、かなり進んでいると聞くし、
花粉を飛ばさない杉も、もっと普及できないものか。
どうもこの時期になると、花粉症対策のお粗末さが気になる。

以前にも、もう少しマシなマスクのデザインが出来ないかと、
ブログを通じてデザイナーに呼びかけたことがあるが、
今もって、良いデザインにお目にかかれない。
抜本的な花粉症対策が出来ないのなら、
せめて、ファッション全体を考えたマスクのデザインが望まれる。

マスク姿の人の多さに、電車の中で
ここは病院か?という錯覚を持つ環境は、正常ではない。

(K.K.)


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2009年03月10日

デザインと哲学

快晴の土曜日、地域振興に燃えているベテランデザイナー・F氏と
もう一人の友人とで、知る人ぞ知る、一世を風靡した西田哲学の
西田幾多郎博士の終の棲家を訪ねた。

江ノ電の稲村ヶ崎駅下車、徒歩5~6分のところで、
1945年まで12年間住んでいたそうだ。
今は、学習院大学が管理し、2ヶ月毎ぐらいに行われる、
「西田哲学の研究会」には、室内が見られることがあるほかは、
普段は、外からしか見られない。

軽く記念写真を撮り、博士の散歩コースを辿って七里ガ浜に出て、
江ノ島や富士山が見えるところに建立されている記念碑を見る。
あいにく、富士山が見えず残念な思いをしたが、
大勢のサーファーで、海は賑わっていた。
汗ばむ陽気に気をよくして、一駅ぐらいだから歩こうと、極楽寺へ。
続いて、アジサイで有名な成就院へと足を進める。

かつては、この道も「哲学者の散歩道」だったのだろう。
博士は、何を考えて歩いていたのだろうと
想像するだけでも楽しいと、F氏は言う。
さらに、今の若いデザイナーに欠けているのが
哲学(考えること)だと、彼は付け加える。

ベテランデザイナー・F氏の世相を見る目は鋭い。
デザインと哲学、そのひと言が気になった、土曜の散歩道だった。

(K.K.)


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2009年03月03日

宝塚の魅力

不景気風を吹き飛ばすような、宝塚のディナーショーを見た。
きらきら輝く派手な装いのR嬢は、きらめく舞台で、
まるで天使のような顔で、歌い、踊っていた。
その名も「GLITTER」というショーだった。

若い女性ファンであふれる観客席から見る彼女は、
堂々として「宝塚の大スター」そのものになっていた。
涙が出かかった。嬉しい涙であった。
思えば、彼女との出会いは15年以上前のこと、
名古屋の友人のお嬢さんとして、わが家に遊びに来ていたし、
泊まっていったこともあった。
その彼女が、目の前ですばらしい歌と踊りを見せてくれるのは、
私にとっては、やはり夢のようで、ついつい涙腺が緩む。

後半、彼女が作詞した歌と踊りを、見聞きしながら、
人には、こんなすばらしい「一期一会」があることに感慨を覚えた。
若い女性ファンも、不景気風を吹き飛ばすような宝塚のショーを見て、
活気ある明日を迎えるのだろうと、改めて「宝塚の魅力」を知った。

(K.K.)


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2009年02月24日

北京のデザイン教育事情

36歳の北京のビジネスマンと、日本のデザイン関係者との
ミーティングに参加する機会があった。
彼が、一番興味を示したのは、日本の先端デジタルデザイン事情だ。
それを中国に紹介したいとのことで、すでに北京で、
そうした特殊な専門学校を設立し、人材育成のために動いているという。

主だった北京の会社から、多くの求人があるそうだ。
世界的な経済危機の中でも、中国は驚異的な発展国なのだ。
インターネットユーザーは、2億5,000万人、
携帯利用者は、5億4,000万人。
「日本のような国が13個あると思えばいい」と友人が教えてくれた。
そう言われても、簡単には理解できないが、
現実に上記の数字を見ただけでも、凄い国であることは確かだ。

上記の北京の彼は言う。
大学を出ても、実務経験がないと、企業では勤まらない。
この専門学校では、高度な技術をマスターし、実務経験も積めるようにし、
即、企業で役立つ人材を養成するという。
日本からも、優秀な実務経験者を、先生として迎えたいと
彼は抱負を語ってくれた。

日本のバリバリの35歳のプロダクトデザイナーと会った時など、
彼は、「同世代でがんばろう」と握手し、目が輝いていたのは印象的だった。

(K.K.)


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2009年02月17日

「先用後利」

昨日の夕刊トップ記事は、
『GDPマイナス12.7%』 『輸出落ち込み最悪』 『輸出頼み反動深刻』…etc.
こんな記事を見るたびに、ふと私の心に浮かぶ「商法」がある。
300年の歴史を持つ、『富山の薬売り』である。

少し長くなるが、以下に、その簡単な歴史を参照してみた。

『薬売りは元々は現金商いであった。

当時では、現代のように交通網が管理されておらず、
当然見知らぬ遠国では、代金の回収困難だからであるのだが、
当時の庶民にとっては、いつ、どのような薬を使う事になるか
分からない状態で、数多くある種類の薬を買い、
常備しておくことは、経済的に不可能に近かった。

…が、しかし、幾度と通う事により、薬売りと顧客の間に
信頼関係が生まれていくのだった。
そこで、売薬りは思ったのである。

「1回だけの取引ではなく、幾度と訪問するのだ。
 とりあえずいくつかの薬を渡して、次に来たときに
 代金を受け取っても遅くはない」

これが「先用後利」の元になるのである。
この考えは、継続的な取引をする薬売りにとっては、
非常に理想的商法であり、薬売りには
永続的な商いを保証することになる。
(中略)
先用後利という制度は、売薬りと顧客との長い付き合いと
信用があって初めてできる事。
(中略)
販売網は不動のものとなり、
その後も取引が絶えることはなかったのである。
「後利」とは、その時だけでなく、
未来における利益も意味していたのかもしれない。
今なお、この商法は続いている。』

(Webサイト「富山の薬の歴史」より抜粋)


デザインに置き換えて考えるなら、
デザイナーとユーザーの長い付き合いと信用を作ること。
それは、先行投資、先行デザインをどれだけ溜め込めるかということになる。
マイナス面の解説は、評論家に任せておき、
デザイナーは常に一歩、いや半歩でも先を歩きたい。

先行デザインに取り組むこと、そこ気概こそが、本当のデザイナーだろう。
不況風を吹き飛ばすのも、デザイナーだ。

(K.K.)


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2009年02月10日

ボルボの広報マンに学ぶ

先日、川崎市が開催している「デザインフォーラム」で、
『スウェーデンの社会とボルボのデザイン』と題した、
ボルボ・カーズ・ジャパンの広報、赤堀淳氏の講演を聴いた。

まず始めに、氏は、
1)スウェーデン四方山話
 (スウェーデンの人口、有名人、食べ物など)
2)ボルボについて
 (ボルボの始まり、安全性、三点式シートベルトの発明など)
3)ボルボとモダン
 (スカンジナビア・デザインなど)
について、起承転結よろしく、映像を使いながら、
誰にでも分かるようにプレゼンされていたのには感心した。

「スウェーデン」という国について、
その人口さえも、意外と知らないであろう聴衆を意識してのプレゼンは、
いろいろなデザインセミナーの中でも、秀逸の出来であった。

「デザイン」と題してはいるが、デザインに偏ることなく、
ボルボ・ジャパンを代表し、PRに徹した広報マンとしての
ストーリー展開だったからだろうが、何といっても、
「デザインをわかりやすく語り、デザインファンを作る」
という姿勢を、彼に学びたいと思った。

(K.K.)


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2009年02月03日

3年後を考えていますか

上海で働くK君と久しぶりに会った。
彼の中国でのビジネス生活も12年になるというから、
話すこと、ひと言、ひと言、非常に重みがある。

印象深かった話の一つは、中国人は、「3年後、5年後、
君は何をしている?」と真剣に聞いてくるし、
彼らは、その答えを用意しているというのである。
まさに、米国人とそっくりだと、彼は言う。

さらに、彼らは、会社人間ではなく、職業人間を目指しているから、
キャリアアップすることのみ頭にあり、給料アップさえあれば、
何処へでも行くというのである。
農耕民族でなく、狩猟民族だとも言い切る。
それが、隣国・中国の素顔であり、現実だと付け加えた。

さて、我々日本人は、どこまで未来を考えているか?
2年間で短大を卒業して就職するのか、さらに4年まで大学に進むのか、
大学院まで行くのか、そういったことも決められない学生が多いと、
大学の講師をしている友人が嘆くのも、一理あると思った。
不景気だとか、リストラ、派遣切りなどの環境に振り回されること無く、
「わが道をゆく」スタイルを、どうして取れないのか。

失敗したら、いつでもやり直せる若さは、大きな財産だ。
その若さをフルに活かす人生を選ぶのも、君たちの特権だと、
友人の話を聞きながら思った。

(K.K.)


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2009年01月27日

歴史の証人・200万人

バラク・オバマ米大統領の就任式をひと目見ようと、
首都・ワシントンには、20日、過去最多の人出だった1965年の
リンドン・ジョンソン大統領の就任式の120万を大幅に上回る
200万人の人々が集まった、との報道を見ながら、
アメリカから始まったとされる、不況の嵐は何処に吹いているのかと、
単純に疑問を持った人もいるだろう。

不況の嵐が吹いているが故に、その解決策を
オバマ新大統領に期待するということなのだろう。

一方、このアメリカの熱狂を、日本でも起こせるかと
自問自答すると、全く怪しくなる。
日本人は、政治に何も期待していないし、
政治に対して国民が熱くなり得る要素すら持っていないとしたら、
わが国には、政治家などいらないとも思うが、言い過ぎか。

久しぶりに、様々なことを考えさせられた、米大統領の就任式だった。
わが国でも、この辺で原点に戻って、政治とは何か、
政治の仕組みはどうすれば良いのか、
「新地に家を建てるごとく」考え直すいい機会だということを、
賢明な国民は知っているのだ。

わが国を信じたい。

(K.K.)


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2009年01月20日

福田先生に元気をもらった

1984年4月のこと。
そのイベントカー(宣伝カー)の案は、
ピンクと黒のツートーンカラーの奇抜なモデル。
一つのボタン操作で、バスのボディ両側が開き、幅6メートルに広がる、
アクリルの透明屋根が伸び、ステージに変身する…などの特長を、
私が説明し終えるか終えないうちに、
突然、福田先生は手を大きく開き、拍手された。

「よく面白いものを作った。良く出来ている。ウーン」と
賞賛の言葉を続けるのには驚いた。
周りには、諸先生方も同席されているが、その中での先生の拍手は、
なにものにも勝る、強く、嬉しい、私の「自身」をさらに倍化させてくれた。

「ピンクと黒のツートーンカラーで、全国を走ったらいい。
 このモデルの色でいいよ。」

諸先生方も、全員一致。
こうしてイベントカーのきれいなピンクが決定した―――。


先生もきっと、自信作が生まれた時は、大きく手をたたき喜ばれたのだろう。
そして、芸術家としての生きざまに正直でおられる先生の偉大さを教わり、
元気をもらったことを、昨日のことのように思い出した。

「日本のエッシャー」ともいわれた、グラフィックデザイナーの草分け、
福田繁雄氏が、今月11日死去、76歳。
合掌。

(※上記のイベントカーは、現在、石川県の自動車博物館に展示保存)。

(K.K.)


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2009年01月15日

お役所仕事

「若者就職支援センター」「就職応援塾」「外国人労働相談のご案内」など、
10種類ほどのパンフレットが山積みになったコーナーが、
図書館にお見えしたのには驚いた。
本を求めて来たついでに、「ちょっと就職でも考えてみるか」という
軽いノリでパンフレットを手にしてもらうつもりなのか?

その真意は理解できないが、役所関係者揃って、
この年末年始の「派遣村」問題にも、しっかりと取り組んでいるとの
「リップサービス」が、図書館にも及んできているように、私には思えた。

マスコミには、「仕事なき 仕事始め」と書かれ、
ハローワークは朝から混雑となると、
その波を図書館にまで反映させるとは、日本は何と親切な国かと、
皮肉にも思いたくなった。
しかし、図書館では、パンフレットのコーナーがあるだけで、
関係者が居るわけでもなく、誰も見向きもしないし、
パンフレットを持ってゆく人も皆無だ。

ここにも「お役所仕事」が見え見えで、やはり頂けない。
「やることはやっておきました」といった、こんな口先だけのことで
解決できない問題であることが、分かっていないのだろうかと、
私には疑問に思えた。

(K.K.)


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2009年01月06日

デザイン職の特権

厳しさの中で明けた新年だが、デザイン職を目指す人には
さほど気にならないのではないかと、今日も明るいことを考えてみる。

お正月、一日も休まない宅急便業界は、さほど不況ではないとも聞いた。
お歳暮も、メール便も、好調だというのだ。
考えてみれば、クリスマスプレゼントも、お歳暮もあり、
いわゆる「お取り寄せグルメ」も盛況らしい。
何も、マスコミが騒ぐほどではない。

ということは、戦争でもないかぎり、「デザイン職」を目指す人には、
それなりの仕事があるということになる。
その場合、大切なのは、「デザイン軸」をしっかり持って、
その軸がぶれないようにしながら、アイデアを出し、
製品化、商品化することに尽きるように思う。

ハイテクのみがデザインを必要としているのでない。
ローテクの世界でも、しっかりしたデザインが求められていると考えると、
デザインの裾野は無限だ。

そう考えると、今日も明るい気持ちになれるし、
これも、デザイン職の特権だと思う。

違うだろうか。

(K.K.)


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2008年12月24日

ローマの75分間

師走に入ってから、駆け足でヨーロッパ観光をしてきた。

ローマでは、「75分」という数字に出会い、
中途半端な数字だが、面白いと思った。
1ユーロ(約130円)で、75分間、地下鉄乗り放題、
または、地下鉄とバスを乗り継いでも、
75分間なら有効という制度を導入しているのだ。

地下鉄は、東西と南北で、2本あるだけだから分かりやすい。
郊外の安いホテルから、バスで地下鉄駅まで行き、
地下鉄で、コロッセオやスペイン広場に行けるから便利だ。

但し、75分だけである。
キリの良い60分や、90分にしないで、75分に拘っているのも、
ローマらしいように思った。
映画『ローマの休日』の舞台ともなった、繁華街の中心、スペイン広場も、
まだ、「ローマ」と名が付いていないが、
何処からでも75分で行けるのだ。

世界最大級の文化財を有しているヴァチカン博物館など、
見学コースは全長7kmにも及ぶから、歩数計は、1日2万歩を超す。
ここでも、「ローマは一日にして成らず」「すべての道はローマに通ず」
ということわざを思い出しつつ、「75分間有効」という時間を気にしながら観光し、
改めて、絵になる都市だと思った。

(K.K.)


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2008年12月16日

元気印

師走に入って、世界的な不況の中、暗い話が多い日本。
まわりの老友達も嘆き節。
せめて一人ぐらい、散歩しながら明るく振舞っておりますと、
画家のDさんから、「元気印」の絵手紙を頂いた。

また、「社団法人真向法体操」の忘年会で、
体操を通じて「ストレス解消!健康的な毎日を送っている」
という会員のお話を聞く機会があった。

いずれも、日課の散歩や体操で汗を流し、
ストレス解消して、「元気印」を手にしている。
彼らは、「病は気から」という言葉があるように、
適度な運動を続けながら、気持ちでも病から遠ざかっているし、
生活の知恵を含め、実行しているのである。

そんな彼らに学びたいと思った。
中には、台所に立って煮物が出来るまでの7分間、フラダンスのように
腰を振って体操するのが日課という女性会員もおり、
継続の秘訣も教わった。

「継続は力なり」。
わが身の三日坊主を治す方法も教わったような気がした。
そんな「元気印」の持ち主の皆さんに、脱帽。

(K.K.)


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2008年12月09日

ラジカセ業界全滅

業界に詳しい友人から、「ラジカセ業界全滅」という物騒な話を聞いた。
私は、1年程前にラジカセを一台買い、日々満足して使っていたのだ。
そのことを書いた日記を引用してみる。

「少しシンプルな生活に憧れたわけではないが、
 久しぶりに、CDラジオカセットコーダー=ラジカセ を買った。

 このラジカセの気に入っている点は、
  1)リモコンがないこと
  2)操作が簡単なこと
  3)持ちやすく軽いこと、等など。

 我が家では、一階にあるテレビと、二階のテレビのメーカーが違うので、
 リモコンの操作が違い、泣かされたことがあるだけに、
 リモコンがないのが気に入った。
 リモコンの操作が複雑で、よく間違えるのにも閉口していた。

 思うに、高々2~3m位の距離で、病人でもないのに
 リモコンが必要だろうかという疑問が出てくる。
 付加価値を付けるという意味でも、これでもかというぐらい、
 おまけの機能がついている分だけ複雑になり、
 「お金が取れる」商品化が進んだことは、良いことだったのだろうか?

 道具は、ほどほどにシンプルで、
 身を助けてくれるものを期待しているのは、私だけだろうか」

やはり、この業界も、シンプルで、軽くて、簡単操作が求められている。
ラジカセは、全ての面で便利なiPodに負けたようだ。

(K.K.)


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2008年12月02日

'09 商品企画

不景気風が吹き荒れている。
それを吹き飛ばす、明るい話がないものかと思っていたら、
昨日、その道で活躍している3人のデザイナーの
'09年、'10年の商品企画についての議論を聴くことができた。

彼らは、大きな夢を持って企画しているので、
期せずして、話は明るい方向に進んでいた。
過去の常識は、静的な環境では通用するが、
環境自体が変化している場合は、通用しない。
この変化は、新規参入企業にとって有利に働くため、
彼らは燃えているのである。
それは、既存企業が守りに入るから、
新商品企画は出ないし、出せないからである。

彼らは、既存企業が参入できない新分野への進出を企てていて、
「'09商品企画」の骨子は、あくまで消費者の目線で選べるもの、
エコを考え、時代にフィットしたもので、非常に真面目なものだった。
50年先、100年先は遠くに感じるが、1年先や2年先は、すぐにやって来る。
100年先だって、そんな1年1年の積み重ねの先にしかない。
環境対応しかり、やるべきことは、すぐに始めなければならない。

消費者に夢を与えるデザイナーのプロ集団は、
不景気風を吹き飛ばすべく、商品企画に四つに取り組んでいる。
私は、デザイン界も捨てたものではなく、非常に明るい話に聞こえた。

(K.K.)


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2008年11月27日

本来のデザイン使命とは

「東京デザインマーケット」の会場で、新鋭の若いデザイナー二人に会った。

一人は、「かわさき産業デザインコンペ」でグランプリをとり、
「フットピロー・ゆーら」という足まくらの商品化を実現、
マスコミでよく取り上げられている、話題のデザイナー・白木ゆみ香さん。
今度は、入れ子とスタッキングを両立させた、お皿を提案している。
重箱の角度と高さを変えることにより、重箱本来のスタッキング機能に加え、
入れ子の機能も両立、女性らしい目の付け所はさすがだと思った。

もう一人は、神戸でデザイン事務所経営の黄俐堅さん。
彼は、「神奈川デザイン機構」に参加していた時の知人である。
「風船ライト」という聞きなれないネーミングで、
シーリングライトやウォールライトにもなる室内照明器具を見せてもらった。
「手を離れた風船が、天井を突き抜けて出ていこうとする瞬間」をとらえ、
モデル化したものだそうで、とてもユニークだ。
風船が舞い上がる瞬間を、一眼レフカメラでとらえた、
その一コマにもみえる形状だから面白い。

二人とも、日常、身近な生活の一コマを冷静に見て、デザイン提案している。
身近にあるものの生活提案こそが、本来のデザイン使命だとしたら、
彼女も、彼も、確実にその路線を歩いていることを、
何とも、力強く、頼もしく思った。

二人との再会の場となった、「東京デザインマーケット」にも感謝したい。

(K.K.)


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2008年11月19日

語学研修の秘訣

語学研修でこの夏、カナダに行ってきたという、若いIDデザイナーに会った。
ホームステイして語学学校に通う生活だから、
毎日が英語漬けで、日常会話は問題ない程度には、学んできたという。

期せずして、50歳を超えてから、せっせと英会話を習いだしたという、
同じくIDデザイナーの方と話し合う機会があった。

両氏とも、毎日のデザインの仕事には必要ないと言いながら、
生産を中国に委託するときのデザインの立会いや、
メッセ等で外国に出かけるときに必要だからと、
地道に語学研修に励んでいるところは、偉いと思った。

私もこの3ヶ月間、試みに、入門・中国語講座を受けていたので、
言葉を学ぶ、マスターすることの難しさを話し合ったりした。
英語や中国語を毎日必要としていないから上達しないのである。
語学は、使わないと錆びる。錆びないところに居ることが一番なのだ。

最近の語学習得法研究によると、
「母国語を基礎にして、外国語は習得される」という。
その意味でも、母国語のルーツでもある、隣国の中国語は、
入門としては面白い言葉だと私には思えた。
英語の必要性はいうまでもないが、時には中国語も覗いてみては?

何はともあれ、継続は力なりと解っていても、
凡人には、その継続こそが難しい。
しばし、「継続する秘訣」を編み出そうと、今日も知恵を絞っている。

(K.K.)


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2008年11月11日

日仏交流150周年

最近、ヨーロッパに出張し、フランスで「日仏交流150周年」記念展を
覗いてきたというデザイン関係者二人に会った。
彼らは、口をそろえて、知恵大国・フランスのしたたかさを見た、
というので、ここでご紹介したい。

「日仏交流150周年」記念事業として、フランスでは、日本美術の禅宗絵画や、
肉質浮世絵、黒澤映画まで幅広く紹介する企画展を実施している。
中でも、「文化遺産と創作は結びついている」という意識が強く、
現代の芸術も積極的に取り上げている。
ケ・ブランリー美術館の「日本民芸の精神」展(1月11日まで)では、
民芸運動の創始者・柳宗悦と、息子の工業デザイナー柳宗理に着目、
日本古来の暮らしに根ざす民具、民芸品、
柳宗理の代表作「バタフライ・スツール」に至る、
日本の近代デザインの道筋を紹介しているという。

日本では、近代デザインと言う言葉も、死語になりつつあるが、
このあたりの日本の凄さを、彼らは、まじめに理解し、
取り上げているところに、私は、フランスという国の、したたかさを見る。
「黒澤明デッサン展」にも同じ視点が見られ、
日本文化理解に努めている姿勢は立派、
やはり、芸術大国・フランスだと、二人とも口をそろえて話してくれた。

年末年始、フランスに旅行される方は、是非、足を運んで見てはどうだろう。

(K.K.)


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2008年11月10日

週めくりカレンダー

100円ショップには、100円以上の商品も並べられているが、
今まで、あまり買ったことがなかった。
先日、「週めくりカレンダー 四字熟語」を手にしてみたら、
210円だったので、面白いと思い、手に入れた。

平成21年1月の最初の熟語は、「一念発起」。
今までの行いを改めて、あることを成し遂げようと固く決意すること、
類語には、「一念発心」もある、と書かれている。

来年こそは、私も「一念発起」、何かに挑戦しようと思った。
三日坊主にならないよう、週めくりカレンダーにしたが、
いつまで続くかは分からない。
不景気風を吹き飛ばす意味でも、時には一念発起したいものだ。

(K.K.)


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2008年11月05日

経験の活かし方

働いたことのない人には、働く喜びは分からない。
遊んだことのない人に、遊びの面白さは分からない。
かように、「経験」というものは、非常に大切なものなのだ。

先日会った若いデザイナーは、先行デザインという難しい職場で、
いろいろと苦労しながら、デザイナーとして生きてきた喜びが、
昨今の景気ダウンで、職場での配置換えに遭い、
元のデイリーワークに戻り、生きがいが薄くなったという。

願わくは、腕を振るうことのできる職場、
難しくても、やりがいのあるプロジェクトに取り組みたいというので、
新しい職場を紹介した。
階段をひとつでも昇りたいという彼の意志は、
彼自身のマンネリ化打破の一策でもあるように感じた。

企業の組織改革は、日常茶飯事。
配置換えというカタチで、いつでも従業員に降りかかってくる。
デザインの職場でも同じであるが、彼は、それを契機に、
次なる人生の目標に向かって挑戦しようと考えている。
思わぬ経験をも糧にするその姿勢は、若いのに凄いと思った。

今しか出来ないことがあることや、「経験」の大切さを、
彼は知っているのだろう。
誰も後押ししてくれないデザイナーの孤独な世界に、
果敢に挑戦しようとしている若者にエールを送るのも、
私たちの仕事のひとつだろうと考えている。

(K.K.)


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2008年10月28日

小さな秋

「楽しい旅、楽しいゴルフ、温泉! スコアに拘らず晴天と紅葉、
……愉快な仲間!命が延びました。ありがとうございました!」と、
画家である友人Dさんから、絵手紙の礼状をもらった。
それは、先週、新潟県の妙高高原で一泊し、ゴルフをして、
「小さな秋」を見つけた仲間からのもので、
私も、仲間と共に生きていることの楽しみを満喫した旅だった。

同日、お世話になった大先輩・O氏の「お別れの会」の案内状を受け取った。
病気療養中であることも知らなかっただけに、私のショックは大きく、
すぐに関係者に問い合わせた結果、仕事での過労が原因で、
肝硬変から肝臓ガンに進行してしまったのだそうだ。
特に、アルコ-ル性の肝硬変は、現代医学でも対応は困難だった、
ということを知らされた。しばし、頭の中が白くなった。

O氏とは、昨年、ある懇親会の幹事をご一緒させていただいた時に
いろいろとお世話になり、彼の人生を一部垣間見ただけではあるが、
とても凄い人を失ったと思った。
彼は、医学関係の出版社を引き継ぎ、再生させ、
ライフワークでは、何十年も、タイの医学・看護教育に献身された人で、
国王から勲章を授かっておられる。

日本にも、こんな大先輩がいるということを誇りに思いたいと
常々考えていただけに、惜しい人を失った。

私の「小さな秋」も、12月の「お別れの会」で、
今年が終わるのかと思うと、心が痛む。

(K.K.)


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2008年10月21日

デザイナーの武者修業

先日、香港の有名日系企業から、デザイナーの求人があった。
国籍を問わず、優秀な人を求むというのだから、
日本企業も、ここまでデザイナーに拘り始めたのはすばらしいと思い、
私たちも全力投球で人材発掘に当たった。

結果、香港在住のデザイナーに決まった。
日本でのPR不足もあったに違いないが、
結局、日本からは誰もエントリーしなかったのだ。
私は、デザイン界にも、いわゆる「武者修業」ということが必要だと、
常々思っていただけに、このことは非常に残念に思った。

「武者修業」とは、例えば他の土地や外国に行って技芸を磨くことで、
私は、そうやって腕を磨くデザイナー像にあこがれていた世代だから、
なおさら、そう悲観したのかもしれない。

そして、ちょうど届いた、日本人4人のノーベル賞受賞のニュース。
彼らの世代が、いかにベンチャーに満ちた時代に生き、
それぞれの苦労を乗り越え、忘れた頃に花が咲いたか。
そこに、日本人のしたたかな気質をみただけに、
改めて、今回の件は、非常に残念に思ったのだろう。

デザイナーとして技芸を磨くことに徹したら、若い時の「武者修業」は、
買ってでもすべきで、将来、必ず役に立つ。
私は、そう信じている一人である。

(K.K.)


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2008年10月15日

デザイナーこそ経営情報を

デザイナーに最も必要な情報は、経営情報だろう。
経営者が何を考えているかが分かれば、デザインもし易いはずだ。
そういう意味でも、経営者の文言をしっかりと理解しておいたほうがいい。

「文言」と言ったが、正式な記者発表などで聞いたものでは遅い。
もっと前段階で知るべきだ。

先日、デザイン関連の講演会後の懇親会で、A社が、デザイン会社を
設立したと発表があり、その前途洋々たるプランを聞くと同時に、
デザイン会社B社が、来年、事業部に吸収合併されるという話題が出た。

新しく船出するもよし、港で波をよけるように留まるのもありで、
それは、経営者の舵取り一つなのだ。
それに振り回されないデザイン部門でないと、
腰をしっかりと据えたモノづくりには取り組めない。

できれば、デザイナーも、経営者と一緒になって、
これからの会社をどうしていくのか、プランニング仲間であればベスト。
反対に、経営者の舵取り一つで、リストラ感覚で
部門を吸収合併されるとなると、デザイナーは悲劇だ。

社内で、経営者の動向を察知したり、懇親会などで得られる文言から、
予知、予感、予兆等、考えることが必須。
デザイナーの必要条件と言えるだろう。

(K.K.)


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2008年10月07日

塞翁が馬

上海で、インテリア関係の会社を経営し、活躍している若い友人と会った。
中国も、北京オリンピックまで何とか持ったものの、
その後の落ち込みは激しく、このところ株価も、上海など7割近く落ち、
すでにバブルが弾けているという。

麻生首相も、「特に米国発の金融危機は欧州に広がっていて、
景気に対する先行き不安が国民の最大の関心ごと、
当面は景気対策をやらなければいけない」と衆院予算委で語っている。

時に、私は、「塞翁が馬」ということわざを思い出した。
人生では、災いが、いつ福の因になるかわからず、
また福が、いつ災いの因になるかわからないという、
あの中国の故事のことである。

また、ピンチはチャンスという言葉もあるように、
一筋縄では行かない人生の一端を見ながら、
ピンチをチャンスと捉え、羽ばたく勇気も、今は必要でないかと思う。
悲観する時間は、3分でいい。
もっと前向きにアイデアを出し、種を蒔き、収穫を考えることのできる
デザイナーでありたいと、上海の若い友人をみて思った。

(K.K.)


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2008年10月06日

職人さんとサイクル・ロック

このところ使い過ぎたためか、自転車の鍵の調子が悪い。
鍵がゆがんでいるのが原因らしいので、
新橋の鍵屋に行き、職人さんに見てもらった。

自転車の合鍵は、メーカーから取り寄せないと、在庫はないという。
もし、お急ぎなら、駅構内の鍵屋さんにも聞いてみてくださいと、
丁寧に教えてくれる。

すぐに、駅にも行ってみたが、やはり在庫なし。
取り寄せて作ると890円、それより自転車屋さんで、
新品のサイクル・ロックを買った方がお得ですよと勧められた。

近くの店に行ってみると、鍵の種類はシリンダーキーだが、
「盗難防止に最適な」ディンプルキー3個が付いて、780円。

やはり職人さんの言った通りであり、
何事も相談してみるものだと思った。

親切な職人さんに感謝しつつ、早速、そのサイクル・ロックを使い始めた。
従来の固定された自転車キー方式ではないが、
シリンダーキーも、なかなか使い易い。

今回の教訓は、「犬も歩けば棒にあたる」。
何でも、歩いてみる、聞いてみることが大事。
そして、やっぱり、日本の職人さんは親切だ。

(K.K.)


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2008年09月30日

デザイナーという職業

「日本経済 3年で再生」と、麻生太郎首相の就任後初の
所信表明演説をTVで見ながら、かなりの国民は
信用しないのでないかと思うぐらい、政治は病んでいる。

二世議員の大臣がこれだけ揃うと圧巻であり、
政治家は世襲できることが明解である。
デザイナーはどうかと、かねがね考えていたが、
そんなに簡単に世襲はできないらしい。

以前、「NEXT WAVE」というテレビ番組で見たが、
世襲できるのは、
1)地位・財産・地盤がある政治家
2)職業・地位・財産がある会社社長
3)漫画家や作家・芸術家
の順であった。

デザイナーを 3)の中に含めて考えても、
才能が必要なデザイン職は、はなはだ世襲が難しいことが分かる。
その才能という遺伝子は、そんなに簡単に受け継がれない。
よって、デザイン界は、そんなに簡単に世襲できないとしたら、
個人として、誰でも参入でき、
誰でもデザイナーになれる分野でもあることは間違いない。
努力次第で、デザイナーになれる、
すばらしい職業だということを誇っていいし、
新しいアイデアが出ないときの苦しみもまた、すばらしい職業なのだと
時には居直ってもいいように思う。

(K.K.)


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2008年09月24日

頑張る日本男児

この日曜日、昔の仲間の定年祝いに、名古屋に馳せ参じた。
昔のスタッフ仲間が、次なるスタート台に立つお祝いの会、
嬉しい激励会だ。
この日を健康で迎えられたことは何よりで、
再会が握手から始まるのもいいし、ごつい手の温かみも、また懐かしい。

ホテルでの昼食会の後、2次会はカラオケとメニューが組んであったが、
会場に着くと、幹事が、ホテルでの昼食会は中止、
13:00からカラオケに変更したというから驚いた。
名古屋には、ランチ抜きでカラオケから始まる文化があるとは、
20数年前まで住んでいた私も知らない出来事で、面食らった。

会場は、仲間内の会社が経営しているので、スタッフと懇意らしく、
ビルの最上階の、見晴らしの良い部屋に通される。
とはいっても、大きな画面が二つ備えられているから、
やはりカラオケの部屋には違いない。
まずは、主賓の現況報告や、集まった8人の仲間の近況報告があり、
昔の仲間の消息も聞けた。
(確か女性スタッフもいたと思うが、なぜか、集まるのはいつも男性のみだ。)

40年近い会社生活は、誰も一口には言えないからか、
カラオケの選曲とその歌詞から聞き取るのか、幹事の配慮が心憎い。
演歌が多くなるから、男女の渋い歌詞が定年のお祝いになり、
“オトコは黙って定年を迎える”スタイルになる。
長きに亘って黙々と生き、これからも頑張る日本男児の一面を見た。

帰りの新幹線で見た中日新聞のコラムに、
アメリカ共和党の副大統領候補・ペイリン氏愛用の眼鏡が、
工業デザイナーの川崎和男氏がデザインしたもので、
ペイリン効果からか、売れに売れていると、嬉しいニュースを目にした。
頑張る日本男児、ここに在り。
後輩のデザイナーの活躍もまた、嬉しく思った。

(K.K.)


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2008年09月19日

日本のサービスは世界一

パソコン、エアコン、オーディオ機器、旅行鞄…と、
このところ立て続けに調子がよくないので、
まとめて、大手家電店に修理を依頼した。
もちろん、売り場が違うから、受付を4箇所回り、
現状を説明し、対応をお願いした。

以前と違い、対応が早いのに驚いた。
「日本のサービスは世界一だ」と、誰かが賞賛していたが、
まさにそれを納得できた。
ただ、7年以上経っていると部品が無く、
修理できないことがあると、釘を刺された。
(法律では、7年間、部品の保存が義務付けられている)

パソコンは起動が遅く、毎日使うものだけに不便で、
お店に持ち込んだら、メモリ増設、ウイルス対策など、
その日のうちに対処してもらえて、家に持ち帰った。
もちろん修理代はとられたが、すぐ使えるようになり、満足した。

エアコンの水漏れは、日曜大工でエアコンの位置を動かしたのが
原因だったらしく、これは反省。

オーディオ機器は、メーカーに出して一週間ぐらいで直してもらい、
リモコンも買い増して使えるようになった。

旅行鞄は、一箇所キャスターが壊れただけだったので、
簡単に部品交換で済むだろうと思い、
メンテナンス提携先の浅草の老舗へ持ち込んだが、
10年ほど前の商品なので部品がなく、
工場で聞いて見ますと言われたため、半ば諦めかけていた。
米国の有名なブランドの鞄だが、メキシコ製だし、
なおさら駄目だろうと思ってもいた。

一週間後、店から電話があり、
「直りましたが、同じ部品でないので、修理代はいりません」とのこと。
早速、受け取りに行くと、すこしキャスターの形は違うが、
片側2個を一緒に替えてくれてあり、一見しては分からないぐらいで、
上出来の仕上がりで、驚いた。

キャスター代金だけでも払います、と言ってみても、
工場でのありあわせの部品だからと、修理代無料にしてくれた。
さすが、1940年生まれの浅草の老舗の鞄屋さん、
カバン博物館も開館しているだけあり、そのサービスは日本一。
いやメキシコ製をも直してくれたから、私には世界一にみえた。
大事にしたい、老舗のハートを見せてもらった。感謝のみ。

(K.K.)


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2008年09月09日

すばらしき女性たち

デザイン教育に情熱を燃やしている大学の先生と食事をした。
話の中にたびたび登場する、彼女の教え子たちの様子を聞いていると、
生き生きした女性像が浮かんできて、なんとも頼もしいと思った。

その多くは、30歳代の女性で、皆、国際結婚をしているとか。
英国、ドイツ、スウェーデン、インド、メキシコなど、多彩だ。
ちょうど、麻生太郎氏の著書『とてつもない日本』で、日本の底力は凄い、
という話を読んでいるせいもあり、いたく感心することばかりだった。

彼女たちは、大学でグラフィックデザインを学んではいるが、
今は、ファッションデザイナーや、学校の先生、
中には焼き物作家であるご主人の販売の手伝いをしているなど、
様々な分野で活躍しているという。
彼女たちのパートナーは、意外とデザイン関係者は少ないが、
彼女たちは、デザインを通じて自立しており、すばらしい働きぶりだと聞いた。

日本人の平均寿命は、着々と伸びている。女性85.99歳 男性79.19歳。
平均寿命も、オリンピックも、デザイナーの世界も、女性の活躍が目立つ。
我ら日本の男性は、いかに生きるべきか、
そろそろ、真剣に考える時期に来ているようだ。

(K.K.)


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2008年09月02日

デザイナーとGNP

人は、モノではなく、コトバに反応する動物らしい。

先日、某医学財団の75歳の理事長である、医学博士のT氏と会食した。
氏は、講演を頼まれ、一席すませたところだというので、
楽しく飲もうと勧められ、杯を重ねた。
酔うほどに、やはり健康談義に入っていき、すかさず、T氏から、
講演の続きのような、おもしろい話が出た。

ご存知、「PPK」は、「ぴんぴんころり」、「NNK」は、「年々ころり」。
では、「GNP」は何でしょう、というのである。

本来の「GNP」は、一般に国民総生産(gross national product)で、
国力の代名詞であり、 米国に次ぐ経済大国・日本を示す、
誉れ高い言葉であったが、今では世界○位まで落ちており、
いろいろと危惧されている。

それはさておき、健康談義では、「GNP」は何の頭文字か。

「G」は、「元気」で間違いなさそう。
「N」は、「仲良く」かな?
さて「P」は……「product」か?などと考えるも、
酔いが回るほどに言葉が出ない。
とうとう思いつかなかったので、宿題にしてもらった。

(みなさんは、健康に関する「GNP」、何だと思いますか。
 すぐにネットで検索してしまう前に、少し考えてみては?)

往年の高度成長期のデザイナーは、
毎年の国民総生産(GNP)の伸びに目を見張り、
モノづくりに明け暮れていた。

ここに来て、健康談義で、同じ「GNP」という言葉が出てくるとは、
やはり、人はモノではなく、コトバに反応する動物らしい。
少し納得。

(K.K.)


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2008年08月26日

デジタル色彩検定

後輩のデザイナーからメールが入った。
記者会見するから見に来ないかというお誘いである。
場所は、秋葉原のデジタルハリウッド。
グラフィック、Web、CGなど、デジタル作業で使用される
配色能力を検定するものとして、『デジタル色彩検定』を
設立するというものだ。
「デジハリ」らしく、デジタルでの色彩の捉え方は、
これからの色彩界の新機軸になる。

冒頭のメールは、その「先端色彩」の提唱者でもある、
南雲治嘉教授からであった。

先端色彩研究室設立、
NPO法人日本カラーイメージ協会(www.j-color.jp)設立、
デジタル色彩検定設立と、三つもの同時発表だから、
いかに彼らが、色彩について真摯に取り組んでいるかが伺える。

いわゆる、デジタル社会での色彩を、
川上から川下まで見直そうとしている。
従来の「役に立たない」色彩検定2級や3級の制度とは違った、
新しいデジタルでの色彩検定を考え、
就職、ビジネスにも役に立つ資格制度構築を目指している。

日本初のパソコンによる色彩検定。
第1回検定試験は、2008年11月中旬を予定。
初回は3級のみの実施だそうだ。
基本的にはパソコンが使えることが必須で、
「使える配色能力」が重視されるとか。

この秋、色彩に興味ある人は挑戦に値する。

(K.K.)


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2008年08月19日

ブルドーザー「IDEA賞」銀賞受賞

帰省時、ゆっくりと田舎の朝刊を読むのは楽しい。
全ページ、カラーであるから飽きない。
子供のころの仲間の消息をも知ることができ、
しばし、タイムトリップに酔うこともある。

先日も、
『機能美「ダントツ」中型ブルドーザー、米のデザイン賞を受賞』
という、カラー写真入りの記事を見つけて驚いた。
米国の有名なデザイン賞「IDEA賞」で、銀賞を受賞したというのだ。

車体の色は、黒と黄色の組み合わせで珍しくないが、
エンジンフード周辺をスリム化し、十分な前方視界が確保されていて、
デザインによる作業効率、生産性の向上が評価されたもので、
K社の建機が、国外でデザイン賞を受賞するのは初めて、とあった。

K社のデザインスタッフを良く知っているだけに、
彼らの地道なデザイン活動が評価されたのだと思い、
より親近感が湧いたのだ。

こうした業界は、コンシューマー向けデザインと違い、
派手に評価されることもなく、デザインは「縁の下の力」といった感があり、
若い人には人気が薄い職場であった時代を良く知っている。
だから、こういう形で評価されたことは嬉しかった。

この手の記事は、大手の新聞社は扱わないから、
なおさら、私には新鮮に映り、時には、旧知のデザイナーらと
暑気払いを兼ねた「お祝いの会」をしたいと考えている。

(K.K.)


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2008年08月05日

3歳児と携帯電話

印刷業界のコンサルタントをしている友人と、暑気払いをした。
この業界でも、かなりデザイナーが活躍しているので、
業界動向を聞きたかったが、彼はまず、最近購入した
携帯電話の使い方が難しい、という話から始めた。

分厚い取扱説明書がついているのだが、見る気はしないと言う。
この手の印刷物は、世に「ゴミ」を出しているようなものだ
…と自省しながらではあるが。

今回の買い換えは、3歳のお孫さんと通話するために、
通話無料になる同じ会社にしたからだという。
お孫さんは、取扱説明書は読めないが、
毎日電話をかけてくるというから、慣れというものなのだろう。
また、母親が忙しいときは、携帯電話に録画されているアニメを
見るように「訓練されている」という話を聞いて、さらに驚いた。

携帯電話は、まるで3歳児の玩具なのである。
このまま行くと、どういう世の中になるのだろう?

時代の動きに対応することなく、あの分厚い取扱説明書は、
依然として存在しているという事実。
世に「ゴミ」をだしている業界なのだとしたら、先がないだろう。

もう少し工夫を凝らして、分かりやすい、見やすい、
消費者寄りの取扱説明書でないと見てくれないという事実を、
メーカーや販売元が、真剣に考える時に来ているようだ。

もう、3歳児には、取扱説明書は、いらないのだから。

(K.K.)


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2008年07月29日

名古屋の異変

久しぶりに休暇を使って、「ひかり」で名古屋の友人たちを訪ねた。
もちろん、日帰りである。
7月末、暑いはずの名古屋でも、にわか雨などあると、
まるで秋のように涼しく、汗をかかなくてすむから大助かりした。

暑いといえば、今、日本で一番、懐の「熱い」名古屋と言われて久しいから、
旧友にも、景気動向を聞いてみた。
シャイな彼らは、地道に生活をエンジョイしているらしく、
定年のお祝いをどこでするか、友人は病気がちだから心配しているなど、
たいして変わった様子もなかった。

しかし、皆、電車や、中には自転車で駆けつけてくれたのには、驚いた。
名古屋といえば、自動車王国。
以前は、皆、車での移動が当たり前であったが、
ここに来て、ガソリン価格の高騰が続くと、彼らも車離れし出したようだ。

これが、名古屋の景気動向の一端と読んだ。
帰りの駅で見た夕刊・三面記事トップの見出しにも、
『カーシェア 脱クルマじわり』『ガソリン高 中部も異変』とあった。

「カーシェアリング」の会員になり、車は使いたいときだけ電話で予約し、
自宅から歩いて十数分の無人ステーションで借りる。
キーは車内にあり、会員専用のカードをかざすと、
ドアが開く仕組みなのだそうだ。
ここにも、自動車王国・名古屋の知恵があり、感心したが、
私には、名古屋の異変にも思えた。

(K.K.)


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2008年07月23日

野球の魅力

仕事を終え、ビールを片手に、
友人とプロ野球観戦するのは実に楽しい。
野球場は、神宮球場のように、屋根が無いほうがいい。
夕日が落ちるところなど、美しい光景を見ると、
それだけで、ビールのおつまみになるというものだ。
かなり満足感がある。
熱心なプロ野球ファンでなくとも、足を運ぶに値するし、
そこには生きている証を見ることができる。

ところが、スポーツが故に、勝負にこだわる場面もある。
昨夜は、セーフ、アウトで選手・監督と審判団がもめだし、
終始がつかなくなって、試合は中断。
酔いが醒めるほど中断が長引いた頃、ルールに従い、
監督が退場処分となり、試合再開。
後味の悪い結末で、何ともすっきりしない。

そこで、米国野球に詳しい友人の弁。
米国では、こんな終わり方は見たことが無いという。
スピードが本命、たとえ1分でも、中断はファンが許さないという。
審判の権威が貫かれていて、ファンあっての野球、
娯楽に徹しているからか、選手や監督の時間稼ぎは許されない。
そこには、タイム・イズ・マネーの考えがあるという。

松井、イチロー、岩村等が活躍している大リーグの魅力は、
こんなところにもあるとしたら、日本のプロ野球も、
良い面はもっと真似て、魅力あるものにしていかないと生き残れない。
大リーグだけが、世界のプロ野球になるのだけは阻止したいものだ。

(K.K.)


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2008年07月15日

マーケティングの原点

「歩くこと」を趣味の一つと決めてから、
ときどき、面白いことが見えるようになった。

先日も、ある放送局の前を通りかかると、
ライブを聞く人だかりに出くわした。
観客の中に紛れては聞かず、輪の外でその光景を見ていた。

ライブが終わると一瞬、興奮が冷める……と、すぐ机が並べられ、
CDが並べられて、観客は買い求めるために行列をつくる。

その光景を見ながら、今、流行の
「研ぎ澄まされた五感が、製品づくりの競争力の源泉」
という言葉を思い出した。

観客は、ライブを五感でとらえ、興奮し、CDを買うにしても、
やはり、大きいのは第六感、理屈ではない部分で、
このミュージシャンの魅力を感じているのではないかと思う。

「五感」は、人間にとって、ベーシックなものだ。
そうした基本的な感覚を超えた「第六感」が働くことで、
最終的な「購入」に結びつく。
そこに、マーケティングの原点があるのだと思う。
時には、立場を逆に、観客を主役と見ることも必要だ。

(K.K.)


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2008年07月08日

転職は決断

先日来、コンサルティングをした、3人の転職希望者のことを考えた。

1人は、紹介案件の給与面で納得がゆかず、「NO」。
2人目は、将来性はある会社だが、正社員採用ではないので考えたい、
考える時間が欲しいと保留。
3人目は、今ひとつ知名度がない会社だから、友人に聞いたり、
良く調べてみたいと言う。
どれも、ごもっともな話だ。

転職は、すべて明日のわが身の生活に関わるわけだから、
熟考するのは当然で、決断には時間がかかるが、
求人先は、明日からの戦力を求めているので、即断を要求してくる。
従って、転職は、相応のタイミング、間合いで決まることが多い。

転職は、一種の賭けとまでは言わないが、転職すると決めた時点から、
何らかの決断力がないと、まとまらないことは事実。

自分を信じて、自分の転機はどこかを見定めて、
勇気ある決断力で乗り切らねばならない。
自分に賭け、自分で道を切り開くのが転職なのだ。

(K.K.)


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2008年07月01日

インターネットの歴史

この5月に、岩波書店に一枚の感謝状が贈られたことを
雑誌『図書』で知った。

 『20年近くの長きにわたり、WIDEプロジェクトの
  最初のネットオペレーションセンターの運用をさせて頂けたことを
  心より御礼申し上げます。
 (中略)「知のインフラストラクション」となるまでに成長できたのは、
  貴社の大きな貢献によるもの』

との、感謝状だ。
贈り主は、WIDE代表で、日本の「インターネットの父」
とも呼ばれている村井純氏。

89年夏が、わが国のインターネットの黎明期。
登場から20年で、ここまで急速に進歩、発展、拡大し、
かつ、多くの人々にとって身近になったものは、
インターネットをおいて、歴史上、ほかに存在しないのではないかと思う。

近代医学は220年、建築は120年、デザインは70年という歴史。
一方、インターネットは、何とわが国においては、わずか20年の歴史しかない。
それが今や、インターネットなしでは、
一日も仕事が進まないようになったのだから驚きだ。

それが故に、良いこと、悪いこと、両方がある。
大きな犯罪まで生み出してきている。
それに比べ、デザインの世界は70年だから、
人間に例えると「ひとりの一生分」ぐらいで、まだまだ研鑽に励む世界だ。

今日もまだ、生き生きしたデザインが生まれ続ける、
すばらしい世界だと思っている。そう思いたい。

(K.K.)


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2008年06月24日

日本人フェラーリデザイナー

『日経スペシャル カンブリア宮殿』というテレビ番組を見た。
経済人を迎えたトークライブ番組で、
メインインタビュアーは、作家の村上 龍 氏だ。

今回は、「日本人初のフェラーリデザイナーがほれた 
山形の伝統職人の底力 世界も絶賛」というタイトルだった。
番組の中で、日本人初のフェラーリデザイナー・ケン奥山が
話していたことが、三つばかり印象に残った。

一つは、デザイナーは、仕事が来る前から仕事をしている。
(常に問題点を見ていることが大事)

二つ目は、常にスケッチする習慣が、良いアイデアを生み出す。
(企画会議などでは、アイデアは出ない)

三つ目は、自称、鯰だと言う話。
「仲良しクラブ」では、良いデザインは生まれない。
競争やライバルがあって初めて、グッドデザインが生まれると
明快に語っていたのは、さすがだと思った。

(K.K.)


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2008年06月17日

面接は自分セールス

世の中は常に不確実なもの、常に変わってゆくもの
と認識していても、つい自分を見失うことも少なくない。

転職活動において、面接の機会を得た時には、
自分のポジションを知るために、
座標軸をつくることを提案したい。

例えば、職歴5年ともなると、新卒の頃に思い描いていたことから
かなり変化している状態で転職機会を迎える訳だから、
ここで、新たに10年先を見越して、自分の座標軸を作ってみよう。

まずは、今の自分の位置、今の能力、
そして、本当にやりたいことなどを整理してみる。
そして、面接の機会を得た企業についても、
社会やマーケットでの位置づけを調べ、
自分の座標軸と合わせてみるといいだろう。

この企業で自分がやりたいことは、これだ!と
言い切れるものを見つけ出すことが大切だ。
面接という、直接企業人に会える機会に、自分を売り込む、
まさにセールスするぐらいの積極性が求められている。
新卒ではないのだから、聞かれたことに答えているだけでは、
何社面接に行っても、芳しい結果にはならないだろう。

このことを、よく肝に銘じて面接に臨んでほしい。
「面接は自分セールス」がキーワードだ。

(K.K.)


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2008年06月09日

問われる信用力

さまざまな業界で不祥事が多いこのご時世、
人材紹介会社も、信用力が問われている。

しかし、長い時間をかけて面談したコンサルタントが
丁寧なコメントで推薦する人物データよりも、
学歴・年齢・職務経歴は何年か…といった単純な内容・数字だけで
書類選考をしている人事部門もあるようで、いただけない。

我々人材紹介会社が信用されていないかのようで、
情けない気持ちにもなってしまう。

就職や転職は、社会にルールや基準がない。
世に、さまざまな資格はあるが、何かの資格を取れば、
即、就職・転職に直結するような職場は少なく、
資格や免許と、雇用や実社会は、必ずしもリンクしていない。

数字や肩書きなど、単純な書類上のデータだけで
人材を見分けられるほど、この世界は甘いものでないということを
人事部門こそ、良く知っているはずなのに、残念なことだ。

転職希望者も、コンサルタント業も、時には、報われる努力もあるが、
報われない努力もある。これは事実だ。

しかし、こんな社会体質を変えるためにも、若い人も、我々も、
もっと努力し、声を上げないといけないのではと思っている。

(K.K.)


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2008年06月03日

観光地で考えたこと

われわれ日本人は、ガイドブックを片手に
片言で海外を観光することに慣れているが、
英語圏の人は、どこでも英語が通じると思い込んでいる節がある。

先日、観光地のコーヒーショップで、アメリカ人とおぼしき3人の学生さんが、
パンとコーヒーを注文、お金の支払いが出来ないので、
ガイドブックを取り出し、指で示しながら支払いしているところに出くわした。

女性店員2人で応対していたが、彼女たちの英語も通じない。
パンとコーヒーをセットで頼めば、コーヒーが50円引きになり、お得ですよ
ということが、英語表示がないので、彼らには分からなかったようだ。

グローバル化が叫ばれて久しいが、今でも観光地で英語が通じないとしたら、
義務教育で何を教えてきたのだろう。
受験のための高度な英語教育が、パンやコーヒーを買うという
日常会話を忘れさせたのだろうか。
私も含めて、日本人の語学力アップはどうすればいいのか?

デザインの世界で言えば、高度なソフトを使いこなす一方で、
手書きではスケッチ一枚描けないデザイナーは、
どうすればいいのか?

しばし、コーヒーを飲みながら、溜息が出た。
現場教育の重要さを思い知らされた。

(K.K.)


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2008年05月27日

健康維持3原則

先日、何年ぶりかで人間ドック入りした。
その折、待合室で一枚の色紙に目が留まった。

「健康がすべてでない
 しかし健康がなければすべてはない」
(北村和夫 2004年盛夏)

健康維持の3原則は、「運動」「栄養」「休養」とされている。
この3つがうまく組み合わさって、バランスよく健康が維持できる。
どれか一つ欠けても、微妙なバランスが崩れてしまう。

そんな危うさの中で、私たちの健康は維持されているのだが、
どうしても残業のしすぎで、そのバランスが崩れ、
体を壊し、病院に入ったりしてから、
弊社に転職の相談に来られる方も増えている。

デザインという納期のあるもの、締め切りのあるものは、
残業が多くなってしまう面があるのも事実。
そこで「休養」が後回しになってしまったりする。

「健康がなければすべてはない」という色紙の言葉は、
私には、とても重く感じられた。

デザイナーも、健康維持の3原則を忘れたら、悲劇が待っている。
良い仕事をするためにも、肝に銘じておいて欲しい。

(K.K.)


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2008年05月23日

上海の求人

「上海で働けるデザイナーはいませんか」と、
昨日の朝、求人のお電話をいただいた。

海外で働くという求人は稀なことで、少し詳しく条件を聞いた。
グラフィックデザイナーで、販促関係の経験者、30歳代、
男女不問、日本人であること。
日本製の消費財を中国で販売する会社の販促にたずさわるとか。

ちょうど午後から、上海から来る友人と会うことを思い出し、
聞いてみますと言って、電話を切った。
その日は偶然、朝も昼も上海関連の話になったわけで、
やはり中国はお隣の国、身近な国なのだと再認識した。

午後から会った上海の友人は、30代前半。
上海で起業して5年目になり、すばらしく逞しい事業家になっていた。
彼曰く、上海では、社長の年齢は関係なく、いい仕事をしていたら、
企業の大小を問わず、どこからでも仕事が来るというのだ。
中でも、彼のデザインフィーの考え方、明朗会計が、
クライアントに喜ばれるということだった。

先回のブログにも書いたが、彼を見ていると、
「若い時の苦労は買ってでもしろ」という意味が
現実のものとして見えてくる。
同席していたもう一人の旧友は、彼の成長振りを見ながら、
人生後半、彼に天から大きな贈り物が届くよ、と励ましていた。

ところで、この求人に興味を持った方、
夢の実現のために、上海で働いてみませんか。

(K.K.)


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2008年05月19日

目利きとインキュベーション 

『今の時代、何でもあり過ぎて、世の中はおかしくなってきている。
 若者には全然、信念がない、筋が通ったものがないと言われて久しい。
 会社の中ではどうかというと、デザイン畑の管理職には、
 信念があるかと問われると、イマイチだ。』
これは、往年の親しい友人の弁だ。

彼によると、デザインの良し悪しを判断できる、目利きの管理職は
今や皆無に近いという。
今は、デザインの良し悪しよりも、ただ売れればいいと、
利益率を優先してデザインを決めているというのには驚いた。

例えば、若者とインキュベーションし、製品開発しても、
目利きのデザイン管理職がいないと、何一つ良い物が世に出せないというのだ。
自社のものは認めるが、外部のデザインの良さを
認めないというのが問題らしい。

そう言われてみると、各社とも似たようなものばかり作っており、
我々、買う側も、ブランドで決めているようなところがある。

若者に信念の有る無しを問う前に、目利きが出来ないデザイン管理職は
もう要らない時期に来ていることを、企業人は気がつくべきだろう。
考えさせられた友人の言葉であった。

(K.K.)


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2008年05月14日

伝統工芸振興の課題

定年を待たずに会社をやめ、地方の伝統工芸振興に携わる人や、
大学の先生に鞍替えする友人が増えている。
いいことだと思う。

先日も、地方の伝統工芸品の新製品発表会に招かれて、
彼らの仕事振りを見させてもらった。

会社で培ったノウハウを応用できる点では、経験が活かせるようだが、
実際のところ、伝統工芸品を家電製品のように、
そのまま日常に使用する家庭は、そうそう見当たらない。
そのため、「100年後までも使える」という高邁な思想の商品開発だけに、
そのコストは、一桁違っているのには驚いた。
単純に、誰が買うのだろうと首を傾げたのは、私だけではあるまい。
技術のPRだと割り切って見てもらうにも、遊びが多いように思った。

確かに、伝統工芸や民芸品と称されるものは、
以前は日常的に使われた用具であったし、生活の必需品であった。
しかし、今、伝統工芸品というものの価値を、アートにまで引き上げ、
コストアップしていては、日常から遠ざかること間違いない。

100円ショップをとやかく言う前に、伝統工芸品でも、
日常生活に密着した新商品でないと見向きもされないことだけは確かだ。

伝統工芸振興に携わる人の奮起が試される、そんな時代に入っている。

(K.K.)


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2008年05月12日

趣味や資格、そして本業

友人のデザイナー仲間には、趣味人が多い。
ソムリエ資格を持ち、デザイン事務所を経営している人もいる。

その友人の招きで、ソムリエ仲間での試飲会を見学する機会があった。
何年もののワインか、アルコール度数は、その醸造産地は、など、
いろいろな角度からテイストする訳だから、全部は飲まないが、
こちらは、見学の身だからフリーだ。
新製品開発の企画も兼ねていたから、ワインに合う料理も考えられていて、
まるで高級ホテルでの食事のようで、堪能した。

もちろん私は、ワインの分別は、途中から分からなくなったが、
プロのコメントを聞くと、納得するものがあり、
ソムリエなど、何かしら資格を持っている人は、やはりすごいと思った。

もちろん、味は一番大切だが、新製品開発には、容器デザインも欠かせない。
様々な参考品を見ながら、仕様を考え、この新製品に合うものを
デザインしてゆくわけだから、デザイナーは酔っているわけにはいかない。

真剣に、皆の参考意見を聞きながら、テイスティングをしつつ、
頭の中でスケッチを進めてゆくのだ。
資格は身を助けるいい例だと、趣味人のデザイナーをうらやましく思った。

(K.K.)


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2008年05月07日

インキュベーション

『企画提案力のあるデザイナーに
中国より日本へものづくりのご提案』
という、
インキュベーションビジネスを呼びかけている、
日本人の元デザイナーがいる。

企画提案力があれば、独立事業型のプロジェクトをつくり、
川上から川下まで、いわゆる新製品開発から販売まで、
一緒にやろうという訳である。

彼も元デザイナーであるが、今は商社マンも兼ね、
日本、台湾、中国、とものづくり一筋に活躍している経営者である。
100円ショップから大手量販店までの販売ルートを確保しているから、
面白い商品なら世に出せるというのが、彼の売りであり、
彼の30年のキャリアが、その実績を示している。

以前、北京モーターショウの時も書いたが、
自動車も、中国では基幹産業化し、
考えようによっては、ものづくりの大半が、
中国やインドに移行することは歴史が教えてくれている。

我々日本人は、企画提案力や知恵を駆使して、
グローバルに生きるべき国民なのだと、彼に教えられることが多い。

企画提案力のあるデザイナーよ、この指とまれ!
と、彼の呼びかけを代弁しておく。

詳しい問い合わせは弊社にどうぞ。


注)インキュベーションビジネス [Incubation Business]

生まれたばかりのベンチャー企業が独立できるまでの間、
必要な支援を与える事業。[IB]とも。

(K.K.)


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2008年04月22日

北京モーターショー

北京国際モーターショーが開幕した。
米国や日本の自動車市場が伸び悩むなか、
08年に1千万台の販売が見込まれる中国市場の存在感が高まっている。


car.jpg
(朝日新聞 2008年4月21日付より)


各社は売り込みに懸命だ、との報道にあるように、
メーカー各社の代表から、デザイナー、記者団も北京入りしている。
今や、自動車市場も、中国なくしては語れないところまで来ている。

取材に当っている友人からのメールによると、
五輪カラーをイメージした新車を発表した中国メーカーや、
過去最多となる50台の車を展示した日本企業など、
国内外の自動車関連メーカー約2100社が出展し、
8月の北京五輪に向け、中国重視、強化が目立つとのこと。

自動車も基幹産業化したがゆえに、わが国のデザイナーも
好き嫌いで中国を語る時代は終わり、
新たな企業戦略として、デザインの価値を見直すこと必至、
考えようによれば、面白い時代に突入したともいえる。

(K.K.)


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2008年04月15日

転職はベンチャー

09年度の新卒採用動向は、「内定出しの早期化傾向」と、
「内定者フォローの強化傾向」だと聞いた。

内定を出しても、逃げられては何にもならないので、
至れり尽くせりフォローするそうだが、
もちろん、中途採用には、このような傾向はない。

例えば、円高が進めば、トップからの中途採用ストップという一言で
人事はそれに従わざるを得ないのが現状だ。
それは、新卒は固定費、中途採用は変動費扱いということだ。

従って、中途採用は、いつでも行っているようでいて、
その実、企業内では変動しているわけだから、
タイミングを逃したら、中途採用はない。

転職を決めたら、企業情報を的確に掴み、
時には、迷うことなくタイミングよくトライする、
飛び込む勇気が必要ということだ。

転職・中途採用は、大人の熾烈な戦いで、
新卒のように大事に幼児扱いしてくれない。
やはり、自分を高める、価値あるベンチャーであると思う。

(K.K.)


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2008年04月10日

格差社会

昨今、「格差社会」という単語が、世に蔓延しているようだが、
私は、好きになれない言葉だ。
転職もそうだが、何も努力しないで良い職場に行きたい、
それが出来ない社会は格差がある悪い社会だ、と決め付け、
文句ばかり言っていても、何も進歩がない。

先日、団塊世代でパソコンが出来る人は、
定年延長有りという制度がある会社の話を聞いた。
よく聞いてみると、携帯電話の出来る若い人よりも、
会社に役に立つというから、思わず笑ってしまったが、
なにやら、そこに真実も見える。

なぜなら、団塊世代でパソコンができるということは、
50代で習い始めて、5~6年の経験があるだけということになる。
つまり、それだけの努力をした人ということで、
定年延長の制度になったのだ。
年齢に関係なく、努力することは、報いられることなのだ。

クールに言えば、この社会で生きる限り、格差はつきものだ。
日頃の努力の積み重ねが、結果に表れ、何らかの差が付く。
格差社会を嘆く前に、すべきことは、ある。
芸は身を助くというではないか。
そんな努力が、報われる社会であって欲しい。

(K.K.)


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2008年04月09日

理屈が通れば……

人材コンサルタントをしていると、
つい、意地悪な質問をすることもあって、
あとで自己嫌悪に陥ることがある。

先日は、この道10年の経験があるのに、
使えるソフトは2つしか書き込まれていない人がいたので聞いてみた。
彼曰く、好きなものしか書かなかったのは、
このソフトの出来る職場に行きたいと言う意思表示で、
余計なソフトを書いて、嫌いな職場に回されたくないとのこと。

なるほど、進路を明確に決めているのは良い。

次に、結婚を考えているので正社員を希望、
さらに、土日休みの大会社か、役所的な職場を求めているという。

なるほど、これも一理あり。

給料は?と問うと、今以上のところと狙っていると言う。

さすがに呆れた。

貴君のためだけに、会社が存在しているのではないと言いかけたが、
彼の考え方は、すべて一理あるので、それも良し、
では頑張りましょうと激励しながら、少しは大人になって欲しいと思った。

転職活動は、「能ある鷹は爪を隠す」という美徳の世界ではないし、
いくら理屈が通っていても、自分の希望だけ並べても通じない。
人生の転換期になるかもしれない大仕事であり、
全力投球して職場を求めることでのみ、道は開かれる。

基本的に土日休みであっても、必要な仕事とあれば、
休日出勤になることも、時には受け入れなければならない。
給与の額にしても、柔軟性を持って考えておかないと
先に進めないのだと、やんわり話した。

(K.K.)


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2008年04月01日

才能を生かすには

このところ、お花見の誘いが多い。
ご近所付き合いもあり、出かけてみると、
いろいろなご家族とお会いする。
同年代から若い人まで、さまざまだが、
自己紹介では、やはり職業の話が多い。

リストラ、早期退職、第二の人生…といった単語が飛び交うが、
お花見の席だけに、あまり暗い話は出てこない。
多くの人は、今日も健康で、楽しいお花見に参加できたと、
ご夫婦揃って感謝のスピーチだったり、
転職先の現状報告だったりする。
中には、ちらりと人生の悲哀が出てくることもあるが。

中でも、技術系、エンジニアの人たちの再就職は、
総じて好調のようだ。
デザイナーも、手に職があるという意味では、この分野だ。
一方で、友人のA君などは、30代でプロダクトデザイナーを辞め、
絵描きに転業、今では、その道の有名人になり、モテモテだと聞く。

才能を生かす。
それは、ある時期、自己啓発を含めて、自らの人生の進路を
真剣に考え抜いた、選択の結果なのかもしれない。
自身の舵取りが出来た人は、幸せをつかむことを教えてくれる。

お花見のような集まりは、いい意味での人生の縮図、
さまざまなことを考えされられる場でもある。

(K.K.)


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2008年03月26日

職務経歴書=売込みツール

昨年、デザイン事務所を立ち上げた若い友人のところを表敬訪問した。

彼は、新しいスポンサー向けのプレゼンテーション作成に汗を流していて、
仕事を取ることの難しさを噛み締めながら、がんばっていた。

以前、彼の転職のお世話をしたことがあるので、
彼が、どんな職務経歴書を書いていたか、思い出してみた。
そのときも、確か、彼の職務経歴書、作品集は、
彼自身を売り込む「プレゼンテーション力」が、ひときわ光っていた。

彼自身のスキルを、デザイン担当以外の人(採用・人事部門等)にも
わかりやすく図解し、それをまとめたものであって、
しっかりと、彼自身を売込むツールになっていた。

職務経歴書は、転職にあたっての名刺代わりでもあるわけだから、
少し時間をかけて、求人企業が飛びつくような
プレゼンテーション力あるものに仕上げたい。

(K.K.)


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2008年03月25日

人生の充実のために

転職には経験が必須と前にも書いたが、
経験年数が長すぎても、
年齢で対象外とされてしまうことが少なくない。
それは、今も昔も変わらない。
転職は年齢との戦いでもあるのだ。

年齢だけを考えた場合、
20代後半から30代前半までを転職のベスト時期とすれば、
40代、50代は、残念ながらワーストに近い。
特にデザイナーの場合は、この傾向は顕著である。

弊社では、このところ、プロダクト関係の求人が多く、
20代後半から30代前半までの人の転職は非常に有利だ。

とは言っても、特殊な才能が買われ、
40代で大企業に転職した例もある。
年齢の壁を乗り越えるのは、非常に勇気がいるが、
「経験豊富」という財産を味方に、人生後半の充実のためにも
本当の天職を見つける努力をして欲しい。

少しでも、そのお手伝いができれば、
それが、私たちの「天職」、本望だと思っている。

(K.K.)


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2008年03月18日

ピンチはチャンス

IMG_4319.JPG

米国の信用力の低い個人向け住宅融資、
いわゆる「サブプライムローン問題」を発端とする
金融不安が深刻化し、円高・株安が加速している
という報道と平行して、日本の大手企業も、
輸出に大ブレーキがかかるとして、
人件費や宣伝費、教育費等の予算削減を始めている。

となれば、中途採用も先延ばしとなるから、
転職が難しくなる時代に突入?

ニクソン・ショック(注1)や、オイル・ショック(注2)
見てきた我々世代には、目新しいことではないが、
日本経済がピンチに陥る事は確かだろう。

しかし、「ピンチはチャンス」という言葉もある。
慎重に業界を見守りながら、むやみに焦ることなく、
自分のペースで転職活動を進めたいものだ。

そして、時には歴史を紐解き、先輩デザイナーの言葉にも
耳を傾け、過去から学ぶことも大切だ。

(K.K.)


(注1)
「ニクソン・ショック」
1971年8月15日、米国大統領・ニクソンが、
「ドル防衛のため、ドルと金、その他の資産との交換を一時停止する」
と突然発表し、為替相場は混乱した。
固定相場制から変動為替相場制突入を告げた声明。

(注2)
「(第一次)オイル・ショック」
1973年10月、第4次中東戦争をきっかけに石油危機が世界を襲った。
石油価格が暴騰し、日本でも「狂乱物価」と「マイナス成長」を経験、
トイレットペーパー買い占め騒動が起きたり、
ガソリンスタンドの日曜休業の措置が取られたりした。

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2008年03月11日

「経験」とは何か

先日、このブログの中で、経験年数について書いた。
→ 2008年3月4日up 『経験年数』)

デザイン界の転職条件は、経験年数・最低3年以上が必須、
従って、第2新卒はおよびでない。
石の上にも3年、経験を積むべきだという内容だ。

すると、現在、デザインと関係ないことばかりの職場で、
何のデザイン経験にもならない、どうしたらいいのか、
という相談があった。

そこで、デザインと関係ないという職場での仕事とは、何?
と聞いてみると、雑用に近いことで日々が暮れていく。
それが悔しいという話だった。

私は、「雑用」もデザインの内としばらく静観しながら、
いずれデザインに役立つことを信じて、何事も経験と思って、
今の仕事に精一杯取り組んではどうか、と諭した。
私の経験から言える話だからだ。

実際に、若いときに営業職などを経験したことが買われて入社でき、
現在、バリバリとデザインをこなしているデザイナーを沢山知っている。

もっと強く言えば、「デザインと関係ないものなど、この世にない」と
言ってもいいぐらいだ。
経験を積むということは何か、再考を促したい。

(K.K.)


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2008年03月05日

新製品開発の難しさ

今年の夏に売り出される新製品は、もう工場から出荷されつつある。

中でも、天候に左右されるものは、売れるか、在庫として残るか、
賭けをしているようなものだとは、友人の弁。

彼は、暑い夏なら飛ぶように売れるだろうと、
復古調の新製品機器を国内向けに企画し、
ついでに、中国や米国に輸出できないかと、ある商社マンに相談した。

しかし、この手のアイデア商品は、どこの国でも、すぐに真似されるので、
中国・米国市場向きでないとの話で、輸出は諦め、
国内、それも限定販売となったという話を聞き、
商売とは難しいものだと思った。

だが、団塊の世代は必ず、復古調の機器を歓迎するに違いない、
との読みがあるから、新製品開発に踏みきったと言う。
それでも、天候に左右される商品だけに
「神頼みだ」とも友人は付け加えていた。

(K.K.)


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2008年03月04日

経験年数

デザイン界の転職条件は、経験年数、最低3年以上が必須。
従って、第2新卒はおよびがない。

高校、専門学校、大学…と、学んできた年月を数えると、
3年、4年は、誰でも「勉強」の時期を経験しているのだから、
新卒で就職しても、最低3年ぐらいは辛抱できるはずである。
どんな職場でも、石の上にも3年とは、良く言ったものだ。

そもそも経験がないと、次の職場は無いのだということを
厳しく自覚して欲しい。

先日、今や売れっ子デザイナーNo.1のT氏の過去の話を
某先輩から教わった。

彼は、鍋・釜のデザイン会社に入社、
毎日が物足りないと言いながらも、
3、4年辛抱したあと、次の職場に巣立って行った。

そのことが彼の人生にとって、大正解だったという話だ。
あの退屈な鍋・釜のデザイン歴が、
彼を大物にしたとの見識は面白いと思った。

彼の職務経歴書には、どう書かれているかは知らないが、
経験がないと、職務経歴書一枚すら書けないことだけは間違いない。

(K.K.)


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2008年02月27日

全力投球できるもの

元デザイナーで、今は日本と中国の橋渡しに役に徹し、
中国でのビジネス歴30年という、S氏と
2日間、昼食を共にした。

彼からは、いつも学ぶことが多く、いかに中国でのビジネスが
変化に富んでいるかがわかる。

例えば、中国人が出稼ぎとして向かう国は、
タイやシンガポールが非常に多いという。
日本は、観光にしても、ビザの関係で入国が難しく、
敬遠されるのだそうだ。

日本の30年前と同じく、外貨持ち出しの問題もあり、
好きなだけ買い物が出来ない不便さもあるせいだが、
抜け道として、カードでの買い物は制限されていないと聞くと、
法律はどうなっているのかと、首を傾げたくなる。

中国という、巨大な隣国とのビジネスは、
底が無いくらい変化に富んでいて、
彼自身、そこに全力投球できることが、人生の励みとなっている。

人生は、自分が全力投球できるものを見つけられるかに
掛かっているだろうと、彼を見ていると思う。


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2008年02月20日

デザイナーの実力とは…?実力あるデザイナーとは…?

私の友人に、実にマルチな人がいる。
彼は、グラフィックデザイナー、大学の先生、デザイン事務所経営、
それに物書きと、実に幅広く活躍している。

本の出版については、この数年、新書本から学術書を含め
年に3冊以上書き続けているのだから、すごい。
しかし、彼はそれを特にPRするでもなく、
執筆の合間に論文を発表している学者先生でもある。

その忙しい彼に、ある会のボランティア審査員を
お願いしたことがあるが、実にフットワークよろしく
手伝いをしてくれた。もちろん無償でだ。

その彼のことを、某国立大学の先生などは、
実績を残している同業者への「やっかみ」からなのか、
出る杭は打つごとく、批判していると聞いて呆れた。

一度入れば、定年まで大学の先生として勤まってしまうような、
時代錯誤もはなはだしい人達を、私などは哀れにさえ思う。

実力とは何か、実学とはいかなるものかを理解することなく
壇上から学生に講義だけしていたところで、
優秀なデザイナーは育つはずが無い。

そういう意味で、私は、国立大学の再編成に期待している一人である。

(K.K.)


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2008年02月19日

廻り道も人生

ブラームスが最初の交響曲を書いたのは、
50歳頃だといわれている。
何かを為すのに、何歳になっても遅いということはない。

先日、高卒で5年ほど働いたあと、デザイン職を求めて
改めて専門学校に入り直し、勉強中という若い人に会った。

少し廻り道をしてきてはいるが、確かなデザイン力を
身に付けているのに感心した。
聞いてみると、しっかりとした指導者につき、
みっちり勉強しているようだ。

何かを学ぶのに、何歳からでも遅いことはないと、
彼は、まさに自ら今、体験中なのだ。

彼は、生活力旺盛なところから、きめ細かいデザインが生まれる
ということも学んでいた。
高卒で5年働いたことが、現在の謙虚な彼を作ったように思えた。

こちらからのアドバイスをよく理解し、
それを職務経歴書にうまくまとめ、面接に臨んだ。
そして、合格間違いないところまでこぎつけている。
嬉しい知らせが楽しみだ。

(K.K.)


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2008年02月14日

歴史ある人気ブランド

昨夜、メンバーになっているNPOの
パソコン同好会が終わる間際に、
女性から、珍しくチョコレートを頂いた。

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ふと、「義理チョコの日?」と思って、口に出しかけたが
ハワイのお土産と聞いて苦笑した。
団塊の世代の友人など、義理チョコの時代は遠い昔になり
淋しいというが、私はチョコレートが好きでないせいもあり、
商魂たくましいチョコ業界に寄与するなど、
とんでもないと思っている。

しかし、この業界にも、すばらしい歴史が有り、
誰でも知っているベルギーのGODIVAブランドなど、
私から見れば、目玉が飛び出すほどのお値段だが、
空港などでは、飛ぶように良く売れているらしい。

ラベルには、「Depuis 1926」とあるから、
歴史が有り、根強い人気ブランドとして、世界を制覇しているのだ。
チョコレートの世界でも、驚くべき商品があることを知った。

それぞれの世界に、それぞれの歴史がある。
ならば、チョコも時には口に入れてみようと思うが、
あとで歯医者に行くぐらいならやめようか…と、しばし迷っている。

(K.K.)


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2008年02月13日

路線変更

迷える子羊のごとく、不安定なのが転職というもの。
そう腹をくくると、時には度胸もつくというものだ。

特に、従来の専門から少し路線を変更して、
幅を広げたいという意欲のある人には、
こちらから宿題を出すことにしている。

先日も、遊戯の世界のイラストレーターを目指したいというA君には、
その世界をよく観察し、自分がどの部分で働けるか、
シミュレーションするよう指示し、
1週間以内に答えるように宿題を出した。

既に退職していて、毎日が転職活動の人には、
1週間で仕上げ、持参するように言い、
在職のまま転職活動をしている人の場合は、
土日を使って、2週間以内に宿題に答えるように指示している。

そうすると、徹夜してでも持参してくる意欲あふれる熱心な人もいるが、
中には、挫折したのか、その後何の音沙汰ない人もいる。

デザインの世界で路線を変えるのがいかに難しいか、
経験しないと分らない部分があるだけに、
我々には、慎重に対処したいとの思いがあり、
面倒だが、宿題を課している。
模擬試験の一種と思ってトライして欲しい。

(K.K.)


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2008年02月06日

中国、13億人、何でも有り?

ギョウザ中毒事件のさなかに、友人の中国人と再会した。
明日、お袋さんの病気見舞いに帰国するという彼は、
この事件のことを「中国、13億人、何でも有り?の国」と、
悲しそうに話していたのが印象深かった。

日本の過去にも、これに類似した事件が
数多くあったことを知る身としては、
早く解決して欲しいと願うのみです、と話した。

日本の13倍の人口を有する国で、
5千年の歴史をはぐくんできた大国には、
いつでも、何でも驚かされる。

今回も、「何でも有りの国」という言葉に、
文化の違いをはっきりと見せられた気がした。

例えば「文明の利器」についてなら、性能で判断できるが、
文化の違いとなると、なんと難しいことか、
と、しばし考えさせられた。

(K.K.)


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2008年01月30日

デザイン振興にかける川崎市

モノづくり・デザイン日本を語るとき、忘れてならないのは
川崎市のデザイン振興運動だ。

昨日も「第19回デザインフェア」が、
かながわサイエンスパークのKSPホールで開催され、
「かわさき産業デザインコンペ2007」公開審査会や、
日産「マーチのカラー戦略とカラーデザインの思い」
という特別講演が行われた。

その後の交流会で、安部川崎市長から
「かわさきブランドをつくり、世におくりだしたい」という
熱い想いをお聞きし、行政の取り組み方に感心した。

平成元年から、毎年デザインフェアを開催し
市民と共にデザイン振興を続け、
コンペ作品から「かわさきブランド」を生み出している。
まさに、「継続は力なり」を地で行っている川崎市。
私自身、神奈川県民だが、川崎市民でないだけに、
つい川崎市をうらやましく思った。

(K.K.)


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2008年01月17日

己を見つめる視線を

『某国内有名家電メーカーの面接試験問題で、
「iPodを倒すにはどうすれば良いか?」
新卒者にこのような質問をしなくてはならないほど、
そのメーカーは打倒iPodに燃えていたようだ。
ジョブス復帰後のアップル社の就職面接では、
以下のような質問があったそうである。
「アップル社の強さはどこにあると思うか?」
この2つの質問を比べてみると、
前者は他社を気にする視線、
後者には己を見つめる視線が、それぞれ感じられる。』
(大谷和利著「iPodをつくった男」アスキー新書より抜粋)

面接試験問題も時代を反映してか、過激な質問が出てくるようになった。
自分なら、どのような答えが出せたか自問自答してみると、背筋が寒くなる。

米フォーチュン誌が選んだ2007年のNo.1経営者、スティーブ・ジョブスの
経営者としての手腕そのものが、アップル社の強さなのだから、
「彼を倒すにはどうすれば良いか?」という愚問になるからだ。

もうそろそろ、他社を気にする視線よりも、己を見つめる視線の方に
路線変更する時代に入るべきと思った。

(K.K.)


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2008年01月08日

2008年の年賀状に思う

忘れかけていた友人から年賀状が届くと、
しばし懐かしく思うから、年賀状は辞めないという友がいる。

一方、年賀状もメールで十分、写真から近況報告まででき、
これぞ文明の利器の出番だというメール愛好者もいる。

私はというと、あいまいで、友人によって使い分けている。
年賀状を頂いたら、できるだけ年賀状でお返しし、
メールの場合は、メールでお返事を出すといった具合だ。

今年は、年賀状で3通ほど、忘れかけていた若い友人から、
うれしい便りがあった。
就職、結婚と順調な船出ができたとの報告から、ベビー誕生、
中には、昨年末の某所忘年会で偶然お会いした若い友人から
「数分でもお話できて良かった」という一言が添えられたものまで。

メールでは、書初めではないが、自身の「傑作」という書を添付して
送ってくれた友人もあった。
ただ、私はこの添付ファイルが開けられず、
新年早々、パソコンの達人にSOSして開き方を教わった。
無事プリントアウトし、しばし鑑賞してから、コメントを書き、
私の正月の近況写真を添付して礼状とした。
こういうのも、その人らしい、いいメールであり、賀状だと思った。

考えてみると、今や年賀状にも表現手段が沢山あるわけだから、
アイデア次第でいかようにでもなる。
少し知恵を出して届けるべきと改めて思った。

(K.K.)


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2007年12月26日

犬も歩けば棒に当たる

カルタ売り場を見ていたら、懐かしい言葉を見つけた。
『犬も歩けば棒に当たる』である。

転職でも何でも、歩いていれば、障害物に当たることは避けられない。
そこで、じっと時を待つのも良いが、
それで人生が終わりというのもいただけない。

人生には、やはり旬というものがあるから、
思い立ったら、何が何でもそこからまた挑戦するのも若ければこそだ。
時には、歩いて、棒にでも何でも、当たってみる勇気も必要だ。

福沢諭吉は、西洋文明をいち早く知ったことにも根ざしてか、
独立独歩へのこだわりが強く、政府の要職には、
要請されても一度も就かなかったという。
あの慶応義塾の創立、経営についても、うまく行かなくて潰れるのなら
いつ潰れてもかまわないと考えていた、と自伝にある。
棒に当たる勇気と、人生捨て身の爽快さを持ち合わせていたのだろう。

棒に当っても、何度でも挑戦できるのが若者の特権。
年の瀬に、一万円札の中の福沢諭吉を見ながら、
来年はどんな棒に当たってみようか、
若者の特権にあやかりたいと、私も胸を膨らませている。

今年も、『転職お役立ち情報』、ご愛読ありがとうございました。

(K.K.)


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2007年12月21日

クリスマスのルーツ

『イギリスの1年のほとんど正確に半分を春、夏、秋が占め、
後の半分は冬ならば、歴史上、イギリス人というものは
まず冬に対処することから、そのイギリスでの生活を始めたに違いない。

それを旨くやらねば、凍え死にするほかないのであるから
民族の知恵がそこに結集されたわけで、
炉辺の幸福とか団欒の季節とかいうのはイギリスで始まったことである。

(中略)

それでクリスマスというものが、ヨーロッパ大陸の方では
主に宗教的な意味を持つのに対して、
イギリスでは、多分に社交的な行事になっていることの説明もつく。

クリスマスは冬の真最中で、それが寒さが厳しい暗い季節であるから
イギリス人は、それと救世主が生まれた喜びというものを結び合わせて
暗闇の中に火を燃え上がらせることを発見した。

そうした寒さに震えながら教会に夜のミサに行く代わりに
彼らはサンタ・クロースを持ち出した。
イギリス人が教会に行くのは朝で、それも行かないものが多い。』

(英文学者・吉田健一著『イギリスの冬』より抜粋)


身近なものを改めて調べてみると、新しい発見がある。
時には、クリスマスのルーツにも触れ、
忘年会などで友と語り合うのもいいですね。

(K.K.)


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2007年12月12日

出版業界に学ぶ

昨夜は、ある出版社の60周年記念のお祝いに招かれた。
医療関係専門の出版社だから、一般にはあまり知られていないが、
看護学専門という世界では、秀逸。

お医者さん、看護士さんが集まって盛り上がり、
とても良いパーティーであった。

その中で、主催者側の会長のスピーチ、
「出版の歴史は120年、我が社は60周年、まだこれからが勝負」
という意気込みは、すばらしいと思った。

私たちデザイナー集団も、まだせいぜい60年の歴史しかない。
やはり、ここは謙虚に、「出版の歴史は120年」に学びたいと思った。

明治以後の日本の文化を育て、支えてきた出版業界も、
若者の活字離れが激しく、昨今は不況産業の代名詞になりつつある中で、
生き残りをかけて頑張っている。
フリーデザイナーという業界の不況も、
出版業界のそんなしたたかな戦略、工夫に学ぶところは多い。

どんどん本を書く、論陣を張る、批判されながらも
理想の追求に動く、負けてたまるかという業界に変身する……
そんなデザイナーの姿を思い描いていた。

(K.K.)


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2007年12月11日

ドイツ人の職務経歴書

最近、いろいろな国の人の転職をお世話することがある。
先日も、日本の大学に留学、卒業、職を探している、
日本大好きというドイツ人のお世話をした。

彼の場合、日本語は会話程度しかできないから、
コンサルティングも英語、職務経歴書も英語のものを持参してきた。
ただ、やはり応募先は日本企業だから、すべて英語で通すことは
不可能ということで、弊社のスタッフが、職務経歴書を日本語に翻訳した。

しかし、英語をそのまま日本語に訳すと、ドイツ特有の学校制度などが
やたら目立つし、長文にもなる。
実習教育なども、転職回数のように見えてしまう……etc.
かなり苦労しながら、本人にもよく内容を聞き、丁寧に翻訳していた。

ドイツ人の彼が言うには、それを彼の日本人の奥さんに見せたところ、
非常に分りやすい日本語の職務経歴書になっていると褒められたそうだ。

文化の違いは、一枚の職務経歴書にもあらわれる。
表面上の単語の意味だけではなく、その内容、制度、文化までを
よく理解しないと、先に進めない。

そしてそれは、英語でも、日本語でも、同じことだ。
職務経歴書の基本は同じ。
内容が明確であり、どんな人にも分かりやすいことが重要だ。

(K.K.)


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2007年12月05日

お土産は中国の日記帳

先日来、友人に中国語の上達方法を学び、
今回の短い中国出張中に、実戦を試みたいと思いつつ出かけた。
あまり成果は出せなかったが、中国で活躍しているビジネスマンの
中国語上達法を聞く機会もあり、収穫もあった。

私は、電子辞書を片手に、単語を見せて発音を学ぶところからスタートし、
初歩の初歩でも、「生の中国語に触れた」という感触を持てたのは、
まさに「百聞は一見に如かず」、バーチャルには無い素晴らしさだった。

今回の出張中、東莞(トンガン)市の街中を散策中に見つけた
小さな文房具屋で、一冊の日記帳を買った。

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中国語と英語で表記されていて、ところどころに考えさせられる言葉もあり、
見ているだけでも、なかなかおもしろい。
一月一日を見てみると、『壹月 JANUARY 一月 元旦 1』とある。

これなら日本人にも違和感がない。さらに、『Week 1 1-365』
と親切に書かれているのには感心した。

来年は一日一日を大事に、この日記帳を使いこなしたい。
中国通貨で18元、日本円にして300円ぐらいの日記帳が、自分のお土産になった。
そして来年は、この日記帳で一日一語、新しい中国語と出会うことになりそうで
今から心をはずませている。

(K.K.)


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2007年11月21日

元ベテラン・デザイナーに学ぶ外国語習得法

元デザイナーで、日本と台湾、中国を股に架けて活躍中の友人がいる。
今は、開発型商社の経営者だ。
彼に、中国語の上達法を聞いてみた。

彼はノートに、「おはようございます」「お元気ですか」「お休みなさい」など、
朝から寝るまで一日の行動を書きとめ、それを中国語に翻訳してもらい
とにかく覚えること、これに限ると言い切る。

なるほど、一日の行動を覚えれば、日常会話はそれでこなせる。
あたりまえのことだが試してみたことがないから、
今度、所要で行く中国で試みてみようと、感謝、謝謝(シエシエ)。

メールで日本語を送ってくれたら、秘書に翻訳してもらい、
返送するからと、親切に言ってくれたので、
早速、一日の行動を日記風にまとめてみようとした。
しかし、「おはようございます」「お元気ですか」、その後は……
中国でどんな言葉が必要かが出てこないのに参った。
「ありがとう」「さようなら」「ご馳走様」ぐらいしか浮かばない。

少し考え、「お湯を下さい」「いくらですか」「トイレはどこですか」
などと書きながら、日常会話も意外と難しいことを発見した。
普段の生活では、言葉に出さないでも“通じる”ところが
逆に問題なのだということも分かった。

はたして、今週末からの中国・香港・トンガン行きは、
どんな旅になるのか。
ボケ防止(?)も兼ねた中国語学習は楽しみだ。
せっかくの機会、楽しみたいと思っている。

(K.K.)


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2007年11月14日

異業種交流

アフター5にNPOを立ち上げ、いろんな人と福祉関係の研究をしている
こう書くと、勉強家に思われるかもしれないが、たいしたことはしていない。
が、時には面白いことに出会える。

このNPOは異業種の集まりで、メンバーの内訳は、
主にデザイナーと医者だから、話が簡単にはまとまらない集団である。

先日も、デザイン学部の先生と精神科医とのミーティングで、
「デザイナーの卵、現在の学生気質について」話し合った。
なぜ彼らは、発想力、想像力、もろもろの意欲がないのか、
というマイナス面の議論が多かった。

精神科医の彼は、デザイナーの川崎和男氏のファンであるといい、
彼の発想力、想像力、もろもろの意欲が
デザイナーとしてすばらしいと言うのには驚いた。
彼のデザインした人工心臓に敬服し、
彼のデザインしたメガネまでかけているのには、さらにびっくりした。

精神科医で、これだけデザイン界を知っているということは、
異業種に対する興味が旺盛な証拠であり、勉強家なのだろう。
彼の話を聞きながら、異業種を勉強するということは、
視野が広がることであり、学ぶものが多いという事実を再確認した。

同業同士、デザイナー同士のミーティングも必要だが、
時には、異業種の人との交流もいいもの。
教えられることが多々あるはずだ。

(K.K.)


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2007年11月07日

『MY NAME IS TOKYO』

東京駅八重洲口「グラントウキョウ ノース タワー」が11月6日に誕生。
地下1階から13階までは「大丸東京店」だ。

この建物は、世界的建築家ヘルムート・ヤーン氏のデザインで、
今回は第1期オープン、5年後には第2期グランドオープン予定で、
現在の1.5倍の規模になり、首都・東京の玄関口にふさわしい、
斬新な21世紀のモデル百貨店になる……そうだ。

『MY NAME IS TOKYO』と、奇抜なPRが 目立つので、
野次馬根性で見に行った。
オープン初日とあって、日頃は目にしない男性客が多く、
先ずは東京名物は何か?と物色している冷やかしの客で大混雑。
エスカレーターの近くは危険ですというアナウンスが耳につく。
ロングスカートの人は巻き込まれないように、お子さんは手をつないで……
と何とも親切なアナウンスが繰り返される。

2階の「ビューティ・フロア」に集まったブランド、その数43。
「噂の一品や新作たちがあなたの美女化、お手伝いさせて頂きます」
とあるように、1階から6階までは、婦人用品が占めている。
私はといえば、11階のブックランキングコーナーでベストセラーを一冊購入し、
早々に帰ってきた。

目新しいものに出会えず残念だったが、東京駅八重洲口の
この「八重洲」という地名の語源は、オランダ人、ヤン・ヨーステンの名に由来し、
彼の屋敷があったことからだという。
徳川家康の信頼を得て、幕府の外交、オランダ貿易顧問を務め、
屋敷を拝領したと聞くと、400年の由緒ある首都・東京の玄関口が
オランダと繋がっていた事実に脱帽。
東京はやはり奥が深い。

(K.K.)


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2007年10月31日

来年はどんな年になるのだろう?

先日、サンフランシスコで行われた、世界インダストリアルデザイン会議に
出席した友人から、サンフランシスコ市内には、乞食があふれていたのが
印象的だったという、意外なことを聞いた。

また、久しぶりに故郷である長崎郊外を訪れた別の友人は、
コンビニがいたるところにできていて、びっくりしたと言う。
今や日本はコンビニ天国になったのではと、彼も意外なことで驚いていた。

10月末ともなると、今年も残すは2ヶ月、「来年はどんな年になるのだろう?」と考える。
この二人の友人の旅の感想は、私にはかなり「……納得!」というものだった。
つまり、乞食が多くなった米国は、すべてに混乱しているのだろうと想像がつく。

そして、コンビニ天国・日本は、便利さを求めて、しばらくは走り続けるのだろうが、
ヒットしない、売れない商品は、2週間で店内から抹殺されるという
流通の現状を聞かされているだけに、商品寿命も一層縮まっていくのだろうか。
それは、デザイナーの出番が多くなることなのか、それとも少なくなるのか、
混沌としてきていることだけは確かなようだ。
これを、「流通革命」と人は呼ぶらしいが、一人の消費者にとってはどうでもいいこと。
食品であれば、安全第一で供給して欲しいのが本音だろう。

「来年はどんな年になるのだろう?」と考えながら、
「来年はどんな年にしたいのか」我が身の問題でもあることに気がついた。

(K.K.)


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2007年10月23日

外から見た日本

スペイン在住40年近い日本人画家の個展を新宿で見て、
その後、彼と軽く飲んだ。
そのときに彼から、日本には今でも、芸術には「自由がないのではないか」
という意外な言葉を聞いた。

日展や院展という組織の中での芸術は、芸術家の個性を殺さないと
入選すら出来ない、と彼は言う。
先生の教えに従わないといけない、いわゆる流派に属さないと
芸術作品として認めてもらえない、そんな小さな世界が嫌で、
スペインにいるのだと言う。

スペインは、ピカソをはじめ、いろいろな芸術家を生んだだけに、
芸術に関する自由度がすばらしいとも、彼は付け加えていた。

外から見た日本は、芸術家も政治家も皆、派閥で動いるように見え、
全く自由がない、一人歩きすらできない国と映っているらしい。
半分本当だろうが、半分はそうではないよと言おうとしたが、
すぐに反発する言葉が見つからず、そのまま別れた。

後日、デザインの世界でも、自由がない、個性すら出せない、
どんぐりの背比べ的な商品づくりを続けていると、
やがて世界から見放されるし、彼の指摘を謙虚に受け止めるべきと思った。

そして、「グローバル」という言葉を、
もう一度よく噛みしめてみたいとも考えている。

(K.K.)


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2007年10月17日

食わず嫌いは損をする

デザイナーからゴルファーに転向したという人の話を聞いたことがないし、
ゴルファーからデザイナーになったという人も、私は知らない。

最近まで、デザイナーは皆、ゴルフ嫌いなのかと思っていた。
しかし先日、現役デザイナーのゴルフコンペに参加して、
彼らの中にも、ゴルフ好きな人も多いということを知った。

デザイナーは、職業的に個人プレイな面も多分にあり、
4人1組で廻るゴルフなど不向きなのだと思っていたが、そうでもないらしい。
どうも、当初は「食わず嫌い」なだけで、きっかけがあって食べてみたら、
ゴルフの面白さを理解できる人種であることを、このコンペで発見した。

デザイナーは、芝目を読む、傾斜を見る、直線かアールがかかっているかなど
観察観が鋭いから、グリーン周りのパットを入れるプレイなどは、うまい人が多い。
ただ、日頃、練習していないから、遠くに飛ばすことは苦手のようで、
トータルのスコアはあまり良くないが、それなりに楽しめるのでオススメだ。

道具からウェア、ゴルフ場の環境問題まで、ゴルフに学ぶものは沢山有り、
中でも、4人で回るという団体行動は、デザイナーのプロジェクト運営にも
なにか通じるところがあるように思う。
時には、個人プレイ的な世界から、チームプレイ的な世界を覗くことも必要。
なにごとも、「食わず嫌い」は損をする。

(K.K.)


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2007年10月11日

クロージング・パーティー

先日、北鎌倉の画廊で、珍しい現代アートの「クロージング・パーティー」に出席した。
(オープニング・パーティーならぬ、クロージング・パーティーだ)
現代アートの仲間の集い、反省会でもあるから、作品自体も難しいが、
アーティスト本人が、豊かな個性の持ち主の集まりだったから面白かった。

まず、現代アートの応援団として横笛の演奏があり、
続いて南京珠すだれの演技も飛び出すなど、現代アートの幅広さを見せてもらった。

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写真のこの作品は、インスタレーションと言って、現代芸術において、
従来の彫刻や絵画というジャンルに組み込むことが出来ない作品とその環境を、
総体として観客に提示する芸術的空間を意味する。

仲間の職業は、学校の先生や、本の装丁を手がけるデザイナーなど幅が広く、
彼らの現代アートに取り組む姿勢は、すごくエネルギーの塊のように見えた。
世の中にこういう仲間がいることを知り、リッチな気分になって帰ってきた。

(K.K.)


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2007年10月03日

転職は簡単ではない

IT時代に入って、デザイナーの転職活動で大きく変わったことが二つある。
一つは、デザイナーの技術の一つに、パソコンやソフトを
どれだけ使いこなせるかが問われるようになったこと、
二つ目は、転職活動がネットで簡単にできるようになったことだろう。

今や、転職情報はネット上を中心に巷にあふれているから、
転職そのものも簡単だと思い込んでしまう人も少なからずいるのだが、
現実はむしろ、昔より厳しい。

ネットで簡単に転職活動できるのもIT時代の「恩恵」と思いたいが、
あまりにも簡単に転職が出来ると思い込む人が増えたのでは、と、
「弊害」の方が昨今心配になる。

次が簡単に見つかると思っているからなのか、
ひどい例だと3ヶ月、3週間、いや、3日で辞める人さえいる。
転職を、人生の何だと思っているのかと、つい一言、苦言も呈したくなる。

職場は、あなたの人生を毎日楽しくもし、悲しくもする重要な場所である
ということに気がつけば、階段を上るがごとく慎重でありたい。

ITに振り回されない、地道な、アナログ的な転職活動を
応援できたら、私は本望だ。

間違っているだろうか。

(K.K.)


デザイナー転職紹介、人材紹介、求人募集のビートップツー

2007年09月27日

企業と大学、デザイン教育のズレ

家電大手のデザインセクション責任者と、私立大学の先生に
立て続けに会う機会があった。

二人の話に共通していたのは、
「デザインに魅力を感じないのか、やる気がない学生が多い」
ということだった。

少し突っ込んで聞いてみると、
職場では、一から教育しないと、デザイナーとして使えない人が多いと言い、
裏を返せば、大学で何を教えているのかと疑問があるようだ。

一方の大学では、デザイン専門教育以前の問題として、
「やる気がない学生」でも学校を辞めないように、
繋ぎとめる教育が必須となってきているという。

「デザインに魅力を感じない」「やる気のない」学生を、
大学では4年間面倒を見て、なんとか繋ぎとめて、苦労して世に送り出す。
ところが、入社した職場では、このような学生では全然使えないのが当たり前。

企業と大学との間で、デザイン教育についてのこうしたズレが
相当大きくなっているということを聞き、愕然とした。
少子化などの影響で、大学はサバイバルに必死。
そのことが、いろんなところに無理を生じさせている一例だと思う。

「好きこそ物の上手なれ」というではないか。
デザインに魅力を感じない学生を、
無理矢理デザイナーに仕向けることはあるまい。
無理は禁物。どうにかならないものか。

(K.K.)


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2007年09月26日

第2新卒の心得

新卒で就職したものの、3年以内に辞めて新たな仕事を探す「第2新卒」が
今年は3割ほど増えている。
また、今年4月に入社したばかりの新入社員でも、この9月に既に辞めている人は、
前年比で、やはり3割増えているというデータがある。

そういった人たちが、デザイン界で転職を希望するとなると、
職務経歴書には職歴のネタが乏しく、ましてデザインの作品も皆無となると、
お世話する我々も困ることが多い。

デザインの場合は、やりたい仕事でなかったことや、
今の会社には学ぶことがないという理由が多いが、
短時間で判断できるほど世の中は単純ではないことが分っていない。
安易な気持ちで転職できると思っている人も多いから困る。

しかし、辞めてしまったからには、再チャレンジの機会を作らねばならない。
作品をでっち上げ、「嘘も方便」と経歴を水増しする人もあるが、
私は正直に経歴を書くことを勧めている。

半年で考えたこと、1年で悩んだことは、それなりにあるだろうし、
これぐらいのつまずきは、若い人には許されるはず…(かも?)
自信を持って、明るく、再チャレンジしてもらいたい。

実際には、現実は厳しく、いい話は少ないが、初心にかえって、
丁稚奉公してでもデザインを勉強するくらいの覚悟で
職場を探す手もあると、ここでは述べておく。

(K.K.)


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2007年09月20日

スペインのお遍路

先日、同窓会をかねた、とあるパーティーで、大きな刺激を得た。

信州は小諸で陶芸家をしている友人・A君。
彼が一枚の地図を出し、この6月にスペインのお遍路コースを
38日間連続で歩いてきたと、目を輝かせて話すのには驚いた。
日に焼けた顔は、還暦を越えたとは思えないぐらい若く、健康的に見えた。

スペイン北部のコースを、毎日20キロ歩く。
雨の日も、風の日も、歩く。
病気になれば連泊が許されるが、
それ以外は一箇所一晩の宿と決められているので、
毎日歩き続けなければならない決まりだそうだ。

四国のお遍路は有名だが、スペインのそれはどんなものか、
いろいろと野暮な質問を試みたが、彼は丁寧に答えてくれた。

1)宗教は関係あるのか
 →宗教は、あれば何でもいいらしく、仏教もOK。

2)安全面はどうなのか
 →大丈夫。お遍路を襲う山賊はいないらしい。

3)トイレはあるのか
 →トイレは青空のもとで。

4)楽しかったこと、苦しかったこと
 →楽:お花が一杯。6月はベストシーズンだそう。
  苦:慣れるまでは、毎日20キロ歩くのは辛かった。

5)次はどこかに行くのか。
 →フランスのアルル地方を歩きたいとの抱負。

普通の同窓会では、「子供の話、孫の話、両親の介護、病気」と、
面白くない話ばかりだから参加しないという人が多いが、
彼のように目を輝かせて話す友人に会うと、
同窓会も捨てたものでないと思った。
大きな刺激を得たし、いつか真似てみたい。そう、歩けるうちに…。

(K.K.)


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2007年09月12日

自然に学ぶ

週末の台風一過を境に、銀座に点在する多くの画廊も
目覚めたように芸術の秋に入ったようだ。
今週、友人と共に、小さな画廊の個展を見て歩いた。

絵を見ることは、目の保養だという人もいるが、
私には「保養」どころか、「刺激」として迫ってくるものが多く、
今回も考えさせられる日になった。

木の廃材を使って、お盆などを作っているアーティストの作品では、
幾何学模様と具象模様が入り混じった、見たこともないような
不思議な木目模様にいたく感心した。
材料は栗の木で、板目の部分をろくろがけしたときに現れた模様だという。

板目の時は平凡な木目であっても、ろくろがけして掘り進むうち、
現れてきた貴重な模様だというから、やはり自然の奥深さはすごい。

アーティストの彼は、元工業デザイナーで、
いままで沢山のデザインを世に送り出してきた人だ。
その彼の言葉だけに、デザインと自然の組み合わせが面白く感じられた。

デザイナーもアーティストの一種と見る人もいるが、
デザイナーは、一品製作は許されない。
従って、これら自然の奥深い不思議な模様も、
量産できる工夫をし、世に送り出して初めて、デザイナー職が勤まる。

そういう意味では、アーティストも、自然も、
デザイナーにとっては先生であり、やはり銀座の画廊巡りは、
デザイナーにとって、必須条件だと言えよう。

(K.K.)


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2007年09月06日

隠れた必須基礎知識

中小印刷会社の顧問をしている友人と会ったときに、聞いた話。

この業界の採用条件の一つに、「電気知識の有無」があるという。
こちらが何故と聞く前に、そうでしょう、印刷機械は全部電気で動くから、
電化製品と同じ電気の知識がある方がいいとはっきり言う。

印刷関係に入りたいデザイナーも、電気の知識が必要かと聞くと、
当たり前でしょうと彼は言う。
なぜなら、電源を入れることが出来ないとパソコンも使えないし、
デザインも出来ないから、と言うのには驚いた。

彼の言いたいのは、電気の基礎知識がなく、電気に弱いと、
印刷会社に限らず、どの職場でも役に立たないということなのだが、
ごく当たり前のこともできない人が増えていると嘆く。

それを聞いていた別の友人も、パソコンの電源を入れ忘れたまま
故障だと叫ぶ新人もいて、文明の利器がもたらした「自動化」が
混乱をもたらしてきているのでないかと話していた。

デザインの課題としては、例えば、テレビやパソコンの
電源の位置ぐらい統一して、消費者を混乱させない機器のデザインも、
今後、求められる重要事項の一つであろう。

ともあれ、電気の基礎知識は、どの業界でも必須であることを
改めて実感した次第。

(K.K.)


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2007年09月04日

転職は真摯に

このところ、30代後半の女性のコンサルティングが続いたので、
彼女たちのことを書く。

サイトから登録するのが面倒なのか、飛び込みで来るから、
職務経歴書などは持っていない。
ならばと来社してもらって、その場で書いてもらおうとするのだが、
生活に追われているのか、全くマナーがなっていない。

電話で、今からコンサルティングお願いしますというので、
こちらもサービス業、誰かが対応しますと待っていると、
途中で電話が入り、明日にしてくださいという。
翌朝待っていると、時間がとれないから夕方にならないかと
変更の電話が入る。

さて会ってみると、もう月末近い時期というのに、
今月いっぱいで契